• "富士スピードウェイ"(/)
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  1. 世田谷区議会 2010-03-10
    平成22年  3月 予算特別委員会-03月10日-03号


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    平成22年  3月 予算特別委員会-03月10日-03号平成22年 3月 予算特別委員会 平成二十二年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第三号 日 時  平成二十二年三月十日(水曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  山内 彰 副委員長 高久則男 副委員長 吉田恵子      石川征男      大場やすのぶ      上島よしもり      小畑敏雄      宍戸のりお      下山芳男      新川勝二      菅沼つとむ      鈴木昌二      畠山晋一      山口ひろひさ
         飯塚和道      板井 斎      市川康憲      岡本のぶ子      佐藤弘人      杉田光信      高橋昭彦      平塚敬二      諸星養一      稲垣まさよし      上杉裕之      風間ゆたか      重政はるゆき      すがややすこ      中塚さちよ      中村公太朗      西村じゅんや      藤井まな      岸 武志      桜井 稔      中里光夫      村田義則      桜井純子      竹村津絵      山木きょう子      大庭正明      小泉たま子      田中優子      唐沢としみ      羽田圭二      木下泰之      あべ力也      上川あや      ひうち優子      青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長 林 勝久  出席説明員   副区長           平谷憲明   政策経営部  部長     板垣正幸          政策企画課長 宮崎健二          政策研究担当課長                 吉原清治          財政課長   岩本 康          広報広聴課長 久末佳枝          情報政策課長 栗原康夫   研修調査室  室長     杉本義德          次長     中田裕敬   総務部    部長     堀 恵子          総務課長   宮内孝男          事務監察担当課長                 泉谷憲俊          区政情報課長 志賀毅一          人事課長   尾﨑眞也          職員厚生課長 小田桐庸文   庁舎計画担当部          部長     峯田政和          庁舎計画担当課長                 原田茂実   危機管理室  室長     河合岳夫          災害対策課長 畠山育也          危機管理担当課長                 廣瀬幸男   財務部    部長     堀川能男          経理課長   岡田 篤          課税課長   西澤 滋          納税課長   小野村 登          用地課長   池田恒彦   施設営繕担当部          部長     福田督男          施設営繕第一課長                 窪松泰幸          施設営繕第二課長                 木下あかね   会計室    会計管理者  髙山 博          会計課長   藤間和夫   選挙管理委員会事務局          局長     杉野憲三   監査事務局  局長     柳澤正孝          次長     花房千里     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成二十二年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成二十二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成二十二年度世田谷区後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成二十二年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第五号 平成二十二年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第六号 平成二十二年度世田谷区中学校給食費会計予算企画総務委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○山内彰 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 本日は、企画総務委員会所管分の予算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  公明党、どうぞ。 ◆市川康憲 委員 おはようございます。よろしくお願いをしたいと思います。  いつも予算の審議の中で私が取り上げさせていただくのに、この予算書に計上されております二三九ページ、4の特別区人事厚生事務組合分担金(総務部)一億七千八十一万円という予算が計上されているわけですね。この一億七千八十一万円という金額についてなんですが、これは前年度と比べるとプラスなんですか、それともマイナスなんですか。まず、そこからお伺いしたいと思います。 ◎宮内 総務課長 ただいまの点でございますが、前年度と比べまして、約一千七百万円ほど減額になっております。 ◆市川康憲 委員 この予算書を見ますと、本区が行う事業についてはかなり細かく詳細に、各予算がどういうところに幾ら、このように出ておりますので、我々もよくわかるんですが、その特別区人事・厚生事務組合の分担金とか、こうした一つの項目でぽんと一億何千万円と出てきても、この内容がわからないということがありまして、この部分について毎年聞いているわけです。この一億七千万円がどういう形で使われているのか、どういうところにどれだけの予算が使われているのか、やっぱり私どもは最終的にこの予算を議決するわけですから、この部分もきちんと把握しなければならない、こういう意味で毎年聞いているわけですね。余り詳しくは聞きません。
     ただ、この人事・厚生事務組合、ここで職員研修をやっていますね。一ページあけますと、今度は二四一ページに職員研修、これは研修調査室、ここに三千十六万円の予算がついているわけです。お互いに研修を行っているわけですね。この研修の意味というのは大変大きな意味があるわけです。  二月十日付の日経新聞の一面の下の「春秋」という囲み記事の中で、現在、世界じゅうで問題視されているトヨタのレクサスのブレーキが戻らないという問題とか、それからプリウスのABS、要するに車がロックしない、そういうシステム、これがきき始めるまでに〇・〇六秒、その差をめぐってかなり問題視されているわけですね。私から見れば〇・〇六秒の差というのは、車間距離をとって普通に運転していれば大した問題じゃない、このように思います。なぜ思うかというと、私はかつて車にかなりかかわっていて、富士スピードウェイができた当時に、アメリカのロバート・ダンハム、イギリスのピーター・ベラミというレーサーの車のエンジンのチューニングアップをしたり、ピットマンをやったり、そういう意味からするならば、車にはそれぞれくせがある。こういうことからしても、かなり政治的な意図があるのかなという思いもするんです。  トヨタが社員教育をするに対してこう書いてあるんですね。メトロノーム、一秒にカツカツ、コツコツという、このメトロノームのリズムに合わせて、ラインで車を組み立てる職員に対して、そのコツコツ、コツコツという一秒間隔でビスを一つ一つ落とさせる。そして、徹底的にこのリズムというものを身につけさせる。そうした訓練を徹底して行って、そして車づくりをしていく。当然車というのは人を乗せるわけですから、これはもう命にかかわるという、こうした大変重要な訓練の一つであると位置づけてやっているわけですね。  翻って、私どもは八十四万区民の生命と財産を守るという、こうした使命を担っているわけで、そういう意味では、職員お一人お一人が、その八十四万区民の生命と財産を守るという意識にきちっと徹して取り組む姿勢がなければならない。そして、区長がよくおっしゃっているように、区民の目線というものを大事にしなければならない、こういうことから職員研修というのは非常に重要であると。  まずお聞きしたいのは、職員研修が人事・厚生事務組合でも行われている、それからまた、本区でも研修調査室が研修を行っている。まず、どこで線引きをして、そして人事・厚生事務組合で行うべき研修なのか、または本区で行う研修なのか、この辺の分担、役割、そして研修の概要、参加実績等々、まずこれを確認しておきたいと思います。 ◎中田 研修調査室次長 まず、分担に至る経緯でございますが、平成十八年度の特別区助役会におきまして、今後の共同研修のあり方が検討されました。同年七月に、人材育成は任命権者が実施するのが基本であり、各区の責任のもと、各区の考え方で確立するとの検討結果が示され、区長会で了承されました。その結果、平成十九年度以降の共同研修参加は、各区による選択制が導入されたという経緯がございます。  平成十九年以降、世田谷区では、職層ごとの研修は基本的に世田谷区が実施し、共同研修は区としての参加のメリットがある研修を選択するとした上で、世田谷区職員に求められる能力の開発向上については、区独自の研修体系により実施することとしております。  特別区職員研修所で実施している研修内容と実績でございますが、主に管理職候補者研修であるとか自治体経営研修、さらに戸籍や公衆衛生などの専門研修、人権同和などの講師養成研修等がございまして、平成二十年度参加実績は約五百六十名となっております。 ◆市川康憲 委員 今お話があったように、それぞれの二十三区の区長が描く職員像というものに徐々に重きを置かれてきた。したがって、それぞれの区の研修内容というものに重きが置かれるようになってきたということだと思うんです。  そうすると、この世田谷区の人材育成の方向性、そしてそれを実現するための主たる研修の内容、また実績、これについてどのようになっているか、教えてください。 ◎杉本 研修調査室長 私ども職員の基本的認識でございますが、公務員として納税者であります区民の皆様からの信託にこたえ、全体の奉仕者として仕事に取り組むことを責務としてございます。  お話しの職員の育成でございますが、常に緊張感を持ち、区民の目線に立って行動する職員の育成とともに、地方分権の推進に伴います自主自立の行政を担える職員として、人材育成方針に掲げる職員像の位置づけを基本に、社会の変化や時代の要請に速やかに対応でき、政策形成や事務改善の担い手となる職員の育成が必要であるものと考えてございます。そのために、人材育成の担い手をさらに育成することを目的とした研修や、あるいは相手の立場に立った対応力を高める接遇関連研修、それから、すぐやる課への派遣研修、さらには区民の皆様との協働のパートナーとして地域活性化などの課題解決を目指す、政策形成に係る研修などを実施してございます。  研修実績でございますが、平成二十年度で、職層研修約千八百名、それから接遇関連研修が約六百名など、延べ合計で一年間で約五千百名の職員が研修に参加してございます。今後ともしっかりと研修内容に工夫を重ねまして、計画的、継続的に、着実に職員研修に取り組みまして、「魅力あふれる 安全・安心のまち世田谷」の実現に向けまして、世田谷区に求められる職員の育成に努力してまいります。 ◆市川康憲 委員 今、室長の答弁の中に緊張感という言葉が出てきましたけれども、この緊張感を持って職務に当たれ、これは区長もたびたび発言されている言葉ですね。この緊張感というその言葉の意味、皆さんはどういうイメージを持っていらっしゃるのか、緊張感というこの言葉のイメージをどのように理解しているのか教えてくれますか。 ◎中田 研修調査室次長 私のとらえる緊張感でございますが、まず公務とは何か、区民の期待にこたえるためにはどうしたらよいかということを常に意識して、さらに、それにこたえている自分がいるかどうかという自問自答をもって行動につなげようとする、そういう心の状態を緊張感というふうに私はとらえております。 ◆市川康憲 委員 要するに、我々の人間の行動の原理というのはやっぱり心の反映なんだと思うんですね。心が動くから体が動く、行動に出ていく。そういうことから、皆様方のお仕事の様子を第三者の目で見させていただくと、重箱の隅をつつくようで大変恐縮なんですが、これが緊張感を持った仕事なのかどうなのか、緊張感を持って仕事をされているのかどうなのかという点が、目につく部分が幾つかあるんですね。  一つは、言葉で説明するのがなかなか難しいものですから、例えば、これは第三庁舎の掲示板です。ガラスで仕切られている中のこの掲示板、第三庁舎のところにずっと掲示板がありますね、そこに張ってあるポスター、これは石井桃子展を告知しているポスターです。これはずっと頭がはがれっ放しです。だれも何もしないですね、これは何カ月もそうです。  それからもう一つは、あそこに張ってあるポスター、掲示物を見ると、ちょっと見づらいかもしれませんけれども、総務部が何月何日までという検印を押してあるんですよ。総務部総務課、二十一年三月三十一日まで、ことしは何年ですか、いまだに張ってありますよ。これは、総務部総務課が二十一年三月三十一日まで掲示してもいいですよという許可を与えて、許可をいただいたセクションが張っているわけですね。この期限を過ぎたらはがさなきゃいけないんでしょう。そのための検印なんじゃないですか。これはどのように考えたらいいんですか。 ◎宮内 総務課長 委員ご指摘のように、確かに手続としましては、庁内に設置してあります掲示板にポスター等を張る場合には、総務課の承認を得て張ると。その際に掲示期間を定めまして、いつまでということで検印を押して張っている事情がございますので、ご指摘のように期限を過ぎたまま掲示したり、あるいは一部はがれたまま掲示していたというのは事実でございます。 ◆市川康憲 委員 要するに研修という部分が、きちんと研修調査室で行う研修、あるいは特別区人事・厚生事務組合で行う研修、それからまた各部長中心としてか、課長中心としてかわかりませんが、各所管でも研修をやるんでしょう。そういう研修がしっかりと身につかなければ、研修している意味は全くないわけでしょう。そういう内面的なものが、本当に重箱の隅をつつくようで大変恐縮なんですけれども、一事が万事という言葉もあるわけです。  そういう意味では、先ほども緊張感という話がありましたけれども、緊張感を持って一つ一つ、小さなことだって大きなことにつながる可能性を秘めているわけですから、そういう意味では、こうした点にもきちっと目配り、気配り、区長がおっしゃっているように、しっかりとした取り組みをしてもらいたいと思います。  平成二十一年度の定期監査報告書を見ても、軽微な誤りについては是正、訂正を行うように口頭で注意したと。「一部の事務については、次に示すような改善への検討が求められる事項や適正な処理を徹底すべき事項が認められた」ということでるる、ずっと各総合支所の問題とかいろいろ指摘されていますよ。  それから、全庁的、横断的に取り組むべき課題、ここでは「事務や事業の執行にあたっては、いったん事故が発生すれば、それが職員の故意か、故意でないかに拘わらず区民の区政への信頼を失うことになる。このため、これら事業の遂行においては『前例を踏襲すれば良いだろう』、『周知したから当然知っているだろう』ではなく、常に確認作業を怠らず改善に努め、気の緩みが事故を引き起こすことのないようにしなければならない」、このように書いてある。  最終ページにも、「職員一人ひとりが意識改革に取り組むとともに、各課・各部においては、組織全体としてチェック体制の強化に努められたい」ということで、この定期監査報告書のまとめ、「終わりに」というところにも書いてある。ということで、職員研修のあり方ということについても、ただ単に職員研修調査室だけの問題じゃなくして、すべての方々がもう一度考え直す必要があるのではないか、このように指摘をしておきたいと思います。  あと、時間が来てしまいましたので一点だけ、さわりだけ。あと私の持ち分、もう一回出番がございますので、そのときにも申し上げておきたいと思いますが、公共駐車場の問題です。  この公共駐車場、公共施設に付随していろいろなところに駐車場があります。有料、無料がありますね。総合支所、五つの総合支所がありますけれども、ここは有料の駐車場もあれば無料の駐車場もある。一番問題視したいのはキャロットタワー、ここの文生センターで住民票及び印鑑証明の発行業務をやっているんですよ。これは行政の業務ですよね。本所に来る、あるいは他の総合支所、有料駐車場であっても、これは行政サービスの基本的なサービスでしょう。だから、ちゃんと無料券を出している。有料駐車場であっても無料なんですよ。しかし、このキャロットタワーの文生センターに印鑑証明あるいは住民票等々をとりに行った場合には駐車料金を取られるんですよ。なぜですか、理由を教えてください。 ◎宮崎 政策企画課長 今ご指摘のとおりでして、今のキャロットのところにあります駐車場におきましては、現在、トラストまちづくりが所有しているわけですけれども、各テナントのほうはこのトラストまちづくりから駐車場の無料券を買い取りまして、利用者のほうへのサービスとしております。一方、今のご指摘の点ですけれども、ここにつきましては有料という扱いにしておりまして、他施設などと比較しますと、実態面から課題があるという認識をしております。駐車場の利用状況や実態、他施設との均衡などの観点から、関係所管と改善に向けた協議を行わせていただければと思います。 ◆市川康憲 委員 キャロットパーク、これは公共駐車場と書いてあるんです。公共駐車場、わかりますか。民間の駐車場じゃない、公共の駐車場、税金で設置した駐車場ですよ。その意味も含めて、この公共駐車場って、一体区民にどういうメリットがあるのか。民間とはどう違うのかということも含めて、次の機会に回します。(「美術館も無料にしろ」と呼ぶ者あり)美術館は無料になっています。  以上で私の質問は終わります。 ◆平塚敬二 委員 私からは、初めに、区内産業を活性化させる入札制度についてお伺いいたします。  リーマンショック以降、大変な不況の中、民間の建設工事が減る状況が続いています。例えば東京都の住宅着工統計では、二十一年度の都内における住宅着工件数を見てみますと、持ち家は一万七千九百九十六戸と前年比四%ほどの若干の増加でしたが、貸し家は五万一千八百三十八戸と前年度比二四・七%の減、二年ぶりの減少です。また、特に分譲住宅は三万五千七百六戸と前年比四八・一%の減。これは過半数に近い落ち込みで、大変に厳しい状況でございます。また、二年ぶりの減少ということになっております。  また、地域別に見てみますと、世田谷区を含む区部全体では七万九千七百三十四戸と前年比三三・一%の減、やはり二年ぶりの減少です。さらに市部でも二万八千百十四戸と前年比で二四・七%の減、二年ぶりの減少です。  また、国においては、昨年の政権交代の結果、二十二年度の予算におきましては公共工事関係の予算が一八・三%減と大幅に削減をされた構成になっております。昨年も大変に厳しい状況でしたが、今後ますます建設や土木にかかわる事業者の皆様は大変な状況が続くと考えられます。  そこで、まず二十一年度の状況として、民間の工事が減少する中、区内の事業者の皆様がどんな影響を受けているのか。また、二十一年度に資金繰りがいかなくなるなど工事が続行できなくなった事例は何件あり、区ではそれをどのように認識しているのか、まずそこをお聞きいたします。 ◎岡田 経理課長 景気後退による民間建設需要の減少から、建設業につきましては大変厳しい経営環境が続いております。業種によって違いは見られるものの、支払いが確実な公共工事を低価格でも受注しよう、こういう動きがうかがわれます。こうした中、区発注の工事を受注している際に倒産に至るといった事態が、二十一年度で申し上げますと四業者で発生いたしまして、八件の工事が影響を受けてございます。公共工事が施工の途中でストップするような事態は、工事の完成のおくれを招き、また、区の事業計画や区民生活にも悪影響を及ぼすことになりますので、大変遺憾に思っているところでございます。 ◆平塚敬二 委員 低価格であっても支払いが安定していれば、公共工事のほうに、とにかく仕事がほしいと。また、そうやってとった仕事でも、四業者の方が八件の区の事業の途中で立ち行かなくなっているという状況を今確認させていただきました。  次に、二十一年度の落札率の傾向はどのようになっているのか、また、四月から十月までの工事で最低制限価格を下回ってしまった入札の件数は何件あるのかお聞きします。 ◎岡田 経理課長 今年度四月から本年二月までに経理課で扱った契約の平均落札率でございますが、八三・五一%、前年度の年間平均八八・四八%と比較いたしますと五%程度低くなってございます。このうち公共工事を見ますと、土木系工事が九三・六%から七九・九二%、建築工事が九〇・一七%から八八・五七%、こういった下がる傾向がございます。この結果、公共工事全体で九一・六八%から八八・八九%に下がっております。また、四月から十月までの間の最低制限価格を下回る入札でございますが、百七十四件ありました契約のうち、十七件が最低制限価格を下回っておりました。 ◆平塚敬二 委員 全体で見ると五%ぐらい落ちている、 また、土木系工事が九三・六%から七九・九二%と、一三%以上落ち込んでいるという状況が確認されました。区としては、ここで十月から最低制限価格の引き上げをして、十分の八・五から三分の二の範囲に変更しましたが、その結果、どのような変化が起きたかをお聞かせください。 ◎岡田 経理課長 委員ご指摘のとおり、十月に最低制限価格を引き上げましたが、この見直し前と後の落札率を比較いたしますと、土木系の工事が七九・二一%から八四・七七%、建築工事が八八・五一%から九一・四七%に変化してございます。工事全体で申し上げますと、見直し前が八八・八二%、見直し後は九〇・〇五%となってございます。 ◆平塚敬二 委員 十分の八・五%という数字を上げたことによって、平均で見ると大体五%ぐらい上がってきたのかなというふうに思っております。行き過ぎた低入札というのは本当にさまざまな弊害を生むことが危惧されますし、また、公共工事というのは安かろう悪かろうというのは絶対あってはなりません。先日も道路工事において請負業者が倒産してしまい、工事が中断した結果、道路が掘り返されたままの状態が続きまして、区民の方に大変にご迷惑をかけたという事例を報告いただきました。このようなことはあってならないことですし、今後、二度とこのようなことが起きないように、さらなる取り組みを期待するところです。  そこでお聞きします。今般導入した最低制限価格の見直しだけではなく、区では落札後に事前の積算内訳の確認などの強化を一月から始められたとお聞きしています。また、今後の取り組みとしては、工事終了後の評価、つまり、工事成績評定の精度を向上させて、評価の悪い場合には強い対応をすることも必要だと考えますが、区としての考えをお聞かせください。 ◎岡田 経理課長 今委員ご指摘のような対応をさせていただいてございますけれども、工事成績評定の件についてでございますが、区では一件工事金額が五百万円以上の請負工事を対象といたしまして、百点満点で、平成十五年から工事成績評定を実施してございます。判定は五区分にしてございまして、八十点以上が優秀、四十九点以下が不良というふうにしてございます。この判定結果につきましては、当該工事の請負者に通知するとともに、七十点以上の優秀かつ良好な成績上位の請負者に対しましては、区のホームページに業者名を掲載してございます。また、逆に四十九点以下の請負者に対しましては、三カ月から六カ月の指名停止措置を実施しているところでございます。  現在、総合評価競争入札の導入など、請負者の適正な選定を行うために、また、工事成績評定を厳正かつ適切に運用するため、関係所管と連携しながら工事成績評定の見直しを進めてございます。工事成績の精度を向上させることで、工事品質の向上を期してまいります。 ◆平塚敬二 委員 今お聞きしました五百万円以上の請負工事に対しては百点満点でやっている、平成十五年からやられていて、八十点以上が優秀、七十点以上はホームページにも掲載していただける、また、四十九点以下は三カ月から六カ月の請負の指名停止をするという判断で、私は、ここは本当にすばらしいと思っているんですけれども、その上に、今後は中身の見直しもしていただけるということなので、どういう成績がとれたのかという中身も、ぜひしっかりと精査していただきたいと思います。  さらに、区内の業者の皆様が本当に立ち行かなくなると、私はずっと災害時の協定というのを言ってきたんですけれども、これは実際に協定を結んでいても、業者がつぶれてしまえば協定の意味がなくなってしまいますし、それには、区が今試験的に取り組んでいる総合評価の見直しとして、災害時の協定だけでなくて、地域貢献度を加味することを考えられないかと思っております。例えば地域の防災訓練などに参加して、それをしっかりと検証していただくというようなことも、区として考えられないかということでお尋ねしたいと思います。 ◎岡田 経理課長 総合評価競争入札につきましては、昨年度から三年間を目途といたしまして、施工能力評価型の総合評価競争入札を施行してございます。  この制度につきましては、政策実現の誘導策といたしまして、価格以外に、ご提案の地域貢献度など評価項目を設定することにつきまして、具体的に何をもって評価するのか、また、その比重をどの程度のところに置くかといった点につきまして、客観性、納得性が重要だと考えてございます。品質に直接関係しない事項を評価する場合には、価格や品質に大きな影響を与えないよう十分考慮する必要がございます。今後試行を重ねまして、他団体の動向も注視しながら、世田谷区にふさわしい総合評価競争入札のあり方を構築してまいりたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 いろいろな課題があるということは私も存じていますし、やっぱり客観性、納得性がないと入札制度というのは成り立ちませんので、本当に区内業者の方をしっかりと活性化させて、またご協力いただけるような、そういった入札制度の構築を目指していただきたいということを要望して、次に移りたいと思います。  次に、新たな財源確保についてちょっとお尋ねしたいと思います。  区長の招集あいさつにもありましたが、特別区税と特別区交付金が対前年比で百三十一億円もの大幅な減収になるという大変厳しい状況下での予算編成に当たりまして、新たな財源確保は大変重要な課題であると思っております。  そこで何点か質問させていただきます。  昨年の第四回定例会で一般質問させていただきました、災害時にはバッテリーに電源を切りかえることにより、無料で飲料水を提供する災害救援ベンダー自動販売機ですが、一月二十六日にオープンしました大蔵第二運動場にて二十三台の設置をされたと。これは防災の面からも大変に評価させていただきます。  また、設置に当たっては、行政財産貸し付けを公募による入札にして行った結果、一年間の貸付料が約二千万円になる予定だとお聞きいたしました。これは本当に新たな財源の確保になっていると私は思っておりますが、区はこの自動販売機設置をどのように評価しているのか、まずお聞きいたします。 ◎岡田 経理課長 先般実施いたしました大蔵第二運動場の行政財産貸し付けによる自動販売機設置の試行につきましては、災害対策、それから省電力対応の機能を付加した機械を導入することを条件といたしまして、二十三台の物件を三つに分けて一般競争入札にしましたが、二十五社の参加を得まして、年間貸付額の合計は約二千万円程度の収入額が見込まれるという結果になってございます。  今後、その利用状況などを検証していく予定ですが、こうした状況を踏まえまして、行政財産の貸付契約の導入につきましては、歳入確保に向けた有効な取り組みとして、行政経営改革計画の区有財産の有効活用に係る方策の一つに位置づけさせていただいたところでございます。 ◆平塚敬二 委員 区有財産の有効活用になるというふうに言っていただいたんですけれども、さらに防災の面からも、区民の皆様が避難される広域避難所とか、指定されている公園とか、また、公共施設に設置されている自動販売機、これに関しては随時、災害救援ベンダーに入れかえるように私は主張してまいりましたが、またその際には必ず公募による入札を行って、新たな財源確保に努めるべきということも申し述べてまいりました。  区としては、今後このような行政財産貸し付けによる自動販売機の設置をどのように展開していくのか、考えをお聞きいたします。 ◎岡田 経理課長 今後の自動販売機の設置につきましては、歳入確保に向けた行政財産の有効活用といった視点とともに、災害対策、省電力機能の付加などの視点も考慮することを基本といたしまして、他団体の状況の情報収集を行いながら、貸し付けにより収益が見込まれる設置箇所の拡充に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 ぜひこの拡充に向けた検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まだ区有財産の有効活用はほかにも考えられます。例えば有効活用を図るべき土地として、区では二十二カ所、約一万七千九百十三平米を挙げて、庁内活用が十五カ所、四千六十二平米余り、また売り払いは五カ所、一万三千三百八十七平米、無償貸し付けが一カ所、四百五十一平米、また有償貸し付けが十一平米とのお話を聞きました。  私は、これはまだまだ検討の余地があるのではないかと思っております。一つには、これから区が取得していく土地の中で設計等ですぐには建設工事が始まらない土地などは、駐車場等にして民間に期限つきで貸し付けるとか、区が委託運営をして緊急の雇用を創設するとかいうことも考えられると思います。  例えば下馬まちづくりセンターの改築予定地として取得予定の土地も、改築に着手するまで放置しておくのではなくて、駐車場などとして利用し、新たな財源確保をするべきと考えますが、区の考えをお聞きします。 ◎岡田 経理課長 区有地は区の貴重な財産であり、その有効活用は重要課題の一つと認識してございます。  区では、世田谷区公有財産有効活用指針に基づきまして、本来用途に供するまで一定期間のある未利用の土地などにつきまして、効果的、効率的な活用方策等をさまざまな観点から検討を行い、有効活用の取り組みを進めているところでございます。  お話しのございました下馬まちづくりセンターの改築予定地につきましては、今月中に取得する予定となってございますが、当該地につきましては施設整備の着手まで二、三年程度の未利用期間が生じることが想定されます。このため、財源確保の観点も踏まえ、有効活用を図るべきものと考えておりまして、その期間について精査を行い、ご提案の駐車場も含めた有効活用方策を、関係所管と連携を図り、積極的に検討してまいりたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 今聞きました整備の着手まで二、三年程度ということなので、その間、本当に有効に活用していただいて、少しでも新たな財源確保に努めていただきたいと思います。  最後に、ネーミングライツについてお聞きしたいと思います。  日本初の公共施設での命名権の導入は、言うまでもなく、二〇〇三年の三月にありました東京スタジアムから味の素スタジアムへと改称された事例であります。契約期間は五年間、契約金は十二億円だったそうです。もともとこのスタジアムは、維持管理費や人件費などの運営にかかわるすべての経費を都が持つ仕組みになっていたところ、独立採算での運営にして、広告収入の確保や経費の削減などにより黒字決算に転換した経緯があります。今は大変厳しい経済状況の中で、企業の方も宣伝費にお金を回せない状況にあるということも十分承知しているつもりですが、今後の財源の確保には欠かせない取り組みだと考えております。例えば大蔵第二運動場やキャロットタワー、またパブリックシアターなど、ネーミングライツとして考えられないか、区の見解をお尋ねします。 ◎宮崎 政策企画課長 施設の命名権、いわゆるご指摘にありましたネーミングライツにつきましては、民間の情報発信力、企画力を活用した施設のイメージアップ、施設運営の安定的な財源の確保などの効果が期待されまして、お話にございました東京スタジアムを初めといたしまして、主には文化・スポーツ施設などで導入が進んでいるものと認識しております。  一方で、今もお話にございましたように、現在の厳しい経済状況から、実際に応募してくれる企業があるか、仮に応募いただいたといたしましても、区民の方々に納得いただけるスポンサー企業となるのか、また、施設ご利用の方を中心に、長年ご利用の方に親しまれている名前が変わってしまうなど、さまざまな課題もございます。  区では今後、公共施設の有効活用という観点を踏まえまして、全庁横断的な検討体制の中でさまざまな可能性を検討してまいりたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 さまざま課題はあるとは私も思っておりますけれども、特に大蔵第二運動場というのは、これは新しい施設で、つまらないといったらつまらない名前ですよね。そのままという感じなので、何かしら、本当に少しでも新たな財源の確保になれば有効利用していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、包括外部監査についてお尋ねをします。  今回、各種の議案とともに、平成二十一年度の包括外部監査の報告がなされました。地方自治法では、外部監査について包括外部監査と個別外部監査の二種類を規定して、そのうち包括外部監査は交通や病院など公営企業などを持っている都道府県や政令市、また中核市などでは毎会計年度必ず受けるものであり、区や市町村では条例を定めた場合のみ、毎年度受けることになっていることは承知しております。  また、世田谷区ではこの包括外部監査と個別外部監査から成る外部監査について先駆的に導入して、平成十六年から毎年包括外部監査を受けてきたことは評価しているところであります。  そこで確認も含めてお聞きしますが、これまで六年間のテーマや指摘を受けた件数、さらにはその後の対応等、区としての評価をお聞きします。 ◎泉谷 事務監察担当課長 包括外部監査のテーマにつきましては、平成十六年度の高齢者、障害者等の施設運営管理から、公有財産と物品管理、委託契約事務、財政援助団体、基金による共助の仕組みと保育サービス事業を経まして、今年度は税と国保料を中心とした債権管理という形で、地方自治法上の財務の各領域が取り上げられてきたところでございます。  指摘につきましては、今年度までに百十五件いただいておりますけれども、昨年度までいただきました百六件につきましては、実務上、ほぼすべて対応が終わっているところでございます。区としての評価ということでは、外部の専門家の視点から改善すべき提案としてそれを真摯に受けとめ、適正な事務処理の徹底、また事務改善に取り組む起点あるいは契機となったと考えております。 ◆平塚敬二 委員 今の百十五件中、ことし受けたのはまだですが、百六件は終わっているという話ですし、かなりの評価がされているんじゃないかなと思っております。  次に、他区の状況として、外部監査を導入している区や包括外部監査と個別外部監査の内訳、また、見直しを行った区などはないか、区の把握している範囲で情報をお聞かせください。 ◎泉谷 事務監察担当課長 二十三区の中で外部監査制度を導入している区は十三区ございます。そのうち包括外部監査は八区でしたけれども、今見直しというお話もございまして、平成十八年度と二十一年度に文京区と足立区がそれぞれ条例改正を行い個別による外部監査制度に移行して、現在のところは六区になっているところです。  両区の見直しの理由というところですが、都道府県などのように対象が広くないということ、ほぼ対象領域を一巡して一定の使命を終えたのではないか、以降は必要なときに受けられる外部監査でよいという判断によるものと聞いています。この結果、七区が個別による外部監査制度を採用しているという状況になっております。 ◆平塚敬二 委員 大体一巡したというか、使命を果たして、包括外部監査から個別の外部監査に移っているのが六区あるというふうに聞きました。  この包括外部監査の制度については、昨年の六月に出されました国の第二十九次地方制度調査会での答申を見ますと、毎会計年度、必ず外部監査を受けなければならないため、財政面等で過大な負担が生じているとの意見が出されているところであり、複数年度に一度受ける方式を導入することが適当であるとされました。また、本来であればその趣旨で法改正も行われたのでしょうが、その後の総選挙や政権交代もあり、手つかずだったようです。  ところが、現政権になって、総務省に設置されました地方行財政検討会議での資料を見ますと、政府は第二十九次地方制度調査会での答申を尊重することが確認できますし、さらには、平成二十三年の三月には地方自治法の改正を行いたいとのスケジュールも示されました。  一方、区でも、十二月に出されました外部評価委員会の報告書を見ますと、外部監査制度のあり方についての意見交換がされたようであります。三点についての意見が出されていますが、その一つは、外部からの視点は必要であるが、外部監査で指摘のあった事項を全庁で活用していること、監査を受けるための書類作成等の作業の負担が高いこと、かなりの経費がかかっていることなどを考えると、毎年ではなく、何年かに一度の実施でよいのではないかという内容でした。  また、個別外部監査については、世田谷区では既に条例が制定されていますので、いつでも請求することができる状態です。確かに、毎年続けることでテーマが小さくなったり、重なったりすることも考えられますし、さらには外部の視点ということでは、来年度、政策検証委員会を立ち上げることが決まっております。  このような状況の中で、区としては包括外部監査を十分に活用してきたのではないかと私は考えるんですが、複数年度に一度という国の動きなどが見られる中で、区としては今後どう考えていかれるのかお聞きいたします。 ◎泉谷 事務監察担当課長 お話にございましたように、昨年六月に出されました第二十九次の地方制度調査会の答申は、包括外部監査は複数年度に一度でもよいという内容などを含んでおりました。その後の国の地方行財政検討会議での議論でも、この答申について尊重しつつ、さらに議論を進めるものと理解しているところでございます。  今後、これら国の動向も見据えつつ、議会でのご意見もいただきながら課題の整理をしてまいりたいと考えております。 ◆平塚敬二 委員 また内容を整理していただいて、しっかりと無駄のないようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  以上で私の質疑を終わります。 ◆諸星養一 委員 引き続き質問をさせていただきます。  まず、人事当局のほうにお尋ねしたいんですけれども、定数の問題というのは、私たちも官から民への流れというその大きな流れの中で定数削減ということを主張させていただいて、職員定数については六千人規模から五千人規模まで大変下がってきていると。しかし、現実としてその行政の仕事というのは、ある意味ではどんどん拡大している。そういう部分もあって、そうすると必然的に、常勤職員を補助する意味で、非常勤職員の役割というのが大変大きくなっているなということは私たちも感じているところです。非常勤職員並びに臨時職員、アルバイト職員とお呼びするんですか、その方々の雇用における実態というか、さらにはその保障はどうあるべきかということは、今後、大きなテーマになってくるのかなというふうに私ども感じているところなんですね。  それで具体的な問題として、実はあるお母さんから相談を受けたんですけれども、これは文教領域なので、ここで細かくそのお話をすることは差し控えていきたいと言いながら、少しお話をさせていただくんですが、要するに、特別支援学級に通っておられる子どもさんのことなんですね。  その特別支援学級では、担任の先生と都の支援員、そして介助員、アルバイト、臨時職員なんでしょうね、子どもたちの教育に当たってくれていると。しかしながら、この介助員の雇用形態が、世田谷区は他区に比べても劣悪なため、これはお手紙のとおり言っているだけで、本当かどうか、それは後で聞きたいと思うんですけれども、毎年不足状態にあると。その結果、子どもたちの安全が確保されない状況である。どの特別支援学級も介助員――アルバイトの方ですか――の確保には苦労されており、担任の先生が個人的な人脈等を使って探し出しているのが現状であるというふうに言われているんです。  介助員の方々は二カ月以上は勤務できない、なおかつ、年間の雇用期間に制限があるということで、とりわけ障害をお持ちの子どもさん方々への対応が二カ月で、月がわりで介助員の方がかわっていくということについては、よりきめ細やかな対応が必要であるにもかかわらず、こうしたあり方は子どもたちにとっても大きな影響を与えるのではないか、そうした指摘がされています。  これは文教領域で時間があればやりたいと思っていますけれども、この問題として、その全体を統括する人事としてどのようにお考えかということを、まず最初にお伺いをさせてください。
    ◎尾﨑 人事課長 今お話にございました特別支援学級の運営につきましては、大体八人で一クラスというふうな基本形で、そこに担任の先生が一人、お話のございました非常勤の職員が一人。この非常勤職員というのは、先生が授業のほうを行いますので、多動であるとか、見守りとか、介添えとか、先生が授業に集中できるようにという趣旨で補完的に非常勤が一人いる。それをクラスの様子では、さらに見守り、介添えが必要な場合もございますので、そこで臨時職員、いわゆるアルバイトを一人ないしは、そのクラスの状況によっては複数置いているというふうな話を伺っております。  それで、アルバイトにつきましては、それぞれ学校のほうで確保されて、必要な都度、アルバイトを呼んで任用しているというか、来てもらっているというふうな状況であるとも聞いております。  非常勤とアルバイトの数は何名が適正かというのは、ちょっと教育委員会の問題になろうかと思いますが、その二カ月でやめているというアルバイト、臨時職員につきましては、それは人事のほうといたしましても、まず臨時職員の雇用期間というのは法で一年で六カ月以内と定められております。例えば人事のほうで管理している臨時職員、いわゆるアルバイト職員につきましても登録制をとっており、全体で一年で六カ月ということを考えると、もし長期で勤務するようなことがある場合は、連続しては二カ月で勤務して、二カ月たてば、また別の方と交代してということで、年間で二カ月単位で多くて三回、それで年間の六カ月ぎりぎり雇用できる範囲とみなすようにということで、登録待機者との入れかわり、機会均等制も含めてそのようなルールでやっていただくように指導というか、ご案内しておりますので、学校のほうもそのルールに従って、アルバイト、臨時職員の人には二カ月単位で交代というか、動かしているものだと思います。 ◆諸星養一 委員 今の人事課長のお話ですと、法律上の制約があって、臨時職員の場合、アルバイトの方々は、やむを得ずそういう期限つきの雇用をせざるを得ないということ。ある意味では、それを変えていかなくてはどうしようもない。その雇用の問題については、その法律の制約を、まずそこから変えていくということが必要なのかな、これはむしろ我々の問題なのかなというふうにも思っております。ただ、非常勤職員の活用ということも当然出てくるのかなと思っています。  もう一点、その手当が他の自治体と比べて安いというお話があるんですが、これはアルバイトさんのことなんでしょうけれども、この部分についてはどうですか。 ◎尾﨑 人事課長 今、アルバイトの単価は時給八百五十円で行っております。これは二十三区、他区の状況と比べて、おおむねこのレベルで皆さん雇用されているというふうな状況です。 ◆諸星養一 委員 わかりました。ただ、今の法律の制約、さらに子どもたち、とりわけ障害を持つ子どもたちに対応する部分については、ここではなくて、改めて文教領域の中できちんと議論をさせていただきたいというふうに思っております。  そうした問題をご相談いただいて、なるほどと。ここにもあります先生お一人に対して、都の支援員の方、さらには介助員の方々がいないと成り立っていかないというこの問題はやっぱり大きいだろう、当然、これは単に文教領域だけの問題ではないだろう、ほかの業務の形態においても、そうした活用をせざるを得ない、活用しなくては業務自体が成り立っていかないということは、まさにそのとおりだなと思ってます。  臨時職員、そして非常勤職員ということ、私たちも臨時職員と非常勤職員の差異がどうあるかというのはよくわからないで言っている部分もあると思いますので、そのところについて、簡潔で結構ですので、改めてお答えいただきたいなと思います。 ◎尾﨑 人事課長 まずアルバイト職員は、地方公務員法上は一般職に位置づけられておりまして、これは一年で六カ月を超えない期間で任用することができるという決まりになってございます。一方、非常勤職員は特別職と位置づけられ、一週間の勤務時間が常勤職員の四分の三を超えない範囲の者と定義されております。  区ではこうした制度上の違いを踏まえて、アルバイト職員は原則として期間が短く単発的な業務に、非常勤職員は特定の事業や専門的業務など、年間を通して定期的、継続的に行われる業務に従事することとしてございます。  アルバイトの臨時的、突発的、例えば選挙なんかのときの投票所に一日だけなんですが、百人を超える人を一気に投入するとか、こういうふうな形が一つのアルバイトの一番短期的な使い方の例だと思っております。  したがいまして、アルバイトの任用期間につきましては、一回につきおおむね一カ月から二カ月程度、非常勤職員につきましては、任用期間一年、更新は四回までの原則とただいまいたしております。  給与につきましては、アルバイトの場合は一般賃金で、非常勤の場合は報酬で支払われております。  また、健康保険や厚生年金保険、雇用保険の関係につきましては、臨時職員については原則として加入せず、非常勤職員については、一定の勤務日数や勤務時間数を超えている者について、それぞれの基準に従って加入している状況でございます。 ◆諸星養一 委員 最初に私もお話をさせていただきましたけれども、今の中で、とりわけ非常勤職員の方の採用というのは大変高い。いただいた資料を見ますと、平成十一年のときに、それでも職種が六十九職種もあるわけですね。我々は単純に事務補助なのかなというふうに思っていましたけれども、専門職も含めて六十九職種。それは十年前ですけれども、八百八名の非常勤職員の雇用。それが十年後の二十一年の四月では九十二職種、トータルで千八百九十一名と、実に千名もの方々が非常勤職員として働いているということで、そういう意味では、そういう方々の活用というか、区政の中における役割というのは大変大きいですよね。  要するに、正規の職員の方が五千人で、非常勤の方が二千人近い、そうしたことというのは、そういう意味では、非常勤職員の方々への待遇は、これからはよりきちんと見ていかなくてはいけないなというふうに考えていますけれども、今現にこの非常勤職員をどのように位置づけているのか。そしてどのように活用しているかについてお答えいただきたいと思います。 ◎尾﨑 人事課長 一般非常勤についてでございますけれども、お話にございましたとおり、平成二十一年の四月現在で千八百九十一人在籍しております。職種も触れられておりましたが、多種多様で、現在ではお話にもございました九十二職種にも及んでおりまして、勤務日数につきましても、常勤職員の四分の三に当たる十六日、七時間の者から、あとは週二日の相談業務に応じていただいている非常勤さんまで、勤務日数も働いていらっしゃる内容もすごく幅広いものとなっております。そういう意味で、なかなか非常勤という一言でくくり切れないような活動の範囲になってございます。  一般的に非常勤と申し上げるときには、イメージとすれば事務の補助として、職員のかわりにいろいろ事務的な補助を行ったり、例えば出張所で受付をやっている非常勤、こういうのが一般的な非常勤というふうなイメージが多いかとは思うんですが、実際にそういう事務の補助、これは各課にいる方、それから図書館で貸し出しとか整理に携わっていただく方、出張所の受付というような、区の行政事務の補助を行っていただいている職員は六百三十四名になっております。  これは千八百九十一名中、いわゆる一般的に非常勤というイメージのある事務的な補助を行っていただいているのが六百三十四名で、それから、BOPの職員であるとか、延長保育のときに、保育士さんを手助けするために来ていただいている非常勤の保育士さん、そういうようなもろもろ専門的な子育て関連、児童福祉関連で働いていただいている方が五百十六名になってございます。  あとは教育関係で、教育相談員であるとか、スクールカウンセラーであるとか、ほっとスクールの指導員とか、そういうふうな相談業務に携わっていただく方が百四十名。それに保育園とか学校とかで調理の補助とか、現業系の業務補助と申しておりますが、そのようなものに当たっていただいてる方が三百二十九名。このように多種多様になっておりまして、非常勤の職員は、今では区のほとんどの職場で働いていただいている、区政運営にとっては欠かすことのできない重要な戦力となってございます。  今後ともきめ細かな行政ニーズに対応していくためには、非常勤職員の役割はますます高くなってくると考えております。  区は、これまでも費用面ばかりではなく、子どもの看護休暇制度や社会保険加入対象者の拡大などを図り、非常勤職員の働く環境の整備に努めてまいりましたし、今後もさらに充実を図って、活用を図っていきたいというふうに考えております。 ◆諸星養一 委員 総務部長にお聞きしたいんですけれども、理事者より優秀だというふうには、そこまではないかと思いますが、要するに五年もお勤めになっていると、普通の職員さんよりはるかに優秀な方は大勢いらっしゃるんじゃないかなと思うんですね。ただ、試験に受からないと、やっぱり区の正規職員になれない、こういうものがあるので、試験を受けろとは言えませんから、そこは難しいと思うんです。ただ、今、尾﨑課長も言っておられましたけれども、そういう方々が、もっと本当に働きがいがあるんだというような職場にしていかなくてはいけないのかなと思っていますが、どんなものでしょうか。簡潔でいいですから、一言で。 ◎堀 総務部長 今人事課長が申し上げましたように、非常勤さん、私どもの職場では大変重要な戦力というふうに理解しておりますし、また個人的にもいろいろお世話になりまして、今お話にありましたように、大変優秀な方が多いと思っております。  ですので、これは個人的な見解も入るかもしれませんが、常勤、非常勤、正規、非正規ではなくて、同じ組織目標を共有するというんでしょうか、そういうような働ける環境づくりにしていきたいと思っております。 ◆諸星養一 委員 今後とも、とりわけ待遇改善等、あと安定的な雇用、ここら辺になると非常勤という意味がなくなっちゃうのかもしれませんけれども、その辺について、よりよい体制というものをぜひつくっていただきたいことを要望しておきます。  次の質問に入ります。  最初に、公共施設整備方針の緊急見直しということにおいて、当初予定されていた施設が四カ所先送りになりましたよね。そして、特に野毛の青年の家は二年後に先送りになっちゃっている。地元の議員さんは大変だろうなというふうに思っていますけれども、それだけじゃなくて、やっぱり必要な施設であるからこそ計画を立てたのに、幾ら緊急見直しとはいっても、先送りするというのは、地元の方々にとってみると大変な、ある意味では困惑を抱えているのではないかなと思っています。  まずその部分について、その四つの先送り、これは端的に言って、ちゃんと来年度されるんですか。野毛の場合は二十四年度ということなんですけれども、間違いなく再来年度できるんですか。それをまず確認しておきたいですね。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話にございましたように、三カ所を二十三年度に、一カ所を二十四年度にということで先送り案を出させていただいております。  私どもといたしましては、緊急見直し方針の中でも、このような影響度の高いものについてこのような発表をしたことは非常に心苦しいんですが、何とか先送りした年次に合わせまして確実にやっていきたい、そのように思っております。 ◆諸星養一 委員 今のところ、二十三年度は五十四億円不足が見込まれるという話になってくると、これはどんどん先送りせざるを得ないものが出てくるのかな、仮に今の三カ所はやるとしても、来年度予定されたものは、さらにまた次に先送りするというような話にどんどんなってくるのかな、そういう心配もするわけですね。  ただ、当然その耐震性は、基本的に公共施設は問題ないということはあったとしても、老朽化ということは、これはもう争えない事実なわけですから、それに対して何らかの手を打っていかなくてはいけないという問題があるわけですね。  公共施設整備方針、平成十七年度からの取り組みということで、いよいよ後半戦に入っていくわけですけれども、そうした老朽化ということに対して、当然緊急的に、早急に手を打たなければならない施設もあるわけですよね。そうしたことについて、当局としてどういう優先順位、プライオリティーを持ってやっていくのかということについて、改めてその決意をお述べいただきたいなと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話にございましたように、施設の老朽度は年々進んでいるという認識に立っております。その意味で、公共施設整備方針の計画に即しましていち早くやりたいということもございますが、一方で、今のような財政状況もございます。  そこで、今般の先送りにつきましても、喫緊の課題でございます保育施設の整備、それは相手がある、社会福祉法人等との協働のもとにやっていくというようなことについては優先をさせていただいたという状況がございます。今後の展開の中では、引き続き複合化を合理的に進めていくことや、土地の手当ての関係では国公有地等の活用も要望していきたいし、それから財源の手当ての関係では、移転後の土地の活用の中では地域の実情を考慮して、売却も視野に入れたいというふうに考えています。  いずれにいたしましても、これらの関係につきましては、まず建物について標準的な仕様というものを心がけていきたいですし、財政負担の軽減、平準化を図りながら何とか対応していきたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 時間がなくなってきたので、済みません、最初に人事で少し時間をとり過ぎだったのかなと反省しています。  残りわずかですけれども、政策検証委員会、昨日も各会派から総括の中で大変議論が交わされました。特に、小泉委員は必要ないのではないでしょうかというような厳しいご発言もございましたよね。確かに議会との役割分担、これは私もおかしいなと思いますね。やっぱり議会というのは、区長と対峙して、その区長が予算を提出するなりして、議決権を持っているわけですね。賛成するか、それを否決しちゃったら大変なことですよね。議会の権能というのはそれぐらい重いわけですから、それと役割分担というのはおかしいな、表現の違いかなと思っております。  一つ、二つぐらい質問できるのかな。まず自治政策研究所、これは大変私は評価しているんですよ。区の中で、これほど地道な取り組みをしているところはないと私は思っている。ただ、それが出てこないというところが、何となく何をやっているんだという話にもなってしまうんじゃないかなと思うんですけれども、私たちの立場は、政策検証委員、いわゆる世田谷版事業仕分けをしっかりやるべきだという立場ですからね。  そういう立場を踏まえた上で、一つは、その自治政策研究所との連携、活用というのは図れるんじゃないかと思いますけれども、この点について、まずお伺いします。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話にございました政策検証委員会の中では、中長期、横断的な課題というものも含めさせていただいて検証していきたいと考えております。その意味では、各委員さんになられた方からのデータ等の求めもあろうかと思いますが、今お話にございましたせたがや自治政策研究所とも連携をとりまして、これまでの研究、情報の蓄積等を最大限活用していきたい、その中で効果的な議論が行われるよう努めていきたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 吉原課長もぜひ一言。 ◎吉原 政策研究担当課長 ただいま政策企画課長がご答弁申し上げたとおり、限られた期間の中で検証作業を効果的、効率的に進めるためには、政策企画課と綿密な連携をとっていきたいというふうに考えております。  せたがや自治政策研究所といたしましては、これまで蓄積したネットワークの活用や情報の収集、提供などに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 あと一点、現に今、外部評価委員会というのがあるわけですよね。それにさらに検証委員会をというのは、ある意味では屋上屋を重ねるというような部分も指摘されているわけですけれども、その関係というのはきちんと整合性をとっていただきたいと考えていますが、その点についてお伺いします。 ◎宮崎 政策企画課長 まず、この政策検証委員会の立ち上げに当たりましては、この間、外部評価委員会でさまざまなテーマを議論していただいていますが、その一つとして、この政策検証委員会に対する部分についてもご意見等をいただいたところでございます。  今般の政策検証委員会を運営するに当たりまして、運営が終わった後に、報告というものについてまとめることになりますけれども、それらについても、今度は外部評価委員会のほうにお出しをして、引き続き意見交換をさせていただきまして、双方ともの議論を通じまして、より大きな成果につながるようにしてまいりたいと考えております。 ◆諸星養一 委員 この問題、来年度からスタートするわけで、とりわけそのテーマ、きのうも議論に上っておりましたけれども、そのテーマの選定、それから、やっぱり問題は委員会の構成ですね。委員の先生方、区民の方も当然いらっしゃるわけですから、そうした委員の方々の資質ということも問われてくるのかなと思いますので、ぜひ成功していただくということで、区もしっかり取り組んでいただきたいことを重ねて要望して、公明党の企画総務委員会の領域の質問を終わらせていただきます。 ○山内彰 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、民主党、どうぞ。 ◆中村公太朗 委員 では、民主党の企画総務領域の質問を始めます。  きのうはいくつかの会派から区長に対して、ぜひ発言を、前向きな意見を、やる気をというお話がありましたけれども、私は根が控え目でありますので、区長なんていうことは言いませんので、ぜひ副区長に、きょうは前向きなお話をしていただきたいと思いますし、課長、部長が答弁されているところに割り込んでいただいても結構です。ここからだとちょっと顔が見えませんが、手を挙げていただければ見えますので、ぜひ積極的にご発言をいただきたいなと思っております。  まず財政、予算一般についてお伺いしていきますけれども、厳しい状況だというのは、大分多くの方から出ておりますが、予算を見させていただきますと、土木費が八十億円減りまして、民生費が大分ふえて、予算の三七・三%の大分大きな割合を占めると。民主党がかねてから言ってるコンクリートから人へと、まさに区としても大きくかじを切ったなと感じるわけであります。個々を見れば、まだまだ無駄なものもありますし、必要なものも足りないなという感じはするんですけれども、総体的に見て、今回の予算の体系というのはいいのかなと思っております。  そこで一つ気になってくるのは、今回、行政が優先順位をつけて、各事業を見直したり先送りしたりしているんですけれども、この優先順位のつけ方、それから、今、十二月から行われた見直し方針で先送りされたりなくなったものというのは今後どうなっていくのか、このあたりをお伺いいたします。 ◎岩本 財政課長 今ご指摘いただきましたとおり、二十二年度予算では土木費が約八十二億円の減、民生費が百七十五億円の増といったような内容となってございます。  優先順位のつけ方ということでございますけれども、何回かご答弁申し上げたとおり、区民の目線に立った三つの最優先課題ということを区長からも指示をいただきまして、安全安心の取り組みに二百四億円、子育て支援に百三十五億円。また、区民生活や地域経済の活性化というものに対して九十億円、総額四百二十九億円といった予算配分を行ったところでございます。これは、まさに保育サービスの拡充等喫緊の課題をとらえて、重点的な配分をさせていただいたと考えてございます。  今後でございますけれども、平成二十三年度以降、財政見通しにおきましても、土木費は再開発等事業の進捗状況等により減少傾向にあるというふうに見てございますが、民生費は、保育サービス関連経費、また介護給付費の公益負担の増が見込まれることから、同一の傾向が続くものと思ってございます。  先送りをした事業につきましては、来年度以降、さらに財源不足が見込まれるといったことで、改めて政策の検証等を行いながら確認、整理をさせていただければと思っております。 ◆中村公太朗 委員 数年間、これから景気は回復しないというか、厳しい見通しもありますので、今回、せっかく優先順位をつけたわけですから、積むにしても、よほど必要なものだけをまた慎重に議論して積んでいくことが必要なのではないのかなということを申し上げておきます。  それから、区債です。区債発行なんですけれども、もろもろの不景気の状況は重々承知をした上で質問しますが、今年度、四十五億三千万円増で、八十五億円の区債を発行するということであります。はっきり言って借金なわけですから、これまでのほぼ倍増、区債を発行していくと。そもそも区債を発行する際の計画の見通し、根拠とか、今後どうしていくのかとか、その辺を教えていただけますか。 ◎岩本 財政課長 ご指摘のとおり、平成二十二年度当初予算案では一般財源の大幅な減額が見込まれることから、前年度比約二倍となる八十五億円余りの起債を計上したものでございます。特別区債の計上に当たりましては、何回か申し上げてございますが、返済の額を超えないことを目途にしていきたいということで、いわゆるプライマリーバランスが黒字の範囲内を目標に活用してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 返済の額を超えないということですけれども、毎年毎年、今予算にも数年前に出した区債に対する償還とか、さらに利子も支払っているわけですよね。これは当然利子が発生しますので、将来にツケを残すわけです。  今、保育園待機児の問題が大きな問題ですけれども、小さな子どもたちが、保育園には入れない、成長したら、今度は借金が残っているじゃ、世田谷区は魅力がなくなっていくと思いますので、この区債という部分に関しては、ぜひ最終手段等々でしっかりと考えていかないといけないんじゃないのかな、本当にそう思ってきています。  次に、一般需用費等事務経費の質問、これは一般質問できなかったので、取り上げさせていただきますけれども、今回、ざっくりと一割削減で、四億円以上のカットになっています。各部各課の年間の事務経費の予算、紙とかペンとか、聞くところによるとロッカーの修繕費だとか、そんなもののようですけれども、これはそもそも一割削減とがっつりいきましたが、この四億何千万円というのは達成可能なのかなと思っています。  もしできなかったら、まさに絵にかいたもちにしかならないので、ちょっと現場の声を聞きたいんですが、お二人、こっちを見ましたね。では、宮崎課長からお伺いしたいんですけれども、特に計画とかでもろもろそういう事務のものが多く出ると思うんです。二十二年度はその辺を一割削減しないといけないんですけれども、できますかということと、どのような計画でやっていくつもりですか、お伺いします。 ◎宮崎 政策企画課長 一般需用費の場合には、この間の積み重ねもございますので、かなりぎりぎりのところに来ているというのが本音ではございますが、やらなきゃいけないと思っておりますし、やり方といたしましては、部におきましては各部間の共通の部分を見出したり、部の中におきましては各課の部分で、例えば、それぞれが紙等の調達をするのではなくてまとめ買いをするような中で、何とか工夫をしていきたいというふうに思っております。 ◆中村公太朗 委員 せっかくなので、総務部は年間予算の二〇%ぐらい持っていますので大変大きいと思うんですけれども、宮内課長、いかがですか。 ◎宮内 総務課長 考え方につきましては、今政策企画課長が申し上げましたような考え方ではいるんですが、ただ、個別具体の部分になると、やはり通常、経常の事務を行っている中で非常に厳しい、年々厳しくなっているというのは、これは実感でございます。  特に一例を挙げますと、総務では本庁舎内のコピー用紙のスケールメリットを生かしましてまとめ買いをしているという状況がございますので、その辺も含めて、コピーについても無駄を極力省く、あるいは両面コピーするとかという形で、あるいは失敗したコピーでもそのまま捨てるのではなくて、片面をもう一度利用し直して使うとかということで工夫しながら、前年度に比べましても、わずかではございますが、二十二年度は紙の量でも三%程度を目標に削減していこうというような形で頑張っているところです。 ◆中村公太朗 委員 ありがとうございました。  各課長が一割削減の九割の予算でやっていく、管理をしていくということ、当然そうだと思うんですけれども、それぞれに任せる。事情もあるんだと思いますが、例えば十二月を超えてきて、こっちでは二〇%削減しているのに、こっちでは例年どおりだったよとかということになりかねないかなと思ったりもする。そうなった場合には、まさか補正を組むわけではないと思いますけれども、部署間の流用とかそういうこともあるのかもしれませんが、ぜひ効率よく計画的に達成するために、例えば全庁的に、その進行管理とかというのはしていけないものなのか、していくつもりがあるのかお伺いします。 ◎岩本 財政課長 予算の執行に当たりましては、今、政策企画課長、総務課長からご答弁がありましたように、各課においてそれぞれ効率的な運用を図ることが原則となります。ただ、財政課としましても、年度当初に予算の執行についてということで各部に通知を出しまして、経費削減に向けた趣旨を職員に徹底していただけるようにというお願いをしているところでございます。  年度途中の予算の執行管理というのは、まさに管理職の職務でございますので、各部、各事業において適切に経費削減、予算管理ができるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 課長の話でも、大分ペーパーレスにもなるようなお話でありますので、環境とあわせて、なかなか減らないという答弁がこれまでずっとあったんですけれども、この機会ですから、庁内使用紙の枚数を一割以上削減できるように、ぜひ努力をしていただきたいなと思っております。  次に、基金運用について質問をしたいと思います。公金運用の見直しが今回の予算に入ってきています。その中では、基金の利子で三億二千百万円プラス外部アドバイザーの導入とかいろいろ書いてあるんですけれども、基金、ご承知のとおり取り崩していきますよね。そうすると、元本は減っていく、プラス基金も減っていってしまうと思うんですけれども、三億円は非常に大きいと思うんです。  これまで、うちの会派でも基金の運用に関してはいろいろと申し上げてきましたけれども、まず三億二千百万円というのが、今回基金を取り崩す前の試算なのか、取り崩した後に、それでもこの金額がことしは収入として入ってくるという試算なのかお伺いします。 ◎藤間 会計課長 予算に計上してございます三億二千百万円は取り崩した部分を勘案した数字でございます。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、これまではもうちょっとあったというんですか、それとも、これまでと同じレベルで取り崩したけれども、新しい取り組みで大分基金の運用を考え直してふえて三億円になったということですか。 ◎藤間 会計課長 従前の予算の執行で勘案した部分と基金を取り崩した部分で総体的に評価をして計上したものでございます。 ◆中村公太朗 委員 そうすると、平成二十一年度の利子はどれぐらいあったんですか。 ◎藤間 会計課長 今後決算がございますが、平成二十一年度は四億円程度を想定してございます。 ◆中村公太朗 委員 今ぱっと配分は計算できませんが、予定なんでしょうけれども、百六十億円ぐらい取り崩したんですか。それの前に四億円で、今回、それが減って利子が三億二千百万円だと、運用も新しいことを導入してふやしているという認識でいいんだと思います。  もう一つ、外部アドバイザーなんですけれども、この外部アドバイザーは、まず、どういう方を導入して、幾ら費用がかかって、その結果、幾ら基金の運用として効果額が上がるのか、その辺の目算を教えてください。 ◎藤間 会計課長 外部アドバイザーのお話でございますが、厳しい経済金融環境の中にあって、高い専門性を備えた外部専門家の意見等を取り入れることで、基金運用の一層の安全性、効率性を目指そうとするものでございます。具体的には、公金運用計画策定の際にアドバイスをいただいたり、今後の金融経済情勢の見通しなど、必要に応じて適宜助言をいただきたい、そんなふうに考えてございます。  それで、費用の部分でございますが、予算額としては二十五万円ほどを当初予算に計上してございます。  それと、人選のお話でございますが、金融経済に関する専門知識、こちらはもとよりですが、公金運用の場合には一般の大口投資家とは異なる側面がございますので、したがいまして、公金運用に関する知識、経験ですとか、銀行、証券会社等の金融機関から一定距離を置いた中立的な判断ができる、そういうようなことがポイントになるかと考えてございます。そのような点を考慮して、今後人選に当たりたいと思ってございます。 ◆中村公太朗 委員 取り組みは評価しますけれども、二十五万円かけて導入をして来てもらっていろいろやってもらいますと。結果としてどういう結果が出るかわかりませんが、去年に比べて二十五万円以下しかあれしなかったら意味がないということになりかねないんですけれども、その辺は、来てもらうことによって、当然その何倍も効果があるという認識なんでしょうか。 ◎藤間 会計課長 二十五万円という数字がどうかは別としまして、外部専門家にアドバイスをいただくことで相当な効果が上がると考えてございます。 ◆中村公太朗 委員 相当って、具体的に幾らぐらいというのは何かあるんですか。 ◎藤間 会計課長 具体的な数字ということではございませんが、一定の成果を大いに上げていきたいとも思ってございます。 ◆中村公太朗 委員 ほかの質問もあるので行きますけれども、一定の成果とか相当というのは二十五万円以上と、今、そこしか言い切れないんだという認識です。ぜひその辺のビジョンがないと、せっかく外部導入するので、もしかしたら、二十五万円かけて五十万円の効果なんだったら、一千万円かけて二千万円の効果があったほうがいいのかもしれないし、そこありきで、外部アドバイザーとかを探したほうがいいんじゃないのかなと思いますので、ぜひもう一度精査をしていただきたいなと思っています。  それから、きょうもずっと出ています、区の財産の有効活用で独自の収入を取りましょうということです。大蔵の自動販売機に関して二千万円、いいと思いますし、どんどん進めていただきたいなと。まだまだほかにも置ける区内の施設はあると思いますし、ぜひ二十三年度の予算ではもっと反映できるように進めていただきたいなと思います。  広告収入なんですけれども、「せたがや便利帳」は二十一年度に、それまでのエフエム世田谷の委託から一般競争入札にしたんです。委託したときに「せたがや便利帳」で、ざっくりですけれども、二百四十万円の広告収入があったんですね。それが一般競争入札にしたときに、内訳を見ると八十万円に落ちちゃっているんですよ、三分の一に落ちちゃっているんですね。当然競争入札ですから公平性はありますし、一般的に入札にしたら上がるかなと思いきや、これが三分の一に落ちちゃっているんです。  この辺はどうしてなのかという認識は、景気もあるのかも知れないですけれども、三分の一にいきなり落ちるのはいまいち理解ができないんですが、認識をお伺いします。 ◎久末 広報広聴課長 「せたがや便利帳」は、昭和六十二年度発行分から民間事業者の広告掲載を始めるなど、収入の確保に努めてまいりました。  本年度におきましては、「せたがや便利帳」とともに、それまで広告掲載を行っていなかった図書館の利用案内など、他の所管課が作成する刊行物においても、広く広告掲載を行うため、広告枠を広告代理店に売却する一般競争入札を行い、最高の価格をもって入札した者に対して広告枠を売却したものです。  今年度は、ご指摘のように「せたがや便利帳」単独を見た場合、歳入額は減少しておりますが、単独では広告掲載が見込めない冊子等への広告掲載が実現したのも、複数の刊行物の広告枠を一般競争入札により売却した結果と考えております。
     しかし、入札金額が前年度より低かった結果につきましては、深刻な経済情勢の中で、広告事業においても厳しい状況と予測されますけれども、今後、より効果的な広告事業を創意工夫して進めてまいりたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 「せたがや便利帳」にほかの広告物もセットで販売したから、結果として単体で下がっているけれども、ほかの部分で値段がつかないようなものも広告を出せたということだと思います。  例えば、今回の広告を見ると、「ごみ減量・リサイクルハンドブック」、これは全戸配布で区内五万部出しているものが、便利帳の二倍、百四十七万円ぐらいで換算されているわけですよ。そうすると、逆を言えば、ごみ減量に対しても、ほかの新成人とか図書館のご利用案内とかが足を引っ張っている可能性もあります。当然これから広告媒体をふやしていただいて、より多くの広告を集めていただくということはまず大前提なんですけれども、切り分けて入札すれば、もっと値段が上がるんじゃないのかなという気もするので、単純にセット売りの一般競争にしていくのか、それとも、本当に効率よくマックスの広告収入を得るためには、ほかにも方法が考えられないのか、ぜひじっくりとこの結果を見ていただいて考えていただきたいなと思います。  それから、ホームページのバナーの議論というのも結構前からあったんですけれども、あれはどうなりますか。 ◎久末 広報広聴課長 今お話しのバナー広告でございますが、二十三区におきましては半数以上、現在十三区がバナー広告を行っておりまして、また、平成二十年度に日本広報協会が行った市区町村広報広聴活動調査におきましては、約四五%の自治体がバナー広告を実施しているなど、税外収入の確保策の有効な手段といたしましては広告事業を進めていると認識しております。  区といたしましては、平成二十三年度を目途に進めておりますホームページ改善の際にバナー広告を実現するため、現在、その掲載ページや掲載位置等の検討を進めているところでございます。今後も広告掲載事業者にとりまして掲載効果も高く、また、有効な歳入確保策としまして、引き続き具体的に検討を進めてまいります。 ◆中村公太朗 委員 済みません、もう時間がないんですが、先ほど包括外部監査の話がありました。指摘されたものはほとんど改善されているという話です。  今回出てきたのは、納税の部分のものが監査の対象になっていますけれども、結局、税金は収入未済額が七十億円から七十四億円へふえて、また不納欠損、取りっぱぐれも六億円あります。相変わらず困った状況です。逃げ得を許さないでいただきたいと思うんですけれども、各指摘に関しては、これまでの包括外部監査の指摘にあったように、納税課長、解決、改善をしていただきたいなと思います。いろいろと中を見ると複雑でありますけれども、例えば特別徴収にしちゃえば、会社のほうで天引きしてもらえますから、普通徴収から特別徴収になるべく切りかえるような作業を、課税課長にもお願いしたいなと思っております。  いずれにしても、どんどんと税収が減る見込みであります。そもそも所得が減るわけですから、税収自体も減りますし、さらに滞納等と同時に時効で消えていってしまう、引っ越しでもう追えなくなる、そういったこともありますし、ぜひ本腰を入れていただきたいなと思います。  一点だけ、電話催告センターが区税と国保料、それぞれ別々で催告をしていると。実態を見ると、滞納者は両方滞納している実態が大分多いということです。これの連携をして、一本の電話で確実に両方を取り立てる。あいた部分で、もっとほかの滞納者にまで電話、もしくはしっかりと回収できるような手段をとっていく、ここに対しての取り組みの意気込みだけお願いします。 ◎小野村 納税課長 ただいま区民税と国保料の徴収に当たっての連携のお話かと思いますが、滞納整理事務において区民税と国民健康保険料が連携を図ることは、相互の徴収率を高めるためにも重要だと考えます。このため、今現在、電話催告センターもお互いに活用しておりますし、あるいは調査、差し押さえ、捜索時等における協力や情報の相互提供など、連携を図ってきたところであります。  今後の連携のあり方につきましては、個人情報の保護の観点を踏まえつつ研究してまいりたいと考えております。 ◆中村公太朗 委員 終わります。 ◆藤井まな 委員 ここにいらっしゃる理事者の方全員、そして議員も含めて、この世田谷区という一番身近な行政基礎自治体に関心を持ってもらいたいというのは、多分同じ思いだと思います。国政や都政よりも、やっぱりこの世田谷区というものにもっとより関心を持っていただきたいというのは、多分本当に共通する認識だと思います。  ここで、大阪府の池田市の取り組みを言おうと思っていたんですが、昨日、竹村委員にすべて言われてしまったので、ちょっと言えなくなってしまったんですけれども、大阪府池田市の取り組み、これは昨日も話がありましたが、全国、ほかにも取り組みがあるんですね。  例えば千葉県の市川市であるとか、北海道のニセコ町、群馬県の太田市、この地域コミュニティーが税金の使い方を決めていく。一%程度を、住民の方々、市民の方々に決めていただくというような形の税金の使い方でございますけれども、世田谷区に関しては、区民が使い方を決めていくという、そういった税金の使い方というのはどういった実績があるんでしょうか、お聞きします。 ◎岩本 財政課長 区民の方が直接、事業や支援する団体等を決定するということとは異なりますけれども、区民の方々の自主的な活動を支援する施策としましては、一つに子ども基金による補助・支援事業がございます。これは、区の積立金に毎年度の子育てへの区民の方々の指定寄附を加えまして、区民から子育てや子どもの自立支援活動などの提案を受けまして助成を行うものです。年二回募集を行っておりまして、ご応募いただき、子ども基金審査会の審査を経て決定されるものでございます。これまでに、地域の子育て情報誌の作成配布であるとか、親子向けお絵かきワークショップとか、思春期の子どもとの向き合い方を考える講座、ワークショップ等、さまざまなご提案をいただいてございます。  また、トラストまちづくり公社の事業となりますけれども、世田谷まちづくりファンド、これは世田谷区の出損金と区民、企業からの寄附で運営される公益信託でございますが、これにつきましても、創造的で先見性に富んだ、実践的なまちづくり活動についてご応募いただいて、公開審査で決定する。  そのほか、地域の絆再生支援事業、生涯現役推進提案型事業など、区民の方々のみずからの発案をご支援するといったような制度があると認識してございます。 ◆藤井まな 委員 今、子ども基金であるとか地域の絆再生支援事業であるとかというお話がありましたけれども、子ども基金だったら子ども、あくまでもそれは壁があるというか、その枠があるわけですよね。  池田市の取り組みであるとか、先ほどのニセコ町や千葉県市川市の取り組みというのは、そういった壁がない取り組みであります。そういった使い方に壁をつくらずに一%程度、住民の方々が決めていく、そういった取り組みでございます。  こういった一定額を予算計上して、幅広く、そういう壁のないような使い方をすることも、世田谷区は考えていったらいいんじゃないのかなと。これは新しい使い方だと思うんですけれども、そういった考え方は区にはありますでしょうか。 ◎岩本 財政課長 予算でございますけれども、予算につきましては、行政施策をどのように実施するかということを具体的にご説明し明らかにする中で、議会で議決をいただくといったものであると認識してございます。このような意味では、あらかじめ全く目的を定めずに一定額の予算を計上しておいて、その後、使い道を決めるといった仕組みについては、予算制度上の課題はあると考えてございます。  一方で、今お話しいただきました区民の方々のさまざまな意見を受けまして、区民の発案による自主的、主体的な活動の支援を行うといったような仕組みにつきましては、まさに地域の活性化に向けて非常に有効であるというふうに考えてございまして、基本的には補助金の制度ということになるかと思いますけれども、補助金の制度の適切な活用など、所管部と連携しながら、これまでの実績も踏まえまして研究をさせていただければというふうに思います。 ◆藤井まな 委員 今、何でそういう質問をしてきたかというと、一番最初に言いましたけれども、やっぱり区民に基礎自治体世田谷区というものにもっと興味を持っていただきたいという思いから、そういった使い方はどうかという質問をしてきたんです。  新政権、民主党の鳩山政権において地域主権というのは一丁目一番地というふうに見ております。その地域主権というのは、基礎自治体に多くの権限を移していくというところがやっぱり大きな目玉になっていく。そういった状況において、世田谷区というものにもっと皆さんの関心を集めて、もちろん国政に関しては、皆さん、多くの報道やニュースに関心を持たれていて、何が起こっているか、よくわかっていると思うんですけれども、なかなか基礎自治体に対して、区民の方々がまだまだ関心を持てない状況であると。それはもちろん投票率とかそういったところの数字を見ても明らかだと思うんですけれども、そういったところにおいて地域主権というものを、世田谷区はしっかり考えていかなければいけない、そういった時期に来ていると思います。  三月三日に、鳩山首相がやっている内閣総理大臣の地域主権戦略会議というものの二回目の会合が持たれました。この中で、地域主権というものの大綱の取り組み状況であるとか、これからどうしていくという問題であるとか、地域主権に向けた法案などが話し合われましたけれども、この中で、「住民中心の行政への転換に向けて~基礎自治体への権限移譲の必要性~」、こういった資料が配られております。この資料の中では、基礎自治体に対して権限を行うべき事務七十四項目であるとか、縦割りを超えて、さまざまな制度を駆使して、住民の希望するようなしっかりとした税金の使い方、そういったもののためには、市町村に権限を移譲することによって新しい基礎自治体というものをつくり出していく、切れ目に応じた総合的な支援というものを行っていくであるとか、そういったことがさまざま載っております。  この地域主権戦略会議、そしてその中で配られたこの資料、こういったものを、当然世田谷区の担当の方は、これに関してはごらんになっていると思います。これは基礎自治体に関しての項目が大変に多かったわけですから。地域主権というものに関して、今世田谷区はどういうふうに思っているのか、どういうふうにとらえているのかをお伺いいたします。 ◎吉原 政策研究担当課長 ただいま委員のほうからお話がございました、三月三日に示されたさまざまな地域主権改革の定義づけ、また、一括法案を三月五日の閣議決定に向けて進めたということを聞いております。  それで、今までは地方分権という言葉を使っておりましたが、今般は地域主権という文言に変えてございます。特にこの地域主権改革の定義でございますけれども、法案の中では、日本国憲法の理念のもとに、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民がみずから判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革というふうに定義されているところでございます。  今お話にございました、国が打ち出しました地域主権改革でございますけれども、住民自治と団体自治の双方の重要性を改めて明記したものと認識しているところでございます。こうした認識のもとで、住民自治の実質的な確立に向けては、区民が地域への関心を深め、みずからふさわしい方法で積極的かつ主体的に地域とかかわるための取り組みを推進していかなければならないというふうに考えております。  委員のお話の中にもございました、しかし、地域への関心が低い方ですとか、地域への関心や意欲があっても参加のきっかけが見出せないといった区民も少なくないと考えておりまして、参加や活動を促すきっかけづくりや場づくりが重要な課題というふうに受けとめております。  また、団体自治の拡充という観点につきましては、自治体への事務事業の移譲、それから、自治体の行政サービスの提供に関する決定権、裁量権の拡大、これを支えます税財政基盤の確保を図ることが必要と考えております。  いずれにいたしましても、真の地域主権改革は、団体自治の拡張と住民自治の実質的な確立が一体となって実現するものというふうに認識しております。 ◆藤井まな 委員 今回のこの戦略会議の中での資料では、勧告の事務分野、福祉分野、まちづくり分野、保健分野、教育分野、多くの分野において七十四項目が出ているわけですから、しっかりと政策経営部のほうから各所管に対して、基礎自治体に対して権限移譲がこれから行われる動きがあるんだということを伝えていっていただいて、それに向かって備えていただきたいと思います。  次に、災害に関して質問をいたします。  災害対策というのは、私、この区議会議員になってから、最も質問時間を費やしてまいりました。今回、震災時初動期職員行動マニュアルというものがオウムの委員会で配られております。ここには本当に一部、これの二、三十倍ぐらいの資料があるんですけれども、この一部を見ながら、今回質問をしていきたいと思うんです。  まず一つ目、副区長、たしか世田谷区にお住まいじゃなかったと思うんですけれども、副区長は今、どちらのほうにお住まいでしたっけ。 ◎平谷 副区長 私は相模原です。 ◆藤井まな 委員 相模原だと結構遠いと思うんですけれども、休みの日であるとか真夜中、自治体としての機能が行われていないときに災害が起きた場合というのは、副区長はどういうふうな対応をなされるんでしょうか。 ◎平谷 副区長 職員の在住率ってそれぞれあるんですよね。それで東京二十三区の場合、主に副区長は、私も含めて大方が、他区も含めて意外と区外の方が多いですよね。区内の職員在住率で言いますと、江戸川区がたしかトップクラスで、あそこは管理職も職員も六〇%ぐらいが区内在住で、うちがたしか三八%ぐらいだと思うんですけれども、都心のほうだと〇・何%というような率です。いずれにしても、そういうことが起きれば、とにかく一生懸命頑張って出てくる、そんな決意でおります。 ◆藤井まな 委員 一生懸命出てきていただきたいと思うんですけれども、副区長はなかなかすぐには来れないということが、とりあえず今のお答えでわかりました。今回、震災時初動期職員行動マニュアルを、さすがに全部は読めなかったんですけれども、全力で、できる限り読んできました。その中で特に大きな事項としては、やっぱりこの中に書いてあるICS、インシデント・コマンド・システムというところに、僕はどうしても着目をしてしまいます。  このシステム、災害時においては大変に必要なシステムだと思いますけれども、このシステムというものが本当にきちんと理解されているのか。理解していかなければいけないんですが、理解しているのかということがまず大きな疑問でございます。  ICSというものに関して、まず本当に手短に説明していただくのと、これは各拠点にも配っていると思うんですけれども、職員、拠点隊、それぞれの反応はどういったものがあるんでしょうか、お伺いします。 ◎畠山 災害対策課長 インシデント・コマンド・システムというのは、当初の少ない人数、集まってきた人数で効果的に、効率的に対応するためのシステムでございまして、最初に集まってきた方を司令塔として、次に、早急に対応すべきものの優先順位を決めながら、班を割り当てて対応していくというシステムでございます。  それと、ご質問がございました各拠点隊なり、各部の反応でございますが、全庁一貫して取り組んできたものでございまして、より災害対策に認識が深まってきた、そういうふうなご意見等を職員からもいただいておるところです。 ◆藤井まな 委員 つまりは、理事者の方とかが参集しなくても、その場に集まった職員で指揮命令系統をつくっていくシステムだということだと思うんですけれども、災害対策課、一番最初に参集する職員は、理事者の方なんですか、理事者の方じゃない方なんでしょうか。 ◎畠山 災害対策課長 理事者でない可能性もあります。私は区内在住でございますが、一生懸命来たいとは思っています。 ◆藤井まな 委員 一番最初に課長以上のクラスじゃない可能性があると。災害対策課がこうなんですから、ほかの多くの部署が普通の理事者ではない方々が指揮命令系統のトップに立つ可能性があるということでございます。  このICSというものは、もしかしたら、入って一年目の職員が指揮命令系統のトップに立つかもしれないというシステムであると思うんですけれども、これに関しての図上訓練は行っていると書いてありますが、実際のロールプレーのほうは行う予定はないんでしょうか。 ◎畠山 災害対策課長 このICS段階の実効性を担保するということで、やはり職員個々のレベルでの日ごろからのマニュアルの習熟というのが非常に大事になってくると思います。そのために、今後、各参集拠点におきまして中核となって活動していただける職層の職員については、勉強会、研修会といったようなものを設けていきたいと思います。そして、改めてこのマニュアル全体の対応手順等の検証をする必要があると思っておりますので、今ご提案がございましたけれども、今後、図上演習訓練をやってまいりたいと考えております。  今申し上げたような取り組みを通じまして、マニュアルの実効性の確保を図ってまいります。 ◆藤井まな 委員 図上訓練も重要ですけれども、実際の訓練というものも必要だと思います。ここにいらっしゃる各部の皆さんの部署も、これは実は関係あるわけですから、その部署の中で一番最初に参集する方はもうわかっていらっしゃると思うんですね。例えばどういう方が参集するかわからないですけれども、その部の中でロールプレーを行って、一番最初に君が来るんだったら、こういうふうなことをやらなきゃいけないんだよということも、ロールプレーで知って行っていかなければいけないと思いますので、各部署の方々もこういった問題にはしっかり取り組んでいただきたいと思います。  それで、このマニュアルは、あくまでも職員向けということですけれども、一般の区民に関して周知を図ることはするんでしょうか。 ◎畠山 災害対策課長 区は、これまでも災害時にどのような行動をとるかということで、区民にこの災害の区としての行動を知っていただくということは、みずからの行動を考えていただく上で重要な要素であると考えておりまして、地域防災計画でありましたり、それを補完する震災復興マニュアル等も、ホームページでありますとか、あるいは閲覧に供しているというようなこともございます。  また、区民向けの行動マニュアル等も作成して配布したり、わかりやすい形で情報の提供に取り組んでいるところでございますが、今回のマニュアルにつきましては、区の内部及び役割に応じた、個々の職員の行動に関することであります。しかしながら、区民から閲覧要望があった際には、適宜対応してまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 外郭団体とかにこういったものに関して周知徹底を図っているのかというところと、外郭団体にはこういったマニュアルはつくってあるのかということはどうでしょう。 ◎畠山 災害対策課長 今回の全庁を挙げたこのマニュアルの作成の取り組みにつきましては、外郭団体にも情報提供し、それぞれ働きかけてつくるように申し上げております。  それと、既にもうできている団体もございますので、区の今回つくりましたマニュアルとのすり合わせ等も含めて、より充実を図っていくように、改めて働きかけを強めていきたいと思います。 ◆藤井まな 委員 時間がなくなってきたんですけれども、備蓄品のことについてもちょっとお聞きしたかったんですが、横浜市の港北区の方とこの間お話ししたら、世田谷区の企業から携帯トイレとかを備蓄しているという話を聞いて、あくまで職員の話しているんですけれども、職員の簡易トイレの備蓄というのは、今現時点では世田谷区はないわけで、そういった食料の備蓄とか、区民がマンホールトイレに並んでいるところに、職員が行って並ぶというのは余りいいものじゃないですから、簡易トイレとかそういったものの配備、備蓄のほうをどんどん進めていただきたいということを要望して、最後、メールマガジンについてちょっとお聞きしたいんです。  区のメールマガジンの発行というものが、この間の企画総務委員会に出ていたと思うんですけれども、災害対策課も防災メールがあって、災害対策課の防災メールというのは一万数千人が登録していると思うんですが、今回のメールマガジンというのは数千人しか登録していない。縦割りの弊害だと思うんですけれども、こういったばらばらにしていくと、区の情報というものが、区民の受け取る側に情報の差異が出てきてしまうと思うんです。そういった区の発信するメールマガジンとか防災メールというのは統一して、その中から選択できるように、これから新しくそういった情報も出てくるかもしれないわけですから、そういった取り組みが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎久末 広報広聴課長 委員ご指摘のとおり、災害防犯情報メールと世田谷区のメール配信サービスといいますのは、それぞれに登録を現在行う必要があるなど、わかりにくいものとなっております。今ご提案されました二つのメールサービスの入り口を一緒にするということにつきましては、より効果的な情報提供のあり方であるというふうにも考えておりますので、関係課とも連携をしまして、区民の利便性向上のため、広報広聴課のほうが取りまとめを行いまして、的確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 あともう一つ、質問はしないですけれども、要援護者に対しての団体がふえたという話がありました。毎年、数はふえているんですけれども、やっぱりロードマップが示されていない。何年までにどれぐらいやるのかというロードマップをしっかり示して、各町会・自治会と連携をして、要援護者の問題に取り組んでいただきたいということを要望して、午前中の民主党の質問を終わりにいたします。 ○山内彰 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  なお、午後一時より平和の日の黙祷を行いますので、その前にご参集いただきますようお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午後零時九分休憩    ――――――――――――――――――     午後零時五十九分開議 ○山内彰 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  質疑に先立ちまして、謹んで申し上げます。  本日、三月十日は、昭和二十年の東京大空襲において十万人とも言われるとうとい命が失われた日であり、東京都平和の日と定められております。  そこで、区議会として戦災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、世界の恒久平和を願い、一分間の黙祷をささげたいと思います。  ご起立をお願いいたします。    〔起立〕 ○山内彰 委員長 黙祷。    〔黙祷〕 ○山内彰 委員長 黙祷を終わります。  ご着席願います。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 それでは、質疑を続けます。  民主党、どうぞ。 ◆稲垣まさよし 委員 午前中に引き続きまして、民主党の質疑をさせていただきますが、その前に、昭和二十年の東京大空襲、十万人の方々が亡くなったということですが、これからも二度と戦争が起こらない平和な社会をつくっていかなければならないということを改めて感じさせていただきました。  午前中、我が会派の中村委員のほうから財政の質問をさせていただきましたが、将来にツケを回さないような取り組み、これは本当に今後必要であるというふうに思っております。この中で、今年度の予算審査を今やっているわけですけれども、大変厳しい財政というふうに、各会派、いろいろな形で質問をされております。  特に財政調整交付金の話なんですけれども、例えば平成十七年、十八年というのは、逆に見込んでいた額よりも多く入ってきたということもあるんですが、今年度はそういうふうにはいかないということで、基金の取り崩しなど、さまざまな分野で厳しい財政運営をしていかなければならないわけです。  今、平成二十二年度の予算の審査をしているわけですが、平成二十三年度以降、今後、どのような形で財政運営をしていくのか。今までのように基金を取り崩していくようなやり方では、世田谷区政の区の財政、しっかりとした財政運営にはならないわけですから、この辺は基金を崩さないような取り組み方、どのような考え方をしているのかお聞かせください。 ◎岩本 財政課長 財調交付金のお話をいただきました。財調交付金につきましては、市町村民税や固定資産税などを原資としてございますが、特に市町村民税法人分につきましては、景気の動きの影響を直接受けやすいといったことでございます。二十一年度予算となりますけれども、特別交付金についてはマイナス八十二億円ほどの減額補正をさせていただいております。また、二十二年度予算では、前年度比でマイナス八十億円といった大きな減額となっているものでございます。  今後の財調の見通しとしましては、国の景気動向を踏まえまして、二十三年度以降は微増と見込んでいるものですが、いずれにいたしましても、この財調交付金の歳入については的確に見込んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆稲垣まさよし 委員 財調交付金の場合は、やはり法人税などの問題というのに大きく左右されるわけですけれども、これは国のほうでも予算編成をするに当たって、さまざまなシンクタンクなどのいろいろな情報収集をして予算組みをしていくわけですが、これから考えなければならないのは、常に国の動向に左右されていくのではなくて、世田谷区独自でいろいろ考えいかなければならない部分というのもあると思います。  こういった中で、世田谷では三年ほど前に自治政策研究所というシンクタンクをつくったわけですけれども、同じ時期に中野区もこういったものをつくったわけですが、中野区のほうは廃止をしていくような方向になっているというふうに聞いております。  しかしながら、この間も会派のポストのほうにこの自治政策研究所でまとめた資料が配付されておりますし、来年度の平成二十二年度の予算の中でも一千五百万円ほど計上されておりますけれども、まず、その一千五百万円計上されている中身、来年度はどんなことを考えていらっしゃるのかお答えください。 ◎吉原 政策研究担当課長 私どもでは、やはり中長期的な世田谷区の課題の研究、また、それぞれの所管との連携を図る政策形成支援といったことを、来年度も続けていきたいと考えております。 ◆稲垣まさよし 委員 やはり自治政策研究所というシンクタンクをうまく活用していくことによって、さまざまな分野において政策提言ができるのではないのかなというふうに思います。  しかし、今までのさまざまな区が取り組んできたことを見ますと、政策評価委員会、平成十五年の七月から十七年二月で、約百十億円の行政改革の効果ということに取り組んできている。また、行政評価委員会、外部評価ですね、平成十八年四月から平成二十年二月。この辺もしっかりといろいろな部分で、区に対する内部評価をされてきている。そして外部評価委員会というのが平成二十一年五月から、今後、どのような形で見直しをしていくのかというふうなことが言われているんですけれども、それなりに世田谷区としても行政改革、今の熊本区長になってから、すべての事業を点検したりなど取り組んではいます。  そこで、今年度、今いろんな形で各会派から、政策検証委員会、世田谷版事業仕分けと言われておりますけれども、この世田谷版事業仕分け、政策検証委員会、我が会派の代表質問の中でも、やはりどのぐらいの形で財源数値目標を掲げたらどうなのかということを言っているんですが、その辺、数値目標であらわせるかどうかわかりませんけれども、ある程度の目標を定めていかないと、この委員会を立ち上げたところで絵にかいたもちになってしまうような気がします。  こういったことを含めながら、政策検証委員会、世田谷版事業仕分け、これに対しての数値目標的なものをどのように考えているのかお答えください。 ◎宮崎 政策企画課長 今、政策検証委員会のお話をいただいているわけですけれども、既にこの間ご報告していますように、この政策検証委員会におきましては、二十三年度に向けました予算編成の事業点検のみならず、中長期、横断的な課題につきまして、この社会情勢や区民ニーズの適合性の視点からサービス水準や事業主体の適切性などを多角的に検証いたしまして、施策の方向性を見定めていきたいと考えております。  外部評価委員会、今既にやっておりますけれども、そちらのほうからの声といたしましても、この政策検証委員会に対しまして、予算の削減だけでなく、経営の改革につなげていくことは大切ではなかろうかというご意見もいただいております。  そういう中を踏まえまして、政策検証委員会で議論いただくわけですけれども、今申しましたように、二十三年度予算編成に見直しの視点として幅広く活用することと中長期の行財政改善に生かしたいと思っています。  お尋ねの目標数字でございますけれども、私どもがこの政策検証委員会を進める中では、今、財政シミュレーションを出しています二十三年度予測の五十四億円、これは常に念頭に置いていなきゃいけないわけですが、今の段階で具体的な数値目標等を定めているわけではございません。
    ◆稲垣まさよし 委員 いろんな分野において、この行政のいろんな事業の見直しというのは行わなければならないんですけれども、いろいろなことに手を出し過ぎてしまって、どこがどういう政策をチェックしていくのかというのがわかりづらくなってきているような気がしないでもないんですよね。そこで、やはり外部評価委員会、それと政策検証委員会、その辺をまた自治政策研究所をうまく活用しながら、やはり区政で無駄を省いていき、それで将来にツケを回さないような取り組みもそうですし、また、将来の中長期的な財政、例えば梅ヶ丘、上用賀の衆議院の速記者養成所跡地、これも買っていこうという方向性を区が出しているのであれば、中長期的な、かなりの財源を確保していかなければならないというふうに思うんですよ。  その辺を踏まえて、中期的な将来の財政予測というものをどのように立てていくのか。政策検証委員会でどういったことが行われて、中長期的な財政的な支援というか、財政的な取り組みが提言できるのかということはお聞かせいただければと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 今、政策検証委員会のほうでは、昨日もご答弁申し上げておりますけれども、まずはいろんな事例を出す中で、考え方等のご提示をいただきたいと思っています。その先は私どものほうでは類推する範囲、その分を広くとらえておりまして、例えば共通して今お話ございましたように、各所管のほうでいろんな事業をやっております。こういうところに、どこがこの観点では共通しているか、そういうようなことの視点の中で、今お尋ねの今後の財政負担を含めた部分の検討の素材にしていきたい、そのように考えております。 ◆稲垣まさよし 委員 そこで一つ提案です。例えば、先ほど質問しました都区財調の問題なんですけれども、やはり国の税にいろいろ影響を受けてくるわけですが、この自治政策研究所というシンクタンクをうまく活用して、国の動向、都の動向というか税の予測、そういったことを含めて研究し、それが次の予算に反映できるような取り組み、そのようなことをしていけば、都区財政調整制度の中でいろんな形で予算が増減というかな、これだけの見込み違いということはあり得ないと思うので、そういったうまい活用方法というのはあると思いますが、その辺はどうでしょうか。 ◎吉原 政策研究担当課長 今般、地域のことは地域に住む住民が決める地域主権の確立に向けまして、地方自治法の抜本的な改正を初めとした議論が非常に高まっております。この改革の実現に向けても、改革の受け皿となる自治体の税財政の基盤の充実、確保というのは非常に大事だというふうに認識しております。  お話しの税収の見込み、見通しを含めた財政全体の見通しということは、今後の自治体経営の根幹にかかわる重要な問題と受けとめておりますので、庁内はもとより、関係機関、民間の情報等の効果的な収集が必要というふうに考えております。  例えば、今お話のございました税収の要素の一つでございます法人企業に関する動向につきまして非常に多くの変動要素がありますけれども、こうした変動に対しまして、国が公表する経済見通しはもとより、民間の各種経済政策レポート、雇用政策といったさまざまな情報の収集、また、国や都の動向というのも注視しながら、関係所管と連携を図って取り組んでいきたいと考えております。 ◆稲垣まさよし 委員 いろんな形で今質問してまいりましたけれども、連携を図ることによって無駄をなくしていって、将来、中長期的にしっかりとした安定的な財政運営を求めまして、質問を西村委員にかわります。 ◆西村じゅんや 委員 先日の一般質問の続きで、エフエム世田谷について何点かお伺いいたします。  先日の壇上でも申し上げましたが、エフエム世田谷は区の有用な広報媒体として、まだまだ無限の可能性を秘めております。物言う株主である区はそのポテンシャルを存分に引き出す責務があって、私は番組のインターネット配信に積極的に乗り出すべきと提案させていただきましたが、今回は、本放送局の経営に対する区の関与について何点か伺います。  当然区は筆頭株主であるので役員を派遣しており、政策経営部長が取締役を務めております。当然取締役会とか株主総会などに出席をしていると思うんですけれども、経営方針として区がどのように関与しているのか、ちょっと具体的にお聞かせください。 ◎久末 広報広聴課長 現在、エフエム世田谷におきましては三名の取締役が就任しており、お話のように、世田谷区も株主といたしまして政策経営部長が取締役に就任しております。取締役は、年四回の取締役会、また、六月の株主総会、その他必要に応じて会合等を持ちまして、政策経営部長は主に区の立場といたしまして、区民目線での番組づくりへの要望、また、健全な会社運営についての収益や報酬、さらには人材等の考えにつきまして具体的な指摘と方向性の確認など、外郭団体としてのエフエム世田谷に対してさまざまな視点より要請を行っております。  今後もコミュニティーFM放送として身近な生活情報を提供し、緊急時にも必ず区民の皆様に聴取していただけるよう、役員といたしまして、親しみやすい番組づくり、災害時等の緊急時の適切な対応、経営等につきまして、その運営に積極的に参加してまいります。 ◆西村じゅんや 委員 具体的に伺って、かなり深いところまで区が関与しているということがわかったんですけれども、では、実際に魅力的な番組づくりに当たって、我々区民とか、区行政の意向とか、どのような形で反映をさせているのでしょうか。 ◎久末 広報広聴課長 コミュニティー放送局におきましては、番組聴取率が一%を超えると良好と一般的に言われておりますが、平成二十年度のインターネットでのリサーチによりますと一・九%という評価をいただいており、放送番組につきましては、聴取者から一定の支持を受けているものと認識しております。区では、新たな取り組みや地域情報、区のお知らせ情報などを的確に情報提供し、区民にタイムリーな情報をお届けするとともに、安全安心の区の施策を具体的に紹介する特別番組を共同して制作、放送しており、イベントや健康情報等の身近な生活情報につきましては、毎日定期的に放送しているところでございます。  さらに、気象警報の発令や、また、発令が予想される場合等におきましては、放送スタッフの待機について区から要請するなど、コミュニティー放送局の独自の番組づくりとあわせて、区の外郭団体として緊急時に一体となって情報提供すること。また、番組審査会や取締役会への参加や、株主総会での今後の区の考え方の提示など、身近な地域コミュニティー放送局として、区民により利便性の高い番組づくりについて要請しております。  今後、区民意識調査などにおきまして、区民がFM放送番組に期待するテーマ等の的確な把握を行い、より区民のニーズにこたえることのできる番組づくりについて要請してまいります。 ◆西村じゅんや 委員 聴取率が一・九%と、全国のコミュニティーFMの平均よりは大分高いという今ご答弁がございましたけれども、番組づくりは総じてうまくいっているようなんですが、今度は逆に、エフエム世田谷に事故とか不祥事などトラブルがあった場合、区は監査対象としていますので、そこの監督責任がどのような形になっているのかお聞かせください。 ◎久末 広報広聴課長 コミュニティー放送におきまして、例えば放送機器の不具合により音声が放送されないなどの放送事故が想定されます。その場合は、速やかに総務省への報告が義務づけられており、故意、または重大な過失によるものは指導の対象となる場合があります。また、近年では不可抗力的な要素による事故ではなく、モラルの低下による事故が発生しており、担当者個人の責任に帰す場合は懲戒免職、会社組織としての責任に帰す場合は放送免許剥奪といった処分も行われていると聞いております。  区の外郭団体の指導調整事務要綱におきましては、所管部長は、外郭団体の運営にかかわる事業計画及び執行状況を把握し、必要な指導調整に関する事務を行うと定めており、放送事故が発生したといたしますと、当該外郭団体に対しまして、原因究明と対策、さらには社内倫理規定の整備、また、放送事故に伴うスポンサーやCM会社への補償調整などを指導するものと考えられます。  お話しのように、エフエム世田谷におきましては、政策経営部長が取締役についており、重大な過失により第三者へ損害を与えた場合におきましては、経営陣といたしまして取締役にも責任が生じるものと考えられ、区としまして状況を正しく判断し、対応してまいる必要があると考えております。 ◆西村じゅんや 委員 今、どう対処するのかということに対して、放送事故に関して中心的なご答弁だったと思うんですけれども、その中で、モラルの低下による事故とか、重大な過失により第三者へ損害を与えた場合などに関しては、経営陣として取締役に責任が生じるとございました。エフエム世田谷が地域住民の公器という高い倫理性が求められるというのは言うまでもないんですけれども、放送以外にも事業の目的として、各種催事の企画、実施とあります。  私のちょっと耳に入ってきた情報によると、このイベントに関して当放送局は、結構トラブルとかを頻繁に起こしているということがあります。  実際に一例を挙げさせていただきますと、ある任意の団体さんに放送局側からスポンサーをつけてイベントをやらないか、そういったオファーがあったらしいんですけれども、いろいろと慎重に審議して、そのオファーに乗った団体さんだったんですが、またこれがそのイベント開催の直前になって、スポンサー側がそのイベントに参加することを急遽見送ったと。それで、団体さん側がイベントを開くには、最低限その大体半年前ぐらいから企画立案という準備が必要なのは自明の理だとは思うんです。そこで、急にスポンサーがいなくなったということで、一応これまでイベントするにもお金がかかるわけですから、放送局の説明責任がないまま、設営代など、決して少なくないさまざまな費用で大変な負担を強いられているというような状況もございますので、ぜひともそういった状況、実態を区としても把握しまして、適切な処置を行っていただきたいと思います。以上、要望です。  次に、公契約条例に関して伺わせていただきます。  今、自治体発の官製ワーキングプアに歯どめをかけるべく、千葉県野田市の全国初の公契約条例が制定されたのは周知のとおりです。都内では、来年度から契約方式を改める荒川区、また、国分寺市は検討委員会を設置しているという事例もあります。  これらの動向から、本区においても世田谷版公契約条例の制定に機運が高まっていることも明らかです。私は、昨年五月に成立、施行された公共サービス基本法の観点から、公契約条例について伺います。  この法律は、第一章の総則に、「公共サービスが国民生活の基盤となるものであることにかんがみ、公共サービスに関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、公共サービスに関する施策の基本となる事項を定めることにより、公共サービスに関する施策を推進し、もって国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする」とあります。  また五条に、地方公共団体の責務として、自治体の実情に応じた施策を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体に係る公共サービスを実施する責務を有すると明記されております。  また、二章には基本的施策として、「国及び地方公共団体は、公共サービスの実施に関する業務を委託した場合には、当該公共サービスの実施に関し、当該委託を受けた者との間で、それぞれの役割の分担及び責任の所在を明確化するものとする」として、発注者である自治体側の責任が問われておりまして、最後に十一条、国及び地方公共団体には、労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとすると締めくくられております。  このような公共サービスの法的根拠から、世田谷版公契約条例制定に向けての区の見解を求めます。 ◎岡田 経理課長 今ご指摘の公共サービス基本法につきましては、公共サービスにつきまして基本理念を定めたものだと考えております。この理念に基づきまして、区の公共調達につきましても、このことを留意して入札契約制度の運用を行ってまいります。 ◆西村じゅんや 委員 今、ロハスという言葉も浸透してきているように、時代はソーシャル消費の時代に変わりつつあります。かつての個に基づく自分の価値観のみに立脚した消費ではなく、即物的な尺度から、きずなや質を重視した新たな消費社会に変革を迎えていると考えています。いわば心の豊かさ、価値の基準として大きな要素を占める時代になりつつあるということかもしれません。 ○山内彰 委員長 以上で民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 私のほうから、まず本庁舎整備について質問したいと思います。  我が党はこれまで、区役所本庁舎は建てかえではなく改修をすべきだということをずっと言ってきました。改修のほうが費用も少なくて済みますし、環境に対する影響も建物を長く使うということが非常に大事だということをこの間言ってきました。また、改修は本当に必要なところから順々にやっていけばいいわけですから、スケジュールも柔軟に対応していくことができるんじゃないでしょうか。また、世田谷の区役所庁舎は前川建築として文化的な価値も評価をして残していくべきだという声も、区民の中からたくさん上がっています。  税収が減って、それで基金も減っていくと、これからどうするのかというようなことが問題になっています。こういう今だからこそ、建てかえではなく改修をして、この区役所を長く使っていこうという、そういう判断をしていくべきだと思います。  来年度予算を見ますと、庁舎整備に係る検討という名目で九百四十九万円、予算がついています。これは一体何に使うんでしょうか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 昨年八月に本庁舎等整備審議会よりいただいた答申では、まず一点目として、場所については本庁舎等の歴史的経緯等から現在の敷地が望ましいが、より交通至便の場所等への移転の可能性を検討する必要があるということ。  二点目といたしまして、厳しい社会経済状況の中で、その経費が区民の負担によって賄われることを考慮し、区民の理解を得ながら取り組みを進めるべきであるということ。  三点目といたしまして、これらの課題を解決した上で、本庁舎等の一部または全部を取り壊し、改築することが必要であるということが指摘されています。  このことから、今後につきましては、この答申から明らかな敷地等の課題や、これに関連する課題について、引き続き整理検討をしてまいります。そのための経費を予算計上してございます。 ◆中里光夫 委員 具体的に調査はどのようにやるんですか、委託でしょうか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 現在想定しておりますのは、例えば調査研究報告書で調査をした土地以外に、庁舎としてふさわしい場所があるのか否か、あるいは現敷地で改築する場合の課題等の精査などを、業者委託をして検討するというふうに考えております。 ◆中里光夫 委員 九百四十九万円のうち、どのぐらいを調査のための業務委託の検討で考えているんでしょうか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 八百万円強を考えております。 ◆中里光夫 委員 そうしますと、この九百四十九万円のうち、ほとんど八割、九割がその調査のための委託と。その委託の主な目的は候補地の検討云々というお話でしたが、端的に言うと、この場所を探すということなんでしょうか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 敷地につきましては、現在の敷地が歴史的経緯等からふさわしいということで答申をいただいているんですが、ただ、附帯意見といたしまして、より区民に利便性のいい場所があるのか否かについても引き続き検討してほしいということでしたので、区が従来から推進してきた区役所周辺まちづくりとの整合性とか、道路計画補助五二号線、一五四号線、これは区役所周辺の道路ですけれども、それ以外にも、区の将来の道路計画を見据えた、区役所としての適地の調査等を想定しております。 ◆中里光夫 委員 その場所を探す条件をいろいろ精査するということなんでしょうけれども、そのために八百万円必要なんでしょうか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 場所以外にでも、調査研究報告からしばらく時間がたっておりますので、最新のセキュリティーシステム、あるいはバリアフリーの観点、それから情報通信システム、環境システム等についても検討してまいりたいと考えております。 ◆中里光夫 委員 審議会の答申でも、大きなお金を使うということから、区民の理解も必要だという話があったり、この間の財政状況で、この議会でもさんざん議論されていますけれども、税収が減っているという中で、私は庁舎の建てかえをこの一、二年でやるというのは到底無理な話なんだと思うんです。一年、二年でそこに踏み込むという、そういうことは考えているんですか。 ◎峯田 庁舎計画担当部長 庁舎の改築というのは、区にとって非常に大きな事業でございまして、どのみち、どういう経済状況にあろうとも、一年や二年というところでもって軽々に判断ができるものではないというふうに考えております。ですから、区としても、これまで長い間の時間をかけて現況の問題点を探り、さらに、これからあるものはどうあるべきかということを慎重に検討した上で判断するものだと考えております。 ◆中里光夫 委員 長い時間をかけて検討が必要だということですが、先ほどの調査の内容ですけれども、一つは場所を選ぶ、そしてもう一つは最新のシステムについて調査研究すると。でも、この最新のシステムも、四年、五年たてば古くなってしまうということで、今、ここでこういうお金を使うことが無駄なんじゃないか、改修にするというふうに決断するべきなのではないかと私は思うんです。今調査しても、これは無駄じゃないかと思うんですが、いかがですが。 ◎峯田 庁舎計画担当部長 審議会の答申の中でも、庁舎の改築というのは、区民の理解を得ながら取り組みを進めるべきだという答申をいただいております。したがって、私どもとしては区民の理解を得る。また、議会にもきちんとご報告をするためにも、今の庁舎の問題点がどこにあるか。特に基礎的自治体の庁舎というのは、国や東京都のような広域自治体と違いまして、区民の方と直接接してするサービスが主となります。したがいまして、そこの点で今、この庁舎については多くの問題点を抱えている。セキュリティーの面もそうですし、スペースの面もそうですし、分散化という問題もございます。  いずれにしろ、そういったものをきちんと精査をしないことには、改築であれ、改修であれ、軽々にはできないというふうに考えております。審議会の答申の中では、そういった問題を総合的に判断したときに、一部または全部を取り壊して改築するほうがより効率的であろうという答申をいただいております。したがって、そのことについて、私どもとしてはきちっと整理をした上で、次の判断をしていきたいというふうに考えております。 ◆中里光夫 委員 どういう問題があるか精査する必要があるということですが、今まで庁舎の問題というのはさんざんやってきたと私は思っています。今までこの調査研究にどのぐらい区の経費を使ってきたんですか。 ◎原田 庁舎計画担当課長 今までに庁舎計画に要した経費でございますが、平成十六年度から四カ年にわたります庁舎整備調査研究業務委託や本庁舎等整備審議会運営に係る経費が主なものでございまして、合計で約八千万円余りの経費でございます。 ◆中里光夫 委員 今まで八千万円かけて調査研究をしてきて、今ある庁舎にさまざま問題があるというのはやってきたわけです。  私たちは、今のまま、このまま使えと言っているんじゃなくて、必要な改修をするべきだ、建てかえではなくて、改修で長く使っていくべきだということをずっと主張してきているわけです。いつやるかわからない建てかえのための調査検討をするといって、今のままこの庁舎を何年も放置しておく、そういう問題点もそのまま放置しておく、そういうことなんですか。 ◎峯田 庁舎計画担当部長 これまでに、ただいま申し上げました研究をしてまいりましたのは、区民の方に説明責任を果たすために、現在の庁舎というのが建設をされてそろそろ五十年という中で、どういう問題点が生じているかということをきちんと整理したもの、単に古くなった、そろそろ五十年もたつからということではないことを明らかにするために、問題点をまず明らかにしました。  その上で審議会にお諮りをしたときに、やはりそれらの問題を根本的に解決するということは、単純改修や一部増築等ではもはや限度がある。したがって、全部または一部を改築する必要があるという判断をいただいた。これはおおむねの審議会の委員の皆さんのご判断だと存じます。  したがって、私どもとしても、今後の区の本庁舎のありようをどうするかというところは、これから引き続き調査をして、最終的にはいつの日か、しかるべき時期にご判断をいただきたいというふうに考えています。 ◆中里光夫 委員 そのいつの日かというのはいつなんですか。問題があるというのを明らかにしながら、そのいつの日かまでそれを放置しておくということですか。 ◎峯田 庁舎計画担当部長 問題点は明らかになりましたが、それでは、どういう形でもって直していくか、それを根本的にやるためにはどういう方法がいいのか、それを明らかにしないことには、今後の、次の判断をするときの材料としてはまだ不足しているというふうに判断をしておりますので、その結論が出次第、ご判断をいただきたいと思っております。 ◆中里光夫 委員 いつの日かわからない建てかえのために調査を進めるというのは私は無駄だと思います。私は、その改修による対応というのを早い段階で決断して、有効な手だてをとっていくべきだというふうに思います。平行線のようなので、質問はこの辺にしておきます。  では次に、公契約条例について質問します。他会派からもたくさん質問が出ていました。野田市で公契約条例ができました。我が党も代表質問でも取り上げてまいりましたけれども、自治体などが発注する公共事業や公共サービスなどの公契約で、一般競争入札によって、とにかく値段の安いものが入る、安ければよい、こういうやり方が全国でさまざまな問題を生んでいるということだと思います。  公共事業や公共サービスの質が確保されるのかどうか、それから、価格競争ではどうしても資本力の大きなところが有力になりますから、地元の中小企業が淘汰されていってしまう、こういう問題、それから、官製ワーキングプアという言葉も生まれていますけれども、そこで働く労働者の賃金が適切な水準を保たれていないというような問題、こういうさまざまな問題を解決するための方策として、この公契約条例ということが今大きな話題になってきていると思います。  世田谷区でも、代表質問の答弁で、公共事業の発注に際しては総合評価制度を設けたというようなことがあったと思いますけれども、これはどういうものなんでしょうか。 ◎岡田 経理課長 区では、昨年三月から土木工事につきまして、施工能力評価型の総合評価競争入札を試行してございます。価格のほかに、その事業者の過去の工事での工事成績評定、あるいは配置される技術者、そういったものを施工能力評価点として評価いたしまして、その加点したもののすぐれた者を落札者とするというものでございます。  これまでに四件試行してございまして、四件のうち一件で価格を逆転したというケースがございました。既に三件が竣工しておりますが、いずれも良好な成績で評定がされております。 ◆中里光夫 委員 まだ始まったばかりで四件しか実績がないということですけれども、その中で、先ほど公契約の問題、さまざま問題があるという答弁の中で、区内業者の受注を確保するとか、中小零細でも直接契約できる配慮をするだとか、下請の使用状況の確認だとか、労働環境の向上や下請関係の適正化を図るというふうな答弁もありましたけれども、そこは実態としてきちんと確保されているんでしょうか。 ◎岡田 経理課長 今お話しの発注した工事での労働条件の確保等につきましては、契約の手続の中で保険への加入状況等を確認しまして、確保するように努力しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 ただ、問題になるのは、その末端の労働者が実際にどのぐらいの賃金水準で働いているのか、ここをきちんと確保する、確保させるという保障は、今のやり方の中でできるんでしょうか。 ◎岡田 経理課長 今お話しのような、受注者に対して労働条件を確保させるというようなことは、現在の仕組みの中ではできないようになってございます。 ◆中里光夫 委員 今の仕組みの中ではまだそこまではできない、ただ質の確保で一定の配慮をいろいろ始めたということだと思います。  代表質問の答弁では、公共工事以外でも最低制限価格制度を導入したということもあったようですけれども、これはどのようなものなんでしょうか。 ◎岡田 経理課長 本年の二月から、請負型の委託業務で低入札傾向が見られます測量・設計業務、それから建物清掃業務につきまして最低制限価格制度を導入いたしております。測量・設計業務は予定価格三百万円以上、建物清掃は予定価格二百万円以上、これらの案件に対しまして最低制限価格を設けまして、規則で予定価格の十分の八・五から三分の二の中で設定する、個々の契約ごとに最低制限価格を設定するということにしてございます。 ◆中里光夫 委員 先ほどの公共工事では、随分中身に突っ込んだ検査であるとか、いろいろ調査も行っているようですけれども、こちらの最低制限価格制度というのは、結局、受注価格のコントロールだけということだと思うんですね。その工事以外の部分でも、公共サービス、公共事業のサービスの質の担保であるとか、そこで働く労働者の賃金水準を担保させるという点では、どのぐらいの効果、影響が出ていると思いますか。 ◎岡田 経理課長 公共工事に関しましては、建設業法等によりましてさまざまな手続をしてございますが、これらその他請負契約につきましてはそういった規定がございません。  ただいまその最低制限価格を設けるというようなことで、極端に低価格の入札で品質の低下、あるいは労働条件の低下、そういったことを来たさないようにコントロールしていきたい、そういう趣旨で制度を設けたものでございます。 ◆中里光夫 委員 従来の方法では質の担保や労働条件の確保は難しいということで、一歩前進だとは思うんですが、やはりまだまだ不十分だということを、今の答弁を聞いても感じました。  公契約での労働者の賃金確保については、日本はまだこれを批准していないんですが、国際条約があります。ILOの九十四号条約、公契約における労働条項に関する条約というものがあって、これは一九六九年にILOで採択されたそうです。国や自治体などの公的な機関が発注する事業について、社会的に適正、公正な水準の賃金、労働条件を確保することを契約に明記することを義務づけると。そして、その水準についても、同一の産業、同一の業務で確立している労働協約や最低賃金などの法令よりも有利な水準にすることを義務づけると。これは国際条約で、五十九カ国が批准しているそうであります。  野田市の公契約条例は前文で、公共事業の低入札により、従事する労働者に賃金低下を招く状況になっているということを明記して、市が発注する公共工事や業務委託に従事する労働者の賃金水準を守るために、最低賃金法の縛りにこだわらずに、設計労務単価の八割を最低賃金の目安とするなど、最低賃金を市が独自に設定する、こういう内容になっている。それから、連帯責任、損害賠償の罰則規定なども行って、受注者に条例の履行を担保していると。この野田市の公契約条例は、この国際条約、ILO九十四号条約の方向で、自治体として努力していこうというのが感じられると私は思います。  あるところで、野田市の市長のコメントを私読んだんですけれども、本来、公共工事の品質の確保に関する法律と同様に、国が法律によって規定すべきだというふうに、この市長も言っています。全国市長会を通じて、国に法整備を要望したり、条例の前文に国に対して法の制定を要望する旨を記述するなど、こういうことも行ってきたと。そして、全国の自治体に同じような働きかけを国に対して行ってくださいという呼びかけもしているんだというようなことも言ってました。  私は、世田谷区としてもこういった条例制定に足を踏み出して、そして全国を動かしていく、日本を動かしていくということが必要だと思いますけれども、世田谷区としてはこの問題についてどう考えますか。 ◎岡田 経理課長 今お話の中で、過度の競争による低入札価格工事等の増加、それによるサービスの品質の低下、あるいは下請労働者へのしわ寄せの懸念、こういったことについては認識は同じでございます。ただし、今お話にございました他の自治体で制定された公契約条例、この中で、発注者である自治体がその請負者、あるいはその下請負者に対しまして、労働者に支払う賃金の水準を条例で規定するということにつきましては、法的な整備を含め課題が多いのではないかというふうに考えております。内容を見させていただいたところ、対象とする工事、あるいはその設定する金額、さまざま課題がまだまだあるのではないかというふうに認識しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 官製ワーキングプアをつくり出したり、自治体自身が人間の使い捨てを率先して行うというようなことがない、そういう社会をつくっていくためにも、私、公契約条例をつくっていく必要があると思います。今、課長はさまざま課題があるというふうにおっしゃっていましたけれども、ぜひその課題も整理しながら乗り越えて、世田谷で公契約条例をつくっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎岡田 経理課長 ただいまご答弁申し上げたとおり、自治体が受注者の賃金を定めるということは、さまざま問題が多いというふうに認識しているところでございます。 ◆中里光夫 委員 そこのところをぜひ乗り越えて、条例制定に努力していただきたいというふうに要望します。  それでは、次の質問に移ります。  次は、区の職員配置について伺っていきたいと思います。生活保護の受給者が大変ふえているということは、この議会でも各会派からたくさん話が出ていました。現在約七千二百人ということで、人数も相当ふえてきています。  私も、たしか一月ぐらいだったと思いますが、生活保護の申請をしたいという相談を受けまして、私の地域の北沢の生活支援課に連絡をしたところ、非常に窓口が込んでいて、相談員の割り当てが非常に大変だと。だから、時間調整して予約してきてくれというような、そんなことがありまして、今、状況はそんなに大変なのかというふうに、改めてびっくりした次第です。  生活支援課の相談員はフル稼働というような状況がこの間ずっと続いているんだというようなことも伺いました。このケースワーカーの一人当たりが担当する人数、これは法令の基準では八十世帯というふうになっているそうでありますが、現在どうなっているかというと、先ほど伺ってみたんですけれども、今、区内全体で六千三百六世帯あって、ケースワーカーの地区担当者は全区で六十一人ということだそうです。六千世帯を六十一人で割ると百三人ということで、百人を超える担当で、法令の基準を大きく超えるような事態になっています。生活保護のケースワーカーの担当はきちんとこの基準に見合うように増員すべきではないかということをまず一つ訴えたいと思います。  それから、学童クラブ、新BOPで配慮の必要な児童を五、六年生まで受け入れるということを表明していますけれども、それから大規模施設のことも大きな問題になっています。そこで、担当する職員の配置を見直すんだということも報告されていたと思うんですが、ここに必要な職員の手当てができるのかどうか、これをきちんとやっていくべきだということ。  それから、この間、保育待機児問題で、私たちは議会で何度も取り上げてきましたけれども、新しい保育園、保育施設をつくっていくということで大変無理な状況が生まれているということを、この議会の中で取り上げさせていただきました。きちんと必要な仕事を進めていくためにも、この保育、保育課にかかわる体制を強化していくということが必要ではないかと思いますが、それぞれこの職員の状況、来年度どのようにする予定なのか伺います。 ◎尾﨑 人事課長 職員配置、定数の査定は、個々の事業が、ここが大変だから、大変だからという積み上げ方式で査定をやっていったのでは全然おさまるものではありません。その中で、全体の限られたパイの中でどういうふうに割り振っていくかを考えて、定数査定を行っております。  今年度につきましては、今回の来年の四月に向けての定数査定を、第一次査定として一月二十九日、二次査定として二月二十六日に、職員団体及び部長会を通じまして各所属にもう既に通知しております。その中身を申し上げますと、生活保護世帯の対応については五支所全体で九名の増員、それから、国勢調査に対応するために六名の増員、保育施設の整備の対応、これで六名の増員、このほかに都市型の水害対策の対応で二名など、本年度の主な増要員は今申し上げたような形で、もう既にご案内しているところでございます。  要配慮児への対応のBOPの関係につきましては、実際にどれぐらいの需要、受け取りのあれがあるのかを見きわめた上で判断してまいりたいと思っております。
    ◆中里光夫 委員 BOPについては今後見ていくということですけれども、パイの中でやるんだ、限られた中でやるんだということであります。  先ほど例に挙げた生活保護のケースワーカーの場合、九名増員というお話でしたけれども、先ほどの法定の八十人に対してどうなるのかと、私ちょっと計算してみたんですが、六十一人が九人ふえて七十人になっても、これは九十人なんです。まだ現場では足りないという声も聞いています。それから、この間の生活保護受給者のふえ方を見ますと、この世帯数、人数というのは、これは現時点での数でありますから、現時点で既に八十人を大きく超えているという中で、今後、さらに生活保護受給者がふえていくことが予想されるわけです。これでは足りないんじゃないでしょうか、いいんでしょうか。 ◎尾﨑 人事課長 先ほど申し上げましたように、それぞれ需要が要る要素がございます。先ほどお話がありました保育施設の待機児対象についても、重要な問題だというふうに所管からの要望も受けております。それやこれや受ける中で、先ほど申し上げました数字が、来年の四月に向けての最善の判断だと思っております。 ◆中里光夫 委員 職員のうつ病などの精神的な疾患で休職者がふえているというようなお話も伺っています。人が足りなくて、仕事が相当ハードなんじゃないかというふうに予想するんですが、この精神疾患などによる休職者の状況というのは今どうなっているんでしょうか。 ◎小田桐 職員厚生課長 平成二十年度の休職者は全体で六十八名ございました。そのうち、いわゆるメンタル系の休職者は五十七名となってございます。 ◆中里光夫 委員 最近の動向はどうなんですか。 ◎小田桐 職員厚生課長 全体の休職者数自体も年々増加傾向でございまして、そのうちのメンタル系の職員の休職者数もほぼ同じように伸びているということでございます。 ◆中里光夫 委員 せっかく配置しても体を壊したり、メンタル面で大変になって休職してしまうということでは、その職場、ますます人が減って厳しくなってくると悪循環だと思うんです。  私、先日、ふろしき残業みたいな話も出ていましたけれども、無理な残業であるとかそういうことで体を壊すような状況というのはよくないと思います。これがふえているということですから、この傾向を何とか切りかえていく必要があると思います。今、年間三万人を超える自殺者ということも大きな社会問題になっています。必要な部署に必要な人員を配置して、職員の健康にも、そして区民サービスの向上にも役立てる、そのことが今本当に必要だと思います。少ないパイでしようがないではなくて、区民のための必要なサービスをやるためには必要な人員を配置する、そういうことで進めていく必要があると思います。先ほどのケースワーカーの件についても、さらに増員していくことを要望しまして、私からの質問を終わりにします。 ○山内彰 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆桜井純子 委員 まず初めに、代表質問でも取り上げました災害対策について質問いたします。  生活者ネットワークからは、生活者の視点、女性の視点を盛り込んだ災害対策の必要性ということについて繰り返し指摘をしてまいりまして、これについては、世界的な動きということでもさまざまな場面で話し合いなども行われて、各国で取り組まれてきていることです。  例えば、世界の動きということでいえば、二〇〇五年の一月、これは神戸で開催されたものなんですが、国連防災会議では防災協力イニシアチブというのを発表しています。その中の基本方針の一つとして、政策決定への参画、経済社会活動への参加、情報へのアクセスといったさまざまな面で男女格差が存在するために、女性は災害時の被害を受けやすいということ。したがって、防災協力のすべての側面において、ジェンダーの視点に立った支援を行うということが明記されています。  世田谷区の男女共同参画プランの目標2にも、あらゆる分野への男女共同参画の促進というところで、男女がともに参画したような発想、活動をすることにより、それぞれの分野への新たな発展を期待することができるということで、新たな発展という指摘がある中で、一層の女性の参画が望まれる分野として、防災・災害復興の分野への女性の視点の導入ということがしっかりと明記をされています。  こういうこともありまして、生活者ネットワークとしては、これをどのように実現していくのかということを再三申し上げています。この視点は国でも同様で、男女共同参画計画の中には盛り込まれているものです。  この男女共同参画プランのところに入るまでには、災害対策課とのさまざまな議論もあったというふうに聞きますけれども、まず、所管はこういった点をどのようにとらえまして、今後どういうふうに実現しようと考えているのかお聞きいたします。 ◎畠山 災害対策課長 平成十九年三月に策定されました男女共同参画プランにおきまして、「男女がそれぞれの個性と能力を十分発揮できる社会の創出」をこのプランは基本理念としております。防災や災害復旧の分野におきましても例外ではなく、その精神を生かしていくべきものと認識してはおります。  区は、過去の震災事例から、これまでも乳幼児から高齢者に至るまできめ細かく配慮した取り組みの必要性を学んでまいりました。避難所運営や備蓄などさまざまな災害対策の取り組みにおきまして、生活者の視点に立っての取り組みが必要であると考えております。こうした配慮を、これまでの地域防災計画でありますとか、さまざまな計画、あるいはマニュアルに取り入れていくためには、やはり男女共同参画の視点も含めまして、さまざまな立場からご意見をちょうだいしながら進めることが重要であります。  これらの点を踏まえまして、先ほど申し上げましたけれども、これまで地域防災計画、避難所運営標準マニュアルの見直しの際に、避難所におけるプライバシーの確保等を盛り込んでまいりました。今後も引き続きその必要性を確認しながら対策を進めてまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 私たち生活者ネットワークが指摘している中では、避難所というところはあらゆる人にとって生活の場になる、こういった点からも、女性の視点、生活者の視点が必要だということを申し上げています。  今回は障害者の方への対応ということを幾つかお聞きしたいと思いますけれども、障害者への対応ということになりますと、個々の障害特性に合わせたものが必要になるというふうに認識しています。  例えば命を維持するために医療器具を利用している方にとっては、電源を即座に確保できるかということがすごく切実な問題となっています。この点について、避難所の中ではどのように準備をされているのかお聞きします。 ◎畠山 災害対策課長 停電となった場合に備えまして、避難所運営倉庫には発電機やそれを動かすための燃料が備蓄されております。発電機を使用することになった場合におきまして、主に照明器具ですとかバーナー等に使用することになります。お話しのありました電力を必要とします医療器具に個別に対応することは極めて難しいものと考えております。こうしたことから、電力を必要とする医療器具を使用している方につきましては、個々人で必要な携帯型の医療器具や医薬剤などをご準備いただく必要があるものと考えております。 ◆桜井純子 委員 障害のある方、そして一般質問では二十四時間の介助が必要な方の話などもしたんですけれども、医療器具を利用しないと命を維持することができないという方にとって、電源の確保というのはすごく重要なんですね。その中で自助努力のみに頼っていくということは、避難所というところは生活の場からすごく隔絶された状況だと思いますので、発電機燃料というのが照明バーナーに使われることはよくわかりますが、そういう状況にあるということを情報をちゃんと渡していただくということとあわせて、区内の避難所の中でどういう方がそういう電源が必要な状況にあるのかということをしっかりと調査して、できるだけ準備ができるように、家族の状況、環境によっては、本当に個々人が自力で用意できない方もいると思うんですね。発電機、自分でバッテリーを用意していても、それが本当に使える状況にあるのかということは、常に気をつけていてもさまざまな事故というのはあると思いますので、それは区としても、万が一のことがあったときにはどういうふうにするかということを視野に入れて計画を立てておいていただきたいと思います。  それから、さまざまな障害のある方についての避難所などへの入り口の誘導というのもすごく注意が必要だと思っています。健康な方の入り口と、やはり優先的に障害特性に合わせて、例えば車いすだったり、いろんな器具をつけている状況に合わせた誘導というのも大切だと思うんですけれども、そういったことは平時にもちゃんとシミュレーションをしておくべきことだと思います。そういった対応については、区はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。 ◎畠山 災害対策課長 避難所でのいわゆる災害弱者と言われる方々の不安を軽減するためにも、適切な誘導案内は極めて重要なことだと認識しております。  避難所運営訓練等を通じまして、援護を要する方々に配慮したきめ細かな対応が、運営する方々を含め区民の方に浸透するよう、総合支所の地域振興課等とも連携しながら、さらに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 対応については、まだまだ地域の状況に合わせて精査していくところがあると思いますので、そういったところにも力を注いでいっていただきたいと思います。  また、災害時ということで、災害、被災の後ということで、生活者ネットワークから繰り返し申し上げている要素として、性暴力やドメスティック・バイオレンスなどの暴力が増加していくんだ、非常時というのはそういうストレスが高まったり、犯罪を誘発するような、そういう安全じゃない状況があるということを繰り返し指摘してきました。  こういう状況の中で性被害や性暴力に遭うと、その状況というのを過小評価して、自分自身に起きたことを、みんなが頑張っているから取るに足らないことであるというふうに押し込めようとしたり、また、これは一年半ぐらい前の九月の一般質問でも世田谷区とは共有をしているところですけれども、被災後の地域の助け合いなどの美談に隠れて、そういった被害というのがなかなか出てきにくい状況にあるということは、そこは世田谷区とは共通認識だと私は思っています。  被災をした先輩の地域ということになりますと神戸市だと思うんですが、神戸市では地域防災計画の中に災害時に女性のための相談室を設置するという項目を加えています。これは大震災に遭った経験から必要性を実感している結果だと思っています。こういった暴力を放置した、適切に対処しないで放置するということは、深刻なPTSDなどを招いて、震災後の復興の中でも、被害者にとってはかなり大きな影響を及ぼすようなことになっていくと思います。ということも考えて、対策というのを明示しておく必要があると思うんですが、世田谷区としてはドメスティック・バイオレンスや、また、増加すると言われている子どもの虐待、そしてあわせて高齢者虐待などの暴力への対応というのも視野に入れた、被害者目線の相談窓口などの早目の設置を被災後にする必要があると思います。こういった体制づくりというのはどのようになっているのかお聞きいたします。 ◎畠山 災害対策課長 平穏な日常生活から一転しまして、不安を抱えた避難生活を余儀なくされるといった場合に、さまざまな悩み事を相談できる体制が用意されているということは、心身の安定や不測の事態の防止にもつながるものと考えられます。  こうした場合、相談は女性で、特に相談する窓口、体制を整える場合でありまして、女性の場合ですと、相談担当者が男性だと相談しにくいような事案も考えられるため、女性特有の相談を受ける担当を設けることが必要であるというふうには私どもも考えております。  担当者は避難所運営に携わる女性等が考えられると思いますが、今後、避難所運営委員会とも相談しながら検討を進めてまいりたいと考えております。  なお、区の地域防災本部のほうとしましては、発災後二十四時間を目途に、保健師、歯科衛生士、栄養士などで構成されました保健活動班を編成しまして、避難所での健康相談、あるいは地域の巡回相談というものを実施することとしております。また、各種相談に応じる臨時窓口、案内窓口というのを地域本部のところに設ける。あるいは災対医療衛生部、これは保健所のほうになりますが、区民全般の心身の不安等を受けとめる相談窓口を早期に設置することとしております。  このような取り組みが幾つかありますが、避難所運営委員会や関係機関とも連携しながら、状況に応じて適切な対応が図られるように努めてまいります。 ◆桜井純子 委員 女性の相談員を置きたいということはよくわかりました。ただ、避難所運営委員会と相談してということをおっしゃっていましたが、避難所運営委員会というのは、町会・自治会、PTAの方もいるかもしれませんけれども、その災害が起きたときに地域の中心になる人たちが集まっているところだと思います。ですので、ぜひ地域の中で女性特有のいろいろなトラブルとか悩みについて理解を示して、そういったものを本当に心の底から設置をしなくちゃいけないという、そういう理解と共通認識を持っていく必要があると思います。  そういったことを地域の中でつくり上げていくために、昨年も開催されていますけれども、女性と災害のシンポジウムというもの、こういったものを継続的に取り組むことによって、なぜ女性のリーダーが必要なのか、女性の視点が重要なのかということを、地域の中で共有して実践につなげていく取り組みを続けていくべきだと思いますが、区の来年度の取り組みを教えてください。 ◎畠山 災害対策課長 私も昨年五月の「災害と女性」を考えるシンポジウムに参加させていただきました。  これは、阪神淡路大震災において女性が置かれた状況を、実際に現場におられた方々から直接お話を伺うことができまして、大変貴重な体験でございました。  シンポジウムには、避難所運営の一助としていただくために、地域振興課を通じまして、地域の町会・自治会等の皆様にもお声をかけさせていただいて、多数参加いただいたような状況がございます。  このような経験を生かしまして、今後も引き続き地域振興課、あるいは男女共同参画担当課等とも連携しながら、地域における意識啓発が進むように、講演会、講習会等の実施を検討してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 あらゆる機会をとらえて、女性の視点で防災・災害対策は必要だということを地域に知らせていっていただきたいと思います。  では次に、指定管理者制度についてお伺いします。  平成十七年度から導入された指定管理者制度なんですが、これは現在、福祉施設や自転車駐輪場、区民会館など五十八施設に導入されている制度です。それぞれの持つ使命によっては、指定管理者制度ではなくて、業務委託などの区直営であるものがあるのではないかということを、生活者ネットワークとしては指摘をしてまいりました。  今回出されました指定管理者制度運用に係る指針の中には、「指定管理者制度の効果が期待できない場合には、指定期間終了後、区の直営による管理とする」というふうに示されました。こういったことが示されたことは評価できるんですが、じゃ、それをどうやって運用していくのかということが問題になると思います。指定管理者のあり方というのをきちんと検証して、一つ一つの施設の持つ使命を果たせるように、こういった制度も、今後活用をしていっていただきたいというふうに思うんですが、例えばどういう場合に区直営に戻すということになるのでしょうか、確認をさせてください。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話にございましたように、今般の指針改正によりまして、一たん指定管理者制度を導入した施設におきましても無条件にこの制度を継続するというわけではなくて、指定期間に合わせまして指定管理者制度の効果について検証いたしまして、効果が期待できないと判断した場合には、区の直営による管理、この中に業務委託も含んでおりますが、そのようにしたところでございます。  今お話しの検証に当たりましては、民間事業者の経営手法や運営ノウハウを活用することで、管理経費の削減、利用者ニーズへのより迅速な対応、区民サービス向上の効果が期待できるか等の観点から、指定管理者制度をそのまま適用するか、区の直営に戻すか、このように判断してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 事業の一年間の内容というのが、今後透明化を図るということで発表されるということですので、そういったところも注視していきたいというふうに思います。  また、この指定管理者制度のメリットを引き出すものとして、利用料金制というのが一つ力になる施設もあるんだと私は思います。指針の中にも、料金収入と維持管理費の均衡が図れ、区民サービスを向上することができる施設には、利用料金制を導入するというふうにあります。この制度をうまく活用すれば、指定管理者制度のメリットを発揮することができると思いますけれども、区は利用料金制を導入する際の利点と効果どのように認識しているんでしょうか、教えてください。 ◎宮崎 政策企画課長 利用料金制の利点、メリットでございますけれども、この施設の利用に係ります料金を利用料金と申し上げておりますが、この管理受託者の収入として扱うことによりまして、施設運営のさらなる工夫を持って一定の支出経費を削減いたしまして、その結果生じます利益を区民サービスの向上につなげていくことが可能という制度でございまして、このようなものをメリットとしてとらえております。  例えばでございますけれども、みどり会館におきましては、区からの委託料なしで、この利用料金収入のみによりまして今運営をしておりまして、区民からのお問い合わせ等に適切に対応するなど、区民サービス向上に向けた取り組みを掲げておりまして、利用率が上がっている状況でございます。 ◆桜井純子 委員 今、みどり会館の例が出たんですが、これは委託料はもらっていないけれども、私がちょっとポイントだと思うのは、公用利用もないということなんですね。  この公用の利用ということについて、最後にお聞きしたいんですけれども、区民会館というところは、利用料金の入らない公用利用が多くなればなるほど、利用料金が減るということになっていきます。指定管理者によっては、利益が上がれば、その区民の施設利用料にも反映したいという考えを持って運営しているところもあって、そういうところも利用料金制度を導入している、区民に対するメリットの一つだと私は思っています。  また、もう一つの公用利用のデメリットという側面というのがあって、区民が利用できる日数が減ってしまうということです。何も指定管理者のやっている事業者だけがデメリットを持っているということではありません。区民会館の抽せんなどに参加をすると、公用、公用、公用というふうに入っている日が多くて、区民自身が利用できるような日数が大変制限されているということもあります。そういった場所に行くと、必ず区民からの苦情というのも目にしますし、耳にしています。こういうことも、公用がすごく入っているということで、区民のサービスも低下していくのではないかと思っています。  ただ、すべての公用利用が悪いというふうに私は言っているわけではありません。聞くところによりますと、公用利用で押さえている中には、例えば、翌日の企画のために道具が入った袋一つを前の日から置いておくためだけに、前の日から施設を二日間押さえているというものだったり、また、施設を押さえておきながら、一週間ぐらい前に突然やらないというようなキャンセルをしてきたり、そういったずさんな利用の仕方というのが、どうも世田谷区側にあるように聞いています。こういったことというのは、職員一人一人のコスト意識というところに大きな問題があるからだと思っています。  もしも区民や民間の人だったとしたら、前の日から押さえていれば、前の日の分の利用料金というのもかかってきますし、キャンセルをしたら、そのキャンセル料というのもかかってくるわけですね。そういったこともあるので、民間や区民は工夫をして最低限の出費に抑えているはずなんです。そういったことをちゃんと区の職員も考えてやっていただきたいと思います。  こういう公用利用のことというのはきちんと精査をして、指定管理者の制度が利用料金制度のメリットをしっかりと区民のサービス向上と区民への利益の還元につながるようにしていくべきだと思いますけれども、区の考えはいかがでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 それでは、指定管理者制度を私どものほうで進める立場からお答え申し上げたいと思います。  今、区民会館の例を挙げていただきましたが、確かに区民会館のほうでも公用利用が多く占めているところがございます。この公用利用が増加した場合に、今お話にございましたように、利用料金収入が減少いたしまして、指定管理者そのものへの影響が出ることが考えられます。指定管理者制度の安定的な運営のためにも、この公用利用につきましては厳格な対応が必要であるということは認識しております。  今後は、今のお話にもございましたように、これまで以上に公用利用に当たりましてのルールを庁内で再確認し徹底することで、公用利用の適正な運用を図るとともに、適切な公用利用情報を指定管理者に提供し調整を行うなど、指定管理者制度の利点を最大限生かしていくよう、効果的な施設管理に努めてまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 指定管理者制度というのはまだまだすごく新しい制度ですので、そういった新しい制度が十分にその目的を発揮して、何よりも区民のサービス、区民の利益が上がっていくように、庁内で内部でしっかりと検証していっていただきたいと思います。とにかく袋一個のために施設を押さえるような、そういった使い方というのはやっぱりおかしいと思いますので、しっかりと検証をして、もしも公用利用が有料だったらという試算もきっちりと行って、意識の改革をしていっていただきたいと思います。  それでは次に、ワークライフバランスと人材育成についてお聞きいたします。  団塊の世代の大量退職とそれに伴う大量採用、そして、そういう状況の中で昇任のスピードも速まっているというような話を聞いています。ますます人材育成というのは、こういった時期になると大事な課題だと思います。あわせて有効な人材活用という点からも、女性の管理職をふやしていくということも同時に大切なことだと思っています。  人材育成の方針の中には男女共同参画の視点に立った職場づくりというのがありまして、その中には、世田谷区職員の半数は女性職員だということが明記をされ、今後の区政運営において、性別にかかわらず、職員一人一人が意欲を持って仕事に打ち込み、その持てる可能性を十分に発揮して、能力・業績本位で評価される組織風土が必要になりますと。その下のほうには、育児休業や出産の休暇などについてもスムーズにとれるように、復職後もスムーズに業務に従事できるようにといったことが、一つの人材育成の視点として書かれています。  同時に、男女共同参画プランなんですが、こちらのほうには平成二十八年度までの目標として、庁内の管理監督的立場に女性が占める割合を三五%まで上げていこうという目標、そして、区の男性職員の出産支援休暇を含む育児休業の取得率を九〇%にしようというものが掲げられています。  現在なんですが、庁内の管理監督的立場にある女性の割合は一五・八%ということです。育児休暇というのは、育児支援休暇という書き方をしているので、もうちょっと緩い制度が入り込んでいるんですが、育児休業の取得というのは、今は一%から二%台で男性はとっているということで、惨たんたる状況です。  こういった目標を掲げたからには、やっぱり達成をしていかなくてはいけない。それは最低限のことだと思いますけれども、それには、まずワークライフバランスの推進の効果ということについて、庁内での基本的な認識があってこそ目標も達成していくんだと思います。  例えば、世田谷区のワーク・ライフ・バランス推進のあり方検討会では、ワークライフバランスを推進することによって職場にもたらせる効果について、検討会のメンバーの、今東レの研究所にいらっしゃる渥美さんからもさまざまな指摘がありました。その中で印象的に残っているのは、職場の中で育児時間をとるために業務の効率化を進めたり、育児休暇を取得するためには、業務について個人の頭の中にやり方が入っているという状況ではなくて、業務手順などをマニュアル化するなど、だれもが業務に携われるように職の一般化が進むということ。それについて職員、職場の力量も上がってくるという相乗効果があることが指摘をされています。  まずお聞きしますけれども、この人材育成方針に書いてあります男女共同参画の視点に立った職場づくりというところについて、区はどのような効果を期待しているのかということをお伺いします。 ◎尾﨑 人事課長 ワークライフバランスの重要性、今日的な意義につきましては、区としても十分に認識をいたしているところでございます。  毎週水曜日をノー残業デーと定めて、庁内放送で定時退庁を呼びかけたり、職員の育児休業や介護休暇の取得促進、超過勤務の縮減などに今までも努めてまいっております。この取り組みの趣旨は、職業生活と家庭生活、地域生活の両立を図る、生活にゆとりを生み出し豊かさを実感することで、職員の業務に対するモチベーションをアップさせ、限られた予算、人員の中で、最大限効果的、効率的な行政サービスを提供していくことにあると考えております。  お話にもございましたけれども、具体的には、例えば育児などで残業のできない職員が勤務時間中に仕事を終えられるような事務改善など工夫を凝らせば、周りの職員にも影響を与えるでしょうし、効率的なモラルの高い職場となり、ひいては、そういう意味での超勤の削減などコスト削減も期待できるような職場になっていくと思います。  そういう意味からも、お話しのとおり、取り組みの趣旨を組織全体で共通の理解として認識し普及させて、着実に推進していくことが大切であると考えております。 ◆桜井純子 委員 こういった視点を持ちながら、まず、こういうワークライフバランスを進めていくためには、職場の環境整備ということも大事だと思っています。  その職場環境整備を支える一つの柱が、管理職の理解とワークライフバランスをぜひとも推進させていこうという意欲だと思います。今課長からおっしゃっていただいた視点をしっかりと持っていただくということがまず第一なんですが、こういった指摘があります。四十代、五十代は子育てを経験していない人が多いということで、ワークライフバランスという子育て支援みたいなところではなかなか理解が進まない。ただ、介護となると身近に感じられるのではないかという指摘があります。  こういったように、個人個人のライフサイクル、ライフイベントに照らし合わせて理解を深めるというような工夫をしながら、職場理解、環境整備に取り組むような研修を進めていくことが大事だと思いますけれども、職場環境整備、今ちょっとお伝えしたような視点に立って、ワークライフバランスの実現のために、研修面ではどのように取り組む考えでしょうか。 ◎中田 研修調査室次長 委員のお話にありましたように、ワークライフバランスの実現に向けては、職場の上司や同僚の理解、協力、支援などが欠かせないことは十分に認識しております。  これまでもワークライフバランスに関連する研修を実施してまいりましたが、今後もいただいたご意見を踏まえまして、男女共同参画担当や人事担当部門と連携して、共催研修の内容をさらに工夫することに加え、職場運営や仕事の進め方に関する研修等においても意識の啓発につながる内容を検討し、お互い思いやり支え合う、職場環境の実現に寄与してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 そして、人材育成方針の中にはメンタリングプログラムの導入という項目があります。これにも私は注目をしています。  平成十二年、十八年に、世田谷区内の企業なんですが、住友スリーエム株式会社というところがファミリー・フレンドリー企業として、厚生労働大臣優良賞を受けています。この住友スリーエムは、女性の管理職をふやすためにメンター制度というのを活用しています。これはメンタリングプログラムの導入というところに合ってくるんですが、一人一人に合わせた育成支援ということで、新人に対して一人の先輩職員がついて、いろいろなアドバイスをしながら人材を育成していくということです。大量の職員を一同に集めて行う研修とは違って、きめ細やかな人材育成の手法だと思いますので、こういったところにもしっかりと導入を考えていただきたいと思います。一応この方針については、メンタリングプログラムを導入するということが明記されていますので、一刻も早い導入ということについて検討を要望しておきたいと思います。  それでは最後に、平和事業について質問をさせていただきます。  先ほど一時から一分間の黙祷をささげましたけれども、きょう三月十日というのは東京大空襲があった日です。十日の未明に三百機のB29が下町を目標に飛んできて、火炎地獄となったその過密地域の中では、罹災者が百万人を超える、そして推定十万人もの人のとうとい命が失われたというふうに言われています。三月十日だけではなくて、東京は百回以上の空襲を受けているんですが、本当に大きな大きな空襲が三月十日にあったということです。  今回、生活者ネットワークから求めてまいりました平和事業の一つとして、来年度は平和都市宣言二十五周年の事業を行ってほしいということを求めてまいりまして、今回、予算が七十六万円ですけれどもついています。この七十六万円なんですが、ショートフィルムなどをつくっている人なんかに聞きますと、ちょっとしたショートフィルムがつくれるような値段だということで、それはそれは有意義なイベントになっていくんだろうなということを私は期待しています。  こういったイベントは、区民の間に平和に対する意識をしっかりと持ってもらう一つのきっかけとすること、また、子どもたちにもきめ細やかに届くような事業にする必要があると思いますけれども、区は、この平和都市宣言二十五周年の事業をどのように行う考えでいらっしゃるのでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 今お話にございました周年記念事業でございますけれども、一つは、従前やっております平和映画祭、さらに実際に戦争を体験された方々のお話を伺う事業を、例年よりも規模を拡大しまして、教育委員会とも連携しながら、より多くの区民のご参加をいただいて実施することを予定しております。 ◆桜井純子 委員 私たち生活者ネットワークは、数年前に沖縄に行って、防空壕となったガマという鍾乳洞の中に入っていろんな体験をしてきましたということも、前の予算特別委員会の中でも報告させていただきましたけれども、やはり機会をとらえて戦争の悲惨さというのを実感していくことはとても大事だと思います。戦争を体験した方のお話を聞くことも大切です。そして、やっぱりそこに区民が大勢参画をしていくということ、つくり上げていくということも大切ですので、一つ要望したいのは、平和都市宣言二十五周年の事業だけではなく、二十六年、二十七年、ずっと同じ規模で大きく続けていっていただきたいと思います。  きょうは三月十日ですので、重ねて要望して、生活者ネットワークの質問を終わりたいと思います。 ○山内彰 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、せたがや政策会議、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 順次質問をいたします。  厳しい財政状況の中で、政策を組み立てることは大変困難なことだと思います。それでも、将来の世田谷に責任を持つ区としては、きちんとした政策を打ち立てていく役割がありますし、政策経営部門はそのための組織だと思います。ぜひとも、頑張っていただきたいものです。  さて、二十二年度の新規政策は何か、まずお伺いをいたします。 ◎岩本 財政課長 二十二年度予算でございますけれども、この前にご答弁申し上げたとおり、三つの最優先課題を重点といたしまして、新規とは銘打ってございませんけれども、認可保育園の本園、分園の二十カ所の整備など保育定員の拡充で三十八億円の増、また学校の耐震改築等で集中的に取り組みをさせていただくということなどが特徴であると考えてございます。  一方、極めて厳しい歳入の見通しを踏まえまして、新規事業につきましては、安全・安心の観点から必要不可欠な事業を基本として取り組むとしたものでございます。この方針に基づきまして、具体の取り組みといたしましては、児童施設への緊急地震速報ラジオの設置、また豪雨対策行動計画に基づく取り組みなど、新たな安全・安心施策を実施することとしております。  さらに、施策の優先順位に照らしまして、着実に取り組むべき新規事業といたしまして、例示となりますけれども、障害児の療育の場への移動支援、うつ自殺予防対策、新たな都市型産業の誘致、また、まちづくり条例改正に向けた取り組み、世田谷型自転車誘導標示の設置、また九年教育における土曜補習等の試行といったようなものにかかわる経費も計上させていただきました。 ◆小泉たま子 委員 私は、地域社会では変わるべきものと変わるべきでないものがあると考えています。区の政策も変わるべきものは変わらなければいけない。これまでの施策事業を充実させていく、これも大切なことですが、待機児問題の保育園増設など、今いろいろ述べられましたけれども、このほとんどが後追い行政です。区長の言われる予防型行政は、新しい政策でこそ実現されるものです。その観点からすると、八十四万大都市世田谷としては、ほとんど新しい政策が生み出されていないということになるのではないかと思います。
     世田谷から東京、そして全国を変えるといわれるその世田谷区として、新しい政策が生み出されていないということは、どこに問題があるのでしょうか。もともと、熊本区長の言われたよどみ、しがらみをなくすということはよかったことだと思います。しかし、もうそのような見直しは議会とともに行ってきたのですから、今さら事業仕分けであったり、政策検証ということは、事世田谷区においては終わっていたと言うべきだと思うのです。今にしてこのようなことが出てくることが腑に落ちません。  きのうも申し上げましたが、今までの議会でのさまざまな議論は何であったのかと。事業仕分けの対象事業になるべきもの、あえて政策検証委員会そのものがもう事業仕分けの対象事業になるべきものではないかと、きのうは申し上げました。  私は、区の行政運営は原則として正しいものと思いたいのです。なぜかと申しますと、区長以下職員の皆様、それこそ日々頑張って仕事をされております。そして、仕組みが国や都とは異なって現場を持っています。その現場からの発想で職員が政策、施策事業をつくり出しています。国とは全く異なりますし、議会での議論、各委員会での論議も、一つ一つの事業に至るまで、その議論をしているわけです。どうして今さら外部評価委員会なり、政策検証委員会なりが開催されていくのか、とても理由づけが難しいと私は思います。  きのうの答弁で、政策検証委員会は、個別の事業仕分けはしない。そして、およそ三つほどのテーマを設定して、委員会において区としての方向性などを議論していただくということでした。そのテーマ選定に当たっては、各会派のご意見、ご提案を踏まえて判断するとのことですけれども、これも一体どういうことかということです。  この委員会は、国で言えば首相の私的諮問機関のようなもので、区長の直属の機関ですから、区長が責任を持ってテーマを決めるべきであって、議会をそのための――何と表現したらいいかわかりませんね。議会軽視というレベルではない。言葉が見つかりません。議会に対してこういうような状況です。さしみのつま、本当に議会軽視だと、私はそういうふうに思うわけです。これも当たらないかもしれない。考えあぐねたんですけれども。  さらに、問題は、きのうの答弁の、区としての方向性を定めていくための基本的な考えをこの委員会が受け持って、その方向性を定めていく過程において、議会からのご意見、ご提案も踏まえていくとされたわけです。そういうふうに答弁されましたからね。  この話では、この委員会が区の方向性を打ち出して、議会は何とその正当性を確認するための手段に使われるというふうにも思われます。  厳しい財政状況の中、区としての施策の方向性を決めていくためには、組織や制度の枠組みにとらわれない外部の視点は確かに必要でしょう。つまり、それは区長の言われるよどみ、しがらみをなくすことです。でも、そのよどみ、しがらみゆえに事業の見直しができない、新しい政策ができてこないとしたら、まずは行政の内部でみずからを見直すべきです。みずからを見直す過程において、また人任せにしようとする姿勢が見える。これが、私はとても残念でなりません。この政策検証委員会開催に当たっては、いろいろきめ細かな資料づくりも行うときのう言われたわけですが、新たな委員に向けてさまざまな資料づくりに努力するよりも、政策経営部門の職員には、本来業務である政策や業務、事業の区政の方向性、そのものを日々考えていただきたいものと私は思うのですが、これらのことについてのお考えを伺います。 ◎宮崎 政策企画課長 今委員からいろいろご発言いただいたわけですけれども、まず、議会の関係におきましては、決して私どものほうではそのような理解はしていないということを申し上げたいと思います。  この間、この政策検証委員会の案をつくりまして、私どもの考えなりを会派のほうにご説明を申し上げてきたわけでございますが、その際に、私どものほうの今のプランニングについて、いろいろ考え方についてご示唆をいただきたいという趣旨の中で申し上げたつもりでございます。  したがいまして、特にその中でもご説明しました一つのテーマ設定につきましては、ねらいとしまして、二十三年度予算と中長期、横断的な課題を対象に進めたいという観点からは、一応案をお示ししたわけですけれども、そういうことであれば、例えばこういうテーマはないのかというご指摘もあるんじゃないかということで申し上げてきたつもりです。  それから、委員の構成におきましても、私どものほうで考えたなりの案をお示ししたわけですけれども、これについてもいろいろアドバイス等をいただければという思いでこのようなご提案をしたわけでございまして、決して議会との関係上の中で、今お話の中でそういう表現も見つからないというお話がありましたが、軽視とかそういうものではないんじゃないかと思っております。  それから、進め方の部分におきましては、やはりこれだけの時代情勢の中で、外部の方から、今般も外部評価委員会、今回またさらに政策検証委員会という形での外部の方からのいろいろな目で見ていただくということについて、私どもとしては、非常に有用な機会をいただけるんじゃないかと思っていまして、これらの部分についての物の進め方として、いわゆる個々の事業仕分け的な方向ではなくて、題材をテーマにいろいろご議論をいろんな角度でいただいて、それらを受け取って一つの方向観みたいなものについてからは、議会のほうとご議論いただきたいと思っているところでございます。 ◆小泉たま子 委員 このことはとても大事なことです。きのうも申し上げましたけれども、よく区として考えていただくことといたしまして、きょうは企画総務委員会ですから、一歩踏み込んだ質問をさせていただきます。世田谷区の大きな問題は、先ほどから申し上げましたけれども、新しい政策が生み出されていないということにあると思うんです。今回、一般質問に対する理事者の答弁で、所管としての財政当局に対する説明不足で予算が獲得できなかったということがありました。これこそ不思議なものだなと思ったんですけれども、予算は議会で議決するもので、必要かどうかは議会やその予算特別委員会で十分に論議するべきことで、それが所管と財政当局がやりとりして、その結果は外部評価委員会になって、それで政策検証委員会が検証するということでは、全くもって区民の代表である議会の役割は何なのかと、ここでも思わないではいられないわけです。  きのうの区の考えを聞いていますと、先ほど申し上げましたように、新しい政策は政策検証委員会から出てきて、その案が出てきたら議会にちょっと聞いてみて、その反応を見て区としての新しい政策を打ち出す、こうも聞こえたわけです。その新しい政策は区の内部から出てこない。そして、所管が必要と思ったものも、説明が不足だといってカットされる。これでは世田谷は一体どうなっていくんだろうと思うわけです。  そこで、お聞きいたしますけれども、新しい政策がこのところ生み出されていないと、これはなぜだと思われますか。 ◎宮崎 政策企画課長 新しい政策のスキルを、多分、今の委員のお話ですと、非常に大きな取り組み、いわゆる区政の将来に向かっての方向観についての新しいものが見えてこないということだろうと思っておりますが、私ども政経部門といたしましては、実施計画のまず着実な進行を図ってきていると思っております。その中でも、特に安全・安心の取り組みを初めといたしまして、保育サービスの待機児解消の子育て支援、さらに農業振興を含みますみどり33の取り組みなど、各計画も各所管部のほうからさまざまに打ち出しているものもあれば、緊急的な対応として二十年度から取り組んでいます緊急総合経済対策、これらについても必要不可欠な形で、限られた財源の中で新たな展開を図っているところでございます。ただ、二十二年度予算におきましては、緊急見直し方針に基づいた自主計画事業の休止、抑止を図っているということもございます。引き続き、二十三年度以降のことについて財源不足の点もございますが、将来目標の実現を図るため、鋭意努力してまいりたいと考えております。 ◆小泉たま子 委員 来年度の予算要求については、原則として新規事業を認めないというような話もちらっと伺ったんですが、これが本当の指示かどうかは別として、新規事業を凍結するという考えそのものが非常に後ろ向きに聞こえます。現実、区民の生活は日々変わっております。区役所とは、好き嫌いにかかわらず、地域の現実を直視して最善の対応を速やかに行うと、これがやっぱり仕事だろうと思うんです。地域が一体どうなっているのか。すべての問題は現場にあるはずで、改善のきっかけも地域にあるはずです。そうなのですから、既存の事業の仕方を変えてでも、日々の地域の環境の変化に合わせて新しい事業をつくり出していかなければならないのではないでしょうか。私は何もお金をそこに使いなさいと言っているのではありません。私たち家庭の中でも、苦しくなったら、創意工夫をして何とかここを切り抜けようと思います。苦しくなったら、何にもしないでじっとしている、これは違うと思うんです。皆さんも家庭に置きかえて想像してみてください。  とにかく毎日生きていかなければならないわけですから、そのような中でもありとあらゆる知恵を出して、家族が元気に、明るく、しかも、そこに夢を持って生活できるかを工夫するわけです。こういうことだと思うんです。それなのに、新規事業をまず凍結といったら、もう何にも考えるなということではないかと思うのです。  もし、新規事業を考えなくてもいいということで助かったと思う職員がいたら、その人の人生にとってももったいないことでありますし、これは区政にとっても損失です。きのうの総括質疑で、ほかの会派から地域主権を担う職員の人材育成をすべきという質問に対して、区はさまざまな育成を行うと答弁されました。興味深く伺いましたが、その中で、政策経営部門の目玉事業のはずの職員提案制度のお話が出てきませんでした。総務と政策経営は違うのかもしれませんけれども、この職員提案制度は、政策経営部門がこれを充実させていこうとしているもののはずですが、これがまた私は問題だと思うんです。職員提案は、組織に関係なく提案することができます。政策経営部門が後押しをしているわけですが、では、一体、本来の組織は何をしているかということです。  世田谷区では、職員の政策形成能力は、これは組織と違った提案制度によって、組織とは関係なく政策経営部門が活性を図っていくというようにも思えるわけです。そのあらわれが、所管からは新たな政策が出てこない。職員提案制度は充実させ、直接の政策提言を政策経営部門が受け付けるというとっても変な形になっています。いつも申し上げるように、世田谷区の特色は、国や都とは異なるところは、現場を持っているということです。現場の職員から、日々の仕事を行う上での問題点を考えて政策が提起されて、それを組織がきちんと持ち上げて正式なルートで区の政策になっていく、これこそが私は望まれる仕組みだと思うんです。  あのトヨタでさえ、現場からの意見が通らなかったと、社長がみずから非常に反省しているわけです。職員提案は、本来の組織でしっかりと把握して区の政策に形づくられていく、一人一人の提案は通常のルートでしっかりと受けとめられているということを職員全体に表明すべきだと思うんですけれども、区のお考えを伺います。 ◎板垣 政策経営部長 今、委員からいろいろるるお話をいただきました。  先ほど新規事業も認めないということがあったということもございますけれども、二十二年度当初予算編成に当たりましては、当然各部からいろんな要求をいただきました。その中には、各部からもいろいろ二十二年度に新しい事業をやりたいというのも当然出てきております。ただ、しかしながら、今の財政状況の中では、大変厳しい状況がありましたので、一つは安全・安心という物差しにおいては、それを査定していく中、または区長のご判断をいただきながら、そういう形で予算編成をまとめたということでございますので、組織のそれぞれが新規事業を何も考えないということではないということはちょっと申し添えたいと思います。  それから、今職員提案のお話がございましたけれども、職員提案につきましては、自分の組織だけのことをいろいろその組織の中で提案していくということも当然あります。ただ、そういう中で、広い目でまた区政全体についていろいろ提案をしていただくということも、一つの我々区政を担う中でそういう職員の新たな提案をしていくということは有意義であろうと思いまして、そういう制度は活用していきたいということを考えています。  それから、もう一点。政策検証委員会でございますけれども、そこが新たな政策をつくるということではなくて、先ほど委員がおっしゃったように、いろんな施策を日々見直さないといけないということがあるわけですので、その見直す一つのツールとして、政策検証委員会という、いわゆる外部の目からどのようにそういう我々が日々やっている施策が、どんなところにもう少し改善する余地があるのかというのをご提言いただく。それは、議会からももちろん日々いただいているわけですけれども、そういう専門的な知識を有する方も含めまして、そちらからもいただいて、その中で二十三年度予算ですとか、中長期的な課題について見直していかないといけないところを我々改善していきたいと考えているところでございますので、そういう意味で、ちょっと誤解をいただいているかもしれませんけれでも、方向性は同じだと思っているところですので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆小泉たま子 委員 職員提案ですね。単独でそうやって広い意味でということもわかりますけれども、しかし、やはり組織の中で一緒に仕事を一つに向かってやっているチームとして、そこでもってしっかりとみんなで考えて提案していくというのは、その人の将来においても私はとてもいいと思うんです。私はちょっと違うのではないかと。長い目で見たらその人のためにはどうなんだろうかということを危惧いたします。  次に、移ります。  ここで今もありましたが、先日の一般質問と同様に、所管の説明不足などで財政当局がカットしたもののうちで、今いろいろありましたとおっしゃったけれども、実は非常に有効だったという事業があるのではないかと思います。どのくらいの新規の政策が所管から提出されたのか興味深いところですので、これらのことについて当事者の財政当局はどのように考えているか。全く時間がなくなって申しわけないんですが、お願いします。 ◎岩本 財政課長 先ほど申し上げましたように、予算の全体状況の中で、一定の緊急性等の尺度から新規事業について抑制を図ったところでございます。  各部との調整の結果計上を見送ったものは種々ございますけれども、有効かどうかという意味では、区として実施計画、教育ビジョン、子ども計画等、それぞれご議論いただいてつくってきた経過がございますので、そういったものに基づいた施策はさせていただいているところでございます。ただ、例えば、税啓発イベントであるとか、公共施設の緑化というようなご提案にかかわる予算については計上を見送ったという経緯がございます。 ◆小泉たま子 委員 新規に政策を組み立てるということについて、政策研究担当部門の役割について伺おうと思ったのですが、時間もありませんので、この政策研究担当部門の名前のとおりに政策を研究するというのが役割でしょうけれども、この政策研究はしっかりやっていただきたいという気持ちを持っておりますので、どういう役割になるかお聞きしたいと思ったのですが、これからの仕事ぶりを見ていきたいと思います。頑張ってください。  以上で終わります。 ○山内彰 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十四分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時十一分開議 ○山内彰 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  社会民主党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 社会民主党から、企画総務領域での質問をいたします。  さきの一般質問に次ぎまして、公共サービスの提供下における区の役割について、最初に、一般論で幾つかお聞きしておきたいと思います。  もともと公共サービス自体は、家族や地域の支えで行われてきたと。育児だとか、保育だとか、介護だとか、そういうのを含めまして、行政が実施する前はそういう歴史があったかと思います。しかし、個人や地域で行い切れない、そういうサービスを逆に公共が担うようになってきたというのが事実かと思います。  昨年五月に制定されました公共サービス基本法の内容については、先ほど民主党の西村委員から詳しく触れまして、大変詳しく報告されていましたので、内容につきましては一切触れません。ただ、ここで言われております良好なサービスの提供や質の確保、この点については、いわば行政の役割だということが言えるかと思います。  そこで、公共サービスの提供主体が、実際には今行政の手から幾つか離れている、民間事業者や市民活動団体にゆだねられているわけでありますが、そうした中にあって、公共サービスの実施主体、これはあくまでも国や自治体にあると考えるわけですが、まず、この点についての区の認識を伺いたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 今、家族、地域で支えられる、そういう姿のお話もございましたが、この間、多様化する区民ニーズや地域課題に対しまして迅速かつきめ細かく対応していくという観点に立ちますと、やはり区民活動団体ですとか民間事業者の持つ専門性やノウハウを積極的に活用していくことが不可欠でございまして、民間でできることは、極力民間というスタンスでございます。  一方で、区民に安全安心で質の高い公共サービスを提供することは、これまた行政の責務でございまして、公共サービスの担い手といたしまして、区民、事業者の役割が高まる中で、区民活動団体の自立支援やサービスの質の確保に向けた事業者への指導助言など、行政の果たす役割がますます重要になってきていると認識しております。 ◆羽田圭二 委員 それで今、最後のほうで言われた役割という点ですね。その意味では、特にこの事業者の参入が早く進んだ福祉分野では、そうした役割だとか責任だとか、一定程度明確にしてきた、そういう対応が一定とられてきたというのも事実だと思います。  そこで第一に、公共サービスを提供する活動団体や事業者への行政としての支援体制のあり方、ここは大事だというふうに思うんです。公共サービスの運営主体が行政の手から離れたとしても、あくまでも良好なサービスの提供と質の向上の確保には行政の支援が一定欠かせないと私は考えるんですが、その点についてお聞きします。 ◎宮崎 政策企画課長 今、福祉分野のほうのお話もいただきましたが、ご案内のとおり、保健福祉サービス苦情審査会での苦情相談を活用したサービスの向上、施設への第三者評価の推進によるサービスの質の確保などに努めております。先般はサービスの質の保証システムの確立に向けての報告をいたしたところでございます。そういう意味でも、この先の区民サービスの向上を推進していく立場では、事業者への指導助言や苦情対応、人材育成支援など、行政としての役割がますます重要になってくると認識しております。  一方、その他の分野ということもお話がございましたが、公共サービスの貴重な担い手でございます町会・自治会やNPOなど区民活動団体の組織力の強化や自立支援に向けた支援も行政の重要な役割と認識しておりまして、地域の絆再生支援事業を初め、活動団体に対する補助金の交付などさまざまな支援を行っているところでございます。  引き続き区民に対しまして良好な公共サービスを提供していくため、区民、事業者との協働を推進していくとともに、行政として適切な支援に努めてまいります。 ◆羽田圭二 委員 申しわけないんですけれども、答弁はできるだけ短目にお願いします。うちの会派から大変時間がだんだん短くなっていきますから、最後、自民党は長くなりますけれども、その点をご了解いただきたいと思います。  その次は、利用者が公共サービスを受けた際に損害をこうむったような場合、行政としての責任の範囲を明確にしていく必要がある、こういう考え方が出てきているかと思うんですが、その点についてお聞きしておきたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 先ほどございました公共サービス基本法の八条においては、行政が委託をする際のことの定義はございますが、そこにも書いてございますように、区と事業者とであらかじめ責任の所在を明確にしておくことは、利用者の方に対します責任ある対応を図ることで不可欠だと考えております。  今後も、区と民間との協働に当たりましては、あらかじめそれぞれの役割分担、責任分担を十分に協議した上で、利用者の方に責任の所在を明らかにできるような形で進めてまいりたいと存じます。 ◆羽田圭二 委員 次に、公共サービスの良質な提供をしていく区の役割ということで、要するに二十二年度予算との関係で少し具体的な話も含めてお聞きしておきたいと思います。  一つは、人件費の抑制ということでうたわれているわけですが、この点は、かねてから申し上げておりますように、人材の確保の困難さを含めまして幾つかの弊害について、その改善が欠かせなくなっているのではないかと思います。先ほど以来、非常勤との関係とか、実際の長期病欠者の数だとかそういったことも取り上げられておりますが、その点を踏まえる必要があるという考え方であります。  第一に、現在の厳しい経済状況や公共サービスの需要の高まりから、良質なサービスを提供していくためには、福祉分野を初め人材の確保が必要不可欠になっていること、それから二つ目は、先ほど出ておりましたが、長期病欠者、休職者の増大など、職員の生命と健康維持上の観点からも人員削減は限界に達しているということです。  この数は、先ほど課長のほうから報告がありましたけれども、二十年度で長期休職者が六十八名で、メンタル系が五十七名だという報告がありまして、平成十一年の数が、長期休職者が二十八人で、その当時、メンタル系の方がそのうち十四名だった。その数から見ますと、非常に増加傾向というよりは、年々そうした数がふえているという状況にあったかと思うんですね。  その意味で、これは以前にも伺ったことがあるんですが、内部努力としての人件費の削減の限界性について、その区の認識について伺いたいんですが、この点はいかがでしょうか。だれも答える人はいないですか。◎尾﨑 人事課長 人件費の占める割合で財政の硬直化を招くということはずっと言われていることでありまして、それについては、人件費を削減しながら、最小限の費用で最大限の効果をねらうということは絶えず意識していかなければいけないものです。以前に現業系職種の年齢構成とかを見まして、削減のスピードについては、従前のようなスピードでいけるかどうかというのは検証しなければならないと申し上げましたが、あくまでも民間にできることは民間に、それから人件費の削減をずっと命題として求めて人事行政をやっていくという姿勢には変わりはございません。 ◆羽田圭二 委員 聞いていない話なので、それはあれなんですけれども。  次に、先ほども幾つか出されておりました非常勤職員と正規職員の比較といいますか、私のほうは均等待遇、同一価値労働同一賃金の視点から改善が必要だという視点です。  その点について、このパネルを使って、余り時間がありませんので、簡単に報告しますが、主な休暇制度が一番左側にございます。真ん中が職員、そして一番右側が非常勤というふうになっていますが、丸はもうちゃんと制度がしている、有休ということです。しかし、三角については、制度自体はありますが、残念ながらまだ無給の扱いになっているということです。この意味で、これをすぐに解決しろとか改善しろとかいうことではなくて、現状はこういうふうになっているということをまず認識しておく必要があると。言いかえれば、均等待遇、同一価値労働同一賃金の観点からはこうした改善が、この表をぜひ丸にしていくことが問われているということを言っておきたいと思います。  この間の生活者ネットワークの一般質問の中で、部長のほうから答弁がありまして、世田谷区における非常勤職員数は千八百九十一名で、うち女性が千五百七十六名いらっしゃる、八三%を占めているんだというお話がありました。  そこで最近、文京区におきまして非常勤職員の育児関連の休暇制度が大幅に拡充されるということが伝えられているわけですが、世田谷区においてそうした積極的な取り組みを今後考えているかどうか、その点についてお聞きしておきます。 ◎小田桐 職員厚生課長 非常勤職員の福利厚生、休暇等につきましては、職責を初めまして、勤務日数、勤務時間など勤務形態を踏まえて制度化を図るところでございます。  お尋ねにありました育児休業、介護休業、その他の事業につきましては、平成十五年度以降随時導入しているところでございます。今現在は、妊婦の通勤時間、母子保健健診休暇等について、その必要性等について検討していきたい課題であると認識しております。 ◆羽田圭二 委員 そしてもう一つは、先ほど以来出されております公共サービスに従事する者の労働条件の向上の課題なんですが、その中で問われている課題は、委託先の労働者の賃金など労働条件について、これを落札条件にしていくなどのことが考えられているわけですが、これまでの改善点、仮に進める場合の障害はどこにあるのかをお聞きしておきます。 ◎岡田 経理課長 私どもとしましては、公共調達におきまして、従事する労働者の雇用や労働条件が適正に確保されることは大切なことであると認識しておりまして、入札制度の運用に当たって適正な競争環境の確保に配慮したいというふうに考えているところです。  区の発注する競争入札におきまして、今お話しの賃金や労働条件を条件とすることにつきましては、現行の法令上許されている制度では総合評価競争入札がその方法となろうかと思います。この入札におきまして、政策実現の誘導策として、賃金や労働条件など価格以外の評価項目を設定することにつきましては、具体的に何をもって評価するのか、比重をどうするのかといった点につきまして客観性、納得性が重要だと考えております。また、品質に直接関係しない事項を評価する場合には、価格や品質に大きな影響を与えないよう十分考慮する必要があると考えてございます。  総合評価競争入札につきましては、今後試行を重ね、他団体の動向も注視しながらそのあり方を検討してまいりたいと考えてございますが、ご指摘の件につきましては、申し上げたような点が課題になろうかと思います。 ◆羽田圭二 委員 いずれにいたしましても、非常勤職員の問題、実際に区が公共事業として、それぞれ区内の事業者を含めてお願いする、そうした事業者で働く方々の労働条件の問題、これらについては、今後も改善をしていかなければならない、そういう課題であるということをつけ加えておきたいと思います。  最後になりますが、ことしは平和都市宣言二十五周年ということで、先ほど生活者ネットのほうからも、具体の式典のあり方等、区民参加のもとで実施されたいということが言われていたかと思います。そうしたことを含めまして、今後の、その一環ということも言えるかと思いますが、既に加盟に向けて準備が進められているとされております。  この間、広島市長、長崎市長の呼びかけによる平和市長会議への加盟を確実なものにしていくことを、私ども社民党としては要望するわけですが、この点についての区の考え方、特に二十五周年、それから、東京大空襲から六十五年というこの節目の中での考えについてお聞きしておきたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 平和市長会議は、現在、国内で六百十二自治体が参加しているということです。先般、二月ですけれども、この会議体に対する加盟の依頼を区のほうでいただいているところでございます。この件について、先般、区長のほうにご報告しまして、区長の指示によりまして、加盟に向けた準備を進めているところでございます。 ◆羽田圭二 委員 その平和都市宣言二十五周年という節目の年に、ぜひ加盟を進めていただきたいということを重ねて申し上げまして、社民党としての質疑を終わらせていただきます。 ○山内彰 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 安全安心のためにいろいろ頑張るというのが区長の公約なわけですけれども、学校の耐震などは進んでおりますが、学校の安全あるいは給食の安全、そういったものについてどうなっているか、お聞きしたいと思うんです。  まず、給食法が改正されて、「義務教育諸学校の校長又は共同調理場の長は、学校給食衛生管理基準に照らし、衛生管理上適正を欠く事項があると認めた場合には、遅滞なく、その改善のために必要な措置を講じ、又は当該措置を講ずることができないときは、当該義務教育諸学校若しくは共同調理場の設置者に対し、その旨を申し出るものとする」というのが法律の条文なんです。これによって基準は守らなければいけないというふうに考えるんですけれども、それはいかがでしょうか。 ◎志賀 区政情報課長 お話にありましたとおり、学校給食法第九条によりますと、文部科学大臣が学校給食衛生管理基準を定めるものとするといたしまして、第二項では、学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者は、この基準に照らして適切な衛生管理に努めるものと規定されてございます。したがいまして、学校給食を実施する学校の設置者は、この学校給食衛生管理基準に基づきまして衛生管理を行う努力義務があるものと解されます。 ◆木下泰之 委員 それで、実際に去年の四月一日から施行されたわけですけれども、教育委員会のほうから学校設置者に対して改善してほしいと予算要求等はありましたでしょうか。 ◎岩本 財政課長 予算要求は、所管部からの要求がベースになるわけでございますが、学校改修経費として全体で十一億円ほど計上してございますが、給食室そのものの計上については、教育委員会とのやりとりでは、調整の中で実際には具体のものは計上してございません。 ◆木下泰之 委員 非常に問題だと思うんですね。  それで、ことしの一月十五日に文科省が学校給食における衛生管理対策に関する状況調査を行いまして、二月十五日にこれを東京都を介して上げているわけですけれども、これですと、施設について問題がないというふうに回答しているわけですよ。そうしますと、改善する必要がないということになってしまうんですけれども、しかし、実際は違うわけですね。内部文書なんかを見てもいろんな問題点が指摘されています。  そうしますと、例えば松原小学校などで起こったこと、給食室についても非常に問題があると。これは調理員あるいは管理栄養士にもノロウイルスが出ていますから、それが二次感染のおそれがあるということは事実ですので、そうすると、やはりそれを変えていかなきゃいけないと思うんです。  ところで、教育委員会は私の質問に対して、単なる努力義務だと言って、しかも、実態調査もしないまま放置している。これですと改善もままならぬわけですが、これについては、例えば危機管理であるとか区長部局としてはどのように考えているんでしょうか。 ◎岩本 財政課長 学校給食設備につきまして望ましい基準を達成するためには、設備面などの大幅な改修であるとか調理スペースの確保が必要になることから、学校改築や大規模改修の計画との整合を図りながら進めさせていただければと考えてございます。  昨日もご答弁があったかと思いますが、教育委員会としましても設備改修工事に計画的に取り組むということにしておりますし、特に運用面で留意をして対応させていただきたいということだと思っております。 ◆木下泰之 委員 いいですか、衛生管理上適正を欠く事項があると認めたときには、遅滞なく、その改善のために必要な措置を講じ、または当該措置を講じることができないときは、当該義務教育諸学校、もしくは共同調理場の設置者に対し申し出るようにするとなっているんですよ。そういう申し出がされていない、放置されているわけですね。当該の教育委員会がそういう措置をしていることについて、これは違法措置だと思うんですよ。努力して、こういう問題があるんだということを表ざたにして、それをどうしようかといって検討する分にはいいと思うんですけれども、努力もしていない。  例えば耐震基準なんかについては、これは守らなければいけないんですか、努力義務なんですか、どうなんですか。 ◎岩本 財政課長 学校におきましては耐震基準を満たすように、平成二十一年度全体で改修工事は終了するものと考えてございます。 ◆木下泰之 委員 あわせて、これは学校給食だけじゃなくて学校衛生基準も同じ、二十年の法改正でかなり厳しくなっているんですよ。この衛生基準も改築のときにあわせてちゃんと対応していますか、それはいかがですか。 ◎岩本 財政課長 中町小、玉川中以降については基本的にクリアしているというふうに聞いてございます。いずれにしましても、トイレの改修であるとか屋上の防水工事といったようなことで、学校それぞれ改築・改修需要がございますので、その中で計画的に整備をさせていただければというふうに考えてございます ◆木下泰之 委員 これは法律の中にも書いてあるんだけれども、そういう改築などをするときには、保健所等と相談しなければいけないというふうになっているんです。ところが、どうも保健所に聞いても、例えば給食施設とかについても、それほど変えなければいけないような見解を持っていないようなんです。  これは全体の問題として、どのみち学校の改築の問題もあるし、これから給食室だって改築していかなければいけないとすれば、これは夏休みを利用してやらなきゃいけないわけですよ。そうすると、早急に、今の段階で予算要求が出ていなければ、これはなかなか難しいということになりますので、これは子どもを守るためもあって、教育委員会のほうがそういう姿勢であるのならば、区長部局のほうがそういったことについて心を使っていただいて、どうなのか、査察してくださいよ。それはいかがですか。 ◎岩本 財政課長 教育委員会としては、計画的な整備、かつ運用面での十分な対応ということで取り組ませていただきますが、今後とも教育委員会事務局、保健所と十分協議しながら、計画的に対応させていただければと思っております。 ◆木下泰之 委員 インターネットを見ていましたら、学校給食ニュースという業界関係のものが二〇〇三年の六月にこういうことを書いたんですね。「旧基準の汚染作業区域、非汚染作業区域の区分は、同じ調理場で床の色分けや衝立などによって分けるという内容でした。この基準は、現実の衛生管理にどれだけ役立つのか、疑問も多く、旧基準が行政的なとりつくろいでしかないことを明らかにするような内容でした。これに対し、新基準では、検収室の設置や汚染作業区域、非汚染作業区域の区分の基準により部屋単位で区分することが求められ、多くの自校式調理場や老朽化したセンターでは改修や増築が必要になっています」というふうに書いてあるんですね。そういう問題があることをきちっと認識していただいて、これはやはり厳しくやってください。
    ○山内彰 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、区民の会、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは、質問してまいります。  国では、二回目の事業仕分けに向け動き出しております。国は、ご承知のように議員内閣制でありますので、執行機関としての立場もあり、議員が事業仕分けの仕分け人になっております。  一方、地方自治体は二元代表制であり、国の体制とはおのずと違いがあるのは当然であります。地方自治体での執行機関と議会の役割を混同されている方もいらっしゃるようでありますが、見識の違いであると思います。  さて、世田谷でも国での事業仕分けに触発されて、議会でも実施の要望等がありましたが、特定のNPO法人が関与していることもあり、NPOの宣伝マンになっても仕方がありませんので静観をしてまいりましたが、今般、区も世田谷型の事業仕分け実施に向け政策検証委員会を設けるとのことでありますので、私も質問と意見を述べさせていただくことといたします。  この間、既に事業仕分けを実施、市民ばかりか、すべての方に一般傍聴も公開して実施された滋賀県の草津市を調査いたしました。ここも特定のNPO法人が関与しておりましたが、事業仕分けには欠くことができない情報の公開と第三者評価には多くのアイデアがあり、参考になるものでありました。  まず市民参加です。草津では市民による積極的な参加を促す意味から、市民を無作為に二千名抽出し、その方々に応募の声をかけ、それに応じた方々から抽せん方式で市民判定人六十人を選んでおります。  さて、これと比べますと、世田谷区の政策検証委員会は評価される側が評価する仕分け人を選ぶということですから、公平公正な評価ができるのか、極めて疑問であります。  草津市のような手法を取り入れることはできないのか、また、委員構成は学識経験者を含め十一人程度とするとのことでありますが、他自治体の職員など、行政施策に詳しい方で、当区の政策決定に関与していない方を加えることなども考えられますが、いかがでしょうか。 ◎宮崎 政策企画課長 政策検証委員会の案を既にお示ししておりますけれども、今おっしゃっている他自治体の事例につきましても、市民参加を重視するという観点に立ちまして、そのような対応をしているものと思っております。  私どもといたしましても、委員構成の中には区民参加をいただきたいということが一点。さらには、今般のこの政策検証委員会については公開方式をしていきたいということでは通ずるものもあろうかと思っています。  なお、行政の詳しい方という観点につきましては、この間の議会のご意見等をいただきながら、最終的に判断をさせていただければと思っております。 ◆あべ力也 委員 また、対象となる事業の内容や背景をよく理解した人が仕分けを行うことが必要との意見を外部評価委員会からもらっているとのことでありますけれども、それは間違いだと思います。全く予備知識のない方に、担当の行政マンが事業の必要性をプレゼンテーションして説得するのが事業仕分けで、まさによどみ、しがらみを排するには、関係のない方が行うべきだと思います。  いずれにしても、最終的な決定は首長と議会にゆだねられるわけでありますから、もっと自由な議論や結論を出せるようにすべきであると考えます。その点については要望しておきたいと思います。  ところで、世田谷区は、二十二年度の予算編成においても事業仕分けを行ったということでありますけれども、今般の仕分け人はだれだったのか、お答えをいただきたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 仕分け人というお尋ねについて、仕分け人ということではございませんが、当然のことながら、今般ご提示しております平成二十二年度当初予算案につきましては、区長の判断のもとにやっております。なおかつ、今般につきましては、こういう財政状況を踏まえまして二度にわたります緊急見直し方針を出す中で、それぞれ指示をいただきまして、各所管部からの部分の要求を、最初に区長査定を経て、このような予算案をまとめたところでございますので、区長ということが言えるかと思います。 ◆あべ力也 委員 普通は仕分けを受ける側の区長が、今回は仕分け人をやったということでありますから、今般の仕分けは一つ一つの事業での意思決定過程が不明確で、透明性があるとは思えないわけですけれども、透明性の確保ができたのかということでどのようにお考えなのか、見解を伺いたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 今ちょっと申し上げましたが、この財政状況を含めまして二度にわたる緊急見直し方針をお出しになっております。これにつきましては、その時々におきまして、議会のほうにもご報告を行ったところでございます。これらの中で何を優先的にすべきなのか、何を重点課題にするのか、さらにはどういう観点で歳出削減に臨むのかというのを個々に示しているところでございまして、これらの部分につきましては、予算編成過程におきます透明化が図られているものというふうに認識しております。 ◆あべ力也 委員 さて、今後、自治体においては民間と同様にガバナンスの課題というのは避けて通れないものだと思っております。さまざまな課題が起こる前から、区民とともに考えていくということが不可欠となってきていると思われます。その意味からも、政策形成過程での透明化というのは、今後の自治体運営には欠くことができないことだというふうに思いますけれども、その見解と今後の方策を伺いたいと思います。 ◎宮崎 政策企画課長 区では、基本計画の基本的考え方に基づきまして、区民、事業者等との協働を推進するために、計画の策定や推進状況などについても広く区民に周知し、情報や課題の共有化に努めているところでございます。  政策形成過程におけます透明化につきましても、この協働を進める観点からも非常に重要な観点であると思っています。区ではこの間、パブリックコメントや意見聴取等を行うことによりまして、区民の皆さんからの意見、提案をいただきながら、それぞれの施策等について固めていく方法をとっているところでございまして、そういう意味では、政策形成過程の透明化を進めているところだと思っております。 ◆あべ力也 委員 先ほども申し上げましたけれども、自治体は二元代表制でありますから、仕分けに関しても、議会が独自の判断でやるということも可能なわけでありまして、今後、いろんな考え方で透明性を図っていくことが必要だと思いますので、よろしくお願いします。 ○山内彰 委員長 以上で区民の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 本日は、職員の超過勤務に関して伺ってまいります。  一昨年秋の決算質疑で、私からは庁内の過剰な超過勤務について取り上げました。平成十三年十二月に国が出した通達によれば、過労死の認定基準には二つのボーダーが示されています。一つは、発症前の一カ月に月百時間以上の残業をした場合、もう一つは、発症前二カ月間ないし六カ月間にわたって月平均八十時間を超える残業をした場合です。  質疑の前年度、十九年度分について、総務部にデータを求めたところ、次のようなデータがわかりました。十九年度に月八十時間以上残業した職員のいた職場は、人事課、学務課、教育指導課、選挙管理委員会事務局の四課で、延べ八十五人。このうち、一カ月だけで過労死認定基準をクリアする月百時間以上の超過勤務者のいた職場は、選挙管理委員会の延べ七十二名ということでした。ちなみに、一カ月間の超過勤務の最多の数字は、同じく選管職員の二百三十九時間ということでした。  さきの質疑では、これで職員が倒れたら、区はどう責任をとるのかということをお伺いしたんですが、区の見解は、超過勤務の多い職場に対しましては超過勤務改善報告書を提出させまして、各職場の実態に合った具体的な取り組みを促している。もう一つ、過重労働対策の実施の徹底を図ってまいりたいというのがご答弁だったんですね。  そこで伺いますけれども、さきの質疑から一年半、状況はどのように改善されたのか。過労死認定基準を物差しに、所属課、そして人数、さらに残業時間数を整理の上、現状をご報告いただきたいと思います。 ◎小田桐 職員厚生課長 まず最初に、過去五年間の推移で申し上げますと、職員一人当たりの平均超過勤務時間は、現在、おおむね年七十時間前後で推移してございます。  お話にございました月八十時間等の基準で申し上げますと、平成二十年度におきましては、月八十時間以上超過勤務をした職員のいた職場は、情報政策課、奥沢のまちづくり出張所、総務課、職員厚生課、区民健康村・ふるさと交流課、介護保険課、工事一課、工事二課、学校職員課、教育指導課、区議会事務局、選挙管理委員会事務局、以上十二カ所で、延べ三十二名ございました。  このうち、百時間以上の超過勤務をした職員のいた職場は、総務課、工事一課、工事二課、教育指導課、区議会事務局、選挙管理委員会事務局、以上六カ所で、延べ二十四人でございます。一カ月の超過勤務の最多は選挙管理委員会事務局の職員百六十二時間でございました。  お話にございました十九年度と比較しますと、月八十時間以上は五十三名、百時間以上勤務した職員は四十八名の減少となっております。 ◆上川あや 委員 お答えでは時間数も人数も減少しているということだったんですけれども、資料をいただいたところ、過重労働のある課そのものは、八十時間以上で三倍、百時間以上のところで六倍に急激にふえておりまして、まだまだ楽観は許されないのかなと思いました。  加えて事が重大だなと思うのは、ご答弁の数字というのは実態を指し示してはいないんじゃないかと私は考えているんですね。といいますのは、私自身、この庁舎に十時、十一時まで残ることが非常に多いんですけれども、そういったとき出会う職員に残業代はきちんといただいているんですかということをお伺いしますと、驚くような答えがたびたび返ってまいりました。忙しくて、連日残業せざるを得ない状態ですけれども、上司の判断で残業はつけられませんということなんですね。しかも、こうした気の毒な職員の回答というのは一人や二人じゃないんです。  より詳しくお話を伺いますと、残業代をめぐる上司の態度にも二通りあるというお話でした。一つは、実際仕事をしてくれているのだから、残業代はすべてつけなさい、認めるからという上司。もう一つは、予算枠は決まっているのだから、残業代はもう出せない。忙しいだろうけれども、勘弁してくれという上司だそうです。私はこうして残業代も支払われずに、連日のように十時、十一時まで残っている職員を複数知っています。  そこで伺いますけれども、後者のような上司の対応というのは明らかに法律に違反するのではないでしょうか。こうした上司の恣意的な判断がはびこっている現状を総務はどうとらえ、これをどう指導監督するおつもりなのか。以上三点、しっかりお答えください。 ◎小田桐 職員厚生課長 超過勤務をしているにもかかわらず、手当が支給されていない場合は、労働基準法違反となります。お話しのありました上司の恣意的な判断等によるいわゆるサービス残業、これはあってはならないものでございます。  区では毎年、超過勤務は業務上やむを得ない場合に命令することに加えまして、ノー残業デーの設定、それから、超過勤務の多い所属に対しての改善報告書の作成依頼、そういったものに取り組む中で、超過勤務の縮減に取り組んでおります。  今年度はこれに加えまして、職員の超過勤務の適正な申告を阻害する目的で超過勤務時間数の上限を設定するなどの措置は講じてはならないということの徹底を図りました。労働時間の適正な管理について周知徹底を具体的に行ったところです。加えて、事務監察担当課のほうでは、毎年実施しております予防監察におきまして、各所属の超過勤務の状況をチェックするなど、区全体で超過勤務の縮減に取り組んでいるところです。  引き続き労働時間の縮減等適正な管理につきまして、所属長に対しまして周知徹底を図るとともに、効率的な事務処理の工夫などによって超過勤務を縮減するよう、職員の意識改革にも取り組んでまいりたいと考えております。 ◆上川あや 委員 建前論と精神論はよくわかるんですね。仮に上司の恣意的な判断によってサービス残業が強いられた職員がいたと発覚した場合、つまり、管理職が法令に違反し虚偽の報告を行ったということがわかった場合、その管理職はどのような処分を受けるんでしょうか。 ◎尾﨑 人事課長 職員や管理職もそうですが、非違行為を行った場合、または疑いがある場合については分限懲戒処分、これは例えば減給、戒告、訓告といったようなものですが、こういう処分を受けることがございます。いずれにいたしましても、事情をよく聴取し、具体的な事実を確認の上、適正に判断していくものでございますので、具体的にはそういう行為を経てからのことになると思います。 ◆上川あや 委員 申し上げてきたような状況というのは、職員の健康管理の上でも非常に問題が大きいと考えます。職員が日々過重な労働を強いられながら、上司の判断一つで数字上はワークライフバランスに配慮ある職場が粉飾されてしまうんですね。こういった虚偽の数字が過労死認定基準を当てはめないその理由に使われる可能性がありますけれども、この問題については、出てきた数字を見るだけではなくて、そこに隠されている圧力というものをしっかりと見ていただきたいということを思います。このことは重ねて申し上げまして、私の質疑を終わります。 ○山内彰 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、世田谷無所属の会、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 きょうは、まずメールの利用について伺います。  メールは、今や私たちの生活にとって情報交換の最大のツールの一つとしてなくてはならない存在になっており、私たち人類はさまざまな恩恵を受けているのは周知の事実であります。  ここでまず、庁内のパソコンのメールについて伺います。  現在、区の職員の皆さんには基本的に一人一台のパソコンが配置され、文書の作成、スケジュールの管理、会議室の予約から事務の決裁まで事務用のパソコンで処理し、事務の効率化を実践しており、職員同士は頻繁にメールを使って情報のやりとりをしています。しかし、外部とのインターネットを使ったメールについてはかなり制限があり、その制限が事務効率を落としているとのことです。  ここでまず、職員の皆さんが使う外部とのメールの現状と制限の理由について伺います。 ◎栗原 情報政策課長 インターネットを使った外部メールにつきましては、受信はいつでも可能でございますが、発信については制限をかけてございます。発信する場合はアカウント、これはパソコンを使う権限でございますが、このアカウントを切りかえて、既存の情報を利用できない環境で送信ができるようにしてあります。既存の情報をファイルとしてメールに添付して、いわゆる添付ファイルというものですが、これにくっつけて送信する場合、これは課長などが内容を確認し承認されることが必要で、承認がないと送信できません。返信機能が使えないため、送信に時間や手間がかかると言われています。  制限の理由でございますが、情報セキュリティーの強化です。故意、過失を問わず、システム内の情報を簡単に外部に出さないための方策です。 ◆ひうち優子 委員 利便性と情報セキュリティーのバランスが必要ということは理解できます。しかし、受信したメールを見ることはできても、そのメールに対してすぐに返信できず、別のアカウントを立ち上げて、そこにアドレスを打ち込んで送信する必要があるということであれば、関係所管や事業所など外部の相手と迅速なやりとりができないこととなり、効率化の面から作業の遅延が生じることになりますし、また、相手に対しての信用性など、仕事上、支障を来すことになります。いただいたメールがすぐに返信できれば、何より職員の皆さんは手間が省け楽になりますし、それが仕事の効率化につながると思うのです。  今はICTの技術も進歩していますので、情報セキュリティーを保ちつつ、すぐにメールを返信できるよう迅速なメールのやりとりが可能ではないかと思うのですが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。 ◎栗原 情報政策課長 国や他の自治体との連絡や事業者との調整で、外部との連絡手段としてメールの必要性が増しているということは否定できません。メール交換技術も飛躍的な進歩をしていますので、今後、メールサーバーなどの機器の入れかえのタイミングで、よりセキュリティーと利便性を上げる検討をしていきたいと考えます。 ◆ひうち優子 委員 セキュリティーを考えつつ対策を講じていただきたいと思います。  次に、庁舎内のパソコンで扱われる個人情報などの重要データの安全管理についてです。  パソコンのおかげで、従来に比べてより迅速かつ正確に事務処理が可能になりました。しかし、便利な反面、全住民の個人情報をUSBで持ち出すことも可能でありますし、クリック一つで大量な区民の方の情報を送ることもできてしまう時代です。  ここで、この便利な機能と安全管理の両面をどのように管理しているのか、現状を伺います。 ◎栗原 情報政策課長 パソコンは制限をかけないと個人情報を簡単に持ち出せてしまうことが技術的に可能だということはご指摘のとおりでございます。そこで、区のシステムでは個人情報を扱える環境と個人情報を扱えない環境を完全に分離し、対応を変えてございます。  まず、住民記録や税や福祉などの個人情報を扱う環境でございますが、一切の情報の持ち出しがパソコンからできないように技術上の完全な制限をかけております。一方、個人情報を扱わないメール交換や文書作成などの事務的な利用の環境でも、情報持ち出しは基本的にはできないようにしてございますが、課長などの管理者の許可があれば可能なように設定をしてございます。このように個人情報の有無で対応を変えることによりまして高いセキュリティーを保っているという現状でございます。 ◆ひうち優子 委員 世田谷のシステムは情報持ち出しについて高いセキュリティーをかけているということで、これからもしっかりと情報管理をしていただきたいと思います。利便性だけが先走ってしまいがちですが、利便性とリスクは常につきものですので、バランスをとっていただくことを要望させていただきます。  次に、ウイルス対策について伺います。  世間では新型インフルエンザウイルスが猛威を振るいましたが、インターネットの世界ではガンブラーというウイルスが深刻な被害を生んでいるようです。報道されただけでも、昨年の暮れから、JR東日本、ホンダ、京王電鉄、そしてインターネットの専門事業者であるヤフーまでもが被害に遭っています。  ホームページのサイトに侵入され改ざんが起きると、そのサイトは緊急閉鎖をすることになります。実際に池袋にある都の外郭の東京芸術劇場のサイトは、不正改ざんによる緊急閉鎖のため、インターネットによるチケット販売が停止になりました。被害は運営者だけではありません。このサイトを閲覧に行った利用者のパソコンも感染し、クレジットカードの情報などを持ち出される可能性があるようです。怪しいサイトにはアクセスしないというのがウイルス感染の予防策と言われてきましたが、名の通った会社のサイトですから、被害は広がっていきます。サイトの運営者は結果的にウイルスの攻撃に加担してしまい、利用者にウイルスをばらまくことになってしまいます。  そこで伺いますが、このガンブラーはなぜここまで被害が広がったのか、また、世田谷区のサイトの対応は十分なのでしょうか、伺います。 ◎栗原 情報政策課長 ガンブラーと呼ばれる新型の公開サーバーに対する攻撃があるということは承知しております。ウイルス攻撃に十分対応しているはずの有名サイトの被害が続出しているというのは、今までと攻撃方法が異なるからでございます。  専門的なものですから、簡単に窃盗犯に例えてお話ししますと、従来は家を見つけて、その窓を割ったり、閉め忘れた裏口から侵入するという方法をとっていますけれども、今度は出入りが許されている管理者のかぎをわからないようにコピーして、正面から入っていくというやり方をとっております。  対応でございますが、世田谷区のメーンのホームページにつきましては、ガンブラーの攻撃パターンとして技術上考えられる可能な対策はすべて実施いたしました。また、情報政策課でガンブラーウイルスの対策指針を作成いたしまして、これを配付し、対応を呼びかけております。  今後も安全なサイトを利用するように努めます。 ◆ひうち優子 委員 これからもガンブラー対策をしっかりと行っていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で世田谷無所属の会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 きょうは、区役所の庁舎問題についてお伺いします。  第一庁舎は、昭和三十五年に建てられ、約五十年が経過し、老朽化が進んでいます。昭和三十五年といえば、そのころはバリアフリーという考えもなかったでしょうし、そのような時代に建てられた庁舎ですから、今では考えられない場所があります。例えば階段の途中にトイレがあって、車いすでできないことはもちろん、障害者やつえをついたお年寄りにも利用することが大変です。  また、庁舎自体が第二庁舎、第三庁舎とふやして、さらに第三庁舎プレハブとか、そしてノバビル、城山分庁舎、区民会館の中、三軒茶屋の分庁舎など分散化しています。せっかくお年寄りが区役所にたどり着いても、ここではありません、第二庁舎のどこどこですと言われて、建物を出ても、庁舎自体が増築を繰り返しているため、まるで迷路のように、また違うところに行ってしまうこともよく起こっています。これは昔の都庁に似ています。  これだけ増築しても、それぞれの庁舎がぎゅうぎゅう詰めの状態ですので、廊下も狭いし、ロビーも狭く、窓口のカウンターが廊下側に出て、区民の方が廊下にはみ出て座らなければならない状態です。このような状態では、職員の方の事務の効率も悪いでしょうし、何といっても、区民の方が快適に区役所を利用することができないと思います。  そこで、まず伺いますが、こんなに庁舎が分散化、狭隘化している原因はなぜなのかお伺いします。 ◎原田 庁舎計画担当課長 第一庁舎が建設されました昭和三十五年当時は、人口が今よりも二十万人以上少なかっただけではなくて、区役所が扱う事務も、義務教育、公園などの十項目に制限され、職員数は約千二百名でございました。しかし、その後、保育園や福祉事務所の移管に伴い、区役所の扱う事務が大幅に増加し、昭和四十年には職員数は約千七百名、そして保健所や建築規制に関する事務の移管に伴い、昭和五十年には約五千名、さらに清掃事業の移管などに伴い、平成十二年には約六千二百名になるなど、区役所の扱う事務量とともに職員数も大幅に増加してまいりました。  その後、平成十二年度からの十年間で、行財政改革などの内部努力によりまして千百名ほどの職員削減に努めてまいりましたが、現在、常勤の職員数は第一庁舎建築当時の四倍を超える約五千百名となっております。  このような事務量の大幅な増加とそれに伴う職員数の増加によりまして著しく庁舎が狭隘化し、その都度増築をしたり、民間のビルを借り上げてきたために、現在のような分散化が生じています。 ◆青空こうじ 委員 現在の庁舎は、このような分散化や狭隘化によって、さまざまな区民サービスが災害対策の面で多くの問題を抱えるという状態であるわけです。これらの問題点を解決するためには、やはり庁舎の面積をふやすことが必要です。庁舎をこのまま改修して使用するということは、これらの問題の抜本的な解決にはならないと思います。それは昨年八月に本庁舎等整備審議会からも本庁舎を改築することが必要であるという答申書が区長あてに出されています。  そこで、区は今後、庁舎問題についてどのように進めるか、お伺いします。 ◎原田 庁舎計画担当課長 出されました答申書のポイントといたしましては三点ございます。  まず一点目ですが、庁舎の場所については、歴史的な経緯等から現在の敷地が望ましいが、より交通至便な場所等への移転の可能性について今後検討が必要であること。  二点目は、本庁舎等の整備に当たっては、厳しい社会経済状況の中で、その経費が区民の負担によって賄われることを考慮し、区民の理解を得ながら進められたいということ。  三点目は、これらの課題等を解決した上で、本庁舎等の一部または全部を取り壊し改築することが必要であるということです。  平成二十二年度につきましては、答申の中で述べられています現敷地の課題や移転の可能性に関する課題、また、その他行政サービスに関する課題などについて検討を進めてまいります。 ◆青空こうじ 委員 今は経済不況で、庁舎の建てかえといっても、なかなか区民の皆さんには理解は得にくいと思います。また、移転の可能性についても検討することですから、そこで、私は三軒茶屋のキャロットタワーの移転について考えてみたらと提案したいと思います。  私は、一月二十九日八時半からキャロットタワーを視察してきました。キャロットタワーの管理事務所にも伺って、いろいろな話を伺ってきましたが、現在、区はキャロットタワーの約四〇%の持ち分があります。残りの部分も少しずつ買い取れば、十分に庁舎として必要な面積が確保できると思います。また、各フロアには、エレベーターやトイレを除けばすべての壁が撤去でき、千平米の広いフロアができます。よその区でも、目黒区や大田区も民間のビルを買い取って庁舎を移転しています。キャロットタワーに移転すれば、区民の方にとって交通が便利で、雨の日でも駅から傘を差さずに庁舎に入れますし、駐車場も二百八十四台あります。また、これだけの職員が来れば、昼の食事や夜の飲み会など、町も潤うと思います。  また、議場についても、一年間で一カ月ほどしか使わないので、議会の開催期間だけパブリックシアターの小劇場を改築し使えばいいと思います。  また、田園都市線から世田谷線に乗りかえる区民向けに議会の情報をテロップで流し、例えば、今議場ではだれだれ議員が質問中と流せば、十分でも二十分でもちょっと寄って傍聴してみようかなということもできます。また、オーロラビジョンを壁面に取りつけて議会中継をしてもいいと思います。また、地下通路のパティオに区政PRを設ければ、電車を乗りかえる多くの区民に区政のPRができると思います。  そこで伺いますが、キャロットタワーに庁舎を移転することに関してどのように区は考えているのかお伺いします。
    ◎原田 庁舎計画担当課長 本庁舎等整備審議会からいただいた答申におきましても、交通の利便性や周辺環境などに配慮した場所への移転の可能性について検討が必要であるとされております。庁舎立地の検討に当たりましては、その敷地に備えるべき要件といたしまして、道路や公共交通機関の状況や将来見通し、地盤などの安全性、災害対策本部としての立地適性、周辺環境との調和、経済性と実現性、また、周辺の公共施設との土地利用の現状などについても整理検討が必要となります。  さらに、既存の建物を購入して庁舎とする場合には、これらに加えまして、構造や設備の点で庁舎にふさわしい性能を有しているか、また、基礎的自治体の庁舎に改修できる平面計画を有しているかなど、多くの検討すべき課題がございますので、ご提案の点もその中の課題の一つとさせていただきたいと思います。 ◆青空こうじ 委員 ぜひキャロットに行きましょう。  以上で質問を終わります。 ○山内彰 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時九分休憩    ――――――――――――――――――     午後四時四十一分開議 ○山内彰 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆鈴木昌二 委員 自民党の質問を始めます。  私からはまず、人材育成等に関して何点かお伺いいたします。  世田谷区は、ご承知のとおり、特別区民税や特別区交付金などの収入額の減少などにより、二十三年度以降も引き続き厳しい財政状況が続きます。さらには、平成二十五年度には基金の残高がゼロになるなどの将来見通しに関する論議がなされてきました。  このような状況において、新たな歳入の確保や徹底した行財政改善による歳出削減を行うことは当然ですが、私は、厳しい社会情勢や財政状況であればこそ、何よりもこれからの区政の一端を担える人材をどのように育成していくかということ、すなわち、人材育成のあり方がこれまで以上に問われる時代になっていると思うわけであります。  そこで、研修調査室長にお尋ねしますが、杉本室長は、土木造園職として長年にわたり区内の緑を守り育てる仕事に取り組まれてきました。この間の緑化事業における熱意について高く評価する一方で、大変な苦労もあったことを承知しております。  そして、三年前に研修調査室長として就任されました。緑を育てるから人を育てる仕事にかわったわけでありますが、この三年間、どのような思いで仕事をされてきたのでしょうか。  また、今後財政状況が厳しくなるだけでなく、団塊世代が大量退職することにより、これまでの区政を担ってきた管理監督者層の後任者を育成し確保することも最重要の課題になるのではないでしょうか。今後の人材育成に関してどのような課題認識をお持ちなのかについて、あわせてお尋ねいたします。 ◎杉本 研修調査室長 ただいま委員からいろいろといただきましたが、やっぱり人材育成、これから厳しい経済情勢の中で、そこを担うのは職員だというふうに思っております。その意味で、人材育成方針に示されました求められる職員像の実現を目指しまして、区民の期待にこたえられる職員を研修を通じて育成すること、これを基本認識として持ってございました。  そして、私どもの研修担当部門だけではなかなかその人材というのは育たない。その意味では、各職場がやります職場研修の支援ということで、関係所管とも連携しながら取り組んでいくことを基本といたしました。  主として課題認識といたしましては、委員もおっしゃいましたが、厳しい状況の中で、ますます少数精鋭の時代が来るのではなかろうかというふうに思っております。そのために、例えば新規採用職員を一刻も早く即戦力に育て上げる、あるいは中堅職員に対しては、互いに切磋琢磨し合って、あるいは支え合って仕事をするという意識を醸成する必要があろうかと思っております。さらに、各組織のリーダーとして人材育成の一翼を担う管理監督者の育成も非常に重要な課題であると考えております。 ◆鈴木昌二 委員 新規採用職員を即戦力にするため、また、いわゆる中堅職員を管理監督者へ引き上げるなど、人材育成の課題解決に向け、さまざまな研修による意識改革に努め、さらには他の関係所管との連携を強化してほしいと思います。そのためには、これからも研修調査室から人材育成の重要性を発信していく必要があると考えております。  研修調査室には、室長のほかに、長年、保健福祉領域などでご尽力いただきました矢島参事もおられます。お二人ともこの三月で定年退職を迎えられますが、これまでの職業人生を振り返られ、さまざまな思いをお持ちなことだと存じます。  そこで、杉本室長に、次の時代を担う職員に対し発信し伝えておきたいことなどお話しいただければと思いますが、いかがでしょうか。 ◎杉本 研修調査室長 まだまだ勉強の身でございますもので、なかなか申し上げづらいところもあるんですが、やはり区民の皆様からの信託にこたえるというのが、区民の皆様のためにまた汗を流せるというような職員、これは人材育成方針にも示してございますが、世田谷区に求められる職員像に少しでも近づけるよう、日々の研さん、努力していってほしいというふうに思っております。  この意味からも、日々の努力に加え、自身も、それから自身の資質を高めていくということを着実にお願いできればというふうに思っております。 ◆鈴木昌二 委員 ありがとうございました。お二人のこれまでのご活躍をたたえ、次の質問に移ります。  続いて、エフエム世田谷についてお伺いいたします。  平成十年にスタートしたエフエム世田谷は、地域コミュニティーの振興、区政情報、非常時における災害情報等の提供という趣旨で設立されたと記憶しております。地域特性を生かして、区民に対して必要で有益な地域情報を提供するとともに、地域経済の活性化にも寄与し、また、地域の問題提起を行うことで、区民とともに考える場ができたりするなど、地域のきずなづくりにも大変役に立つ放送局であり、また、緊急時には災害放送もきめ細かくタイムリーに放送できるというメリットもあり、私たちが安全に生活するために、最も身近な情報を得ることができるメディアだということであります。  しかし、残念ながら、平常時の放送の中でその地域特性が余り生かされておらず、番組のほとんどがポップスを中心とした音楽番組、あるいは若い方々が出演されている番組で、地域の話題といえば、区が提供している情報や天気予報、交通情報などで、世田谷らしい番組が少ないように感じます。  そこでまず、現在の放送時間や大まかな番組構成についてお聞かせ願います。 ◎久末 広報広聴課長 現在、エフエム世田谷は二十四時間三百六十五日番組放送を行っており、午後九時から翌朝七時までは無人運用を行っております。  番組構成でございますが、音楽番組と娯楽的な番組を合わせまして五六%、身近な生活情報が一八%、子育て情報などの教養的番組が一三%、ニュース、交通情報などの報道が八%、区の提供番組は二%、その他となっております。特に午後五時以降の時間帯におきましては、ポップスなどの音楽番組、大学生や高校生が主体となって情報発信する番組など、大きな放送局にはない、地域に密着した放送を心がけているところでございます。 ◆鈴木昌二 委員 やはりちょっと若者向けの番組が多いのではないかという印象であります。ラジオを聞く方々が年々減少している中で、あるFM局ではパソコンでの配信が始まったという話も聞いております。まだまだ高齢者も多く、ご自宅で趣味の手習いなどをしながらラジオを聞いている方もおられると思います。地域密着という意味からしますと、地元に愛着の感じられる放送内容、地元で頑張っている方々が出演するような番組がもっとあってもよいのではないでしょうか。  特に世田谷区では中高年の方、あるいは現役を退職されたばかりの方々が、ご自分の経験を生かして、多岐にわたり活動をしている方が多いようです。そうしたいわゆる団塊の世代を初めとした方々を対象とした番組づくりがエフエム世田谷には必要ではないかと考えます。  例えばNHKでは「ラジオ深夜便」といった大人向けの深夜放送が行われ、好評を博しております。さらに、番組構成を熟年向けにするだけでなく、そのような方たちが番組に出演し、自分たちの活動を紹介する。そこで仲間を募り、きずなを築いていくこともできるのではないでしょうか。また、エフエム世田谷自身が町の中に出ていき、町の話題を放送する。そうすることで、区民の皆様も一層身近な番組と感じることができ、また、リスナーの層も広がっていくと思います。  区として、エフエム世田谷に対し、防災情報を放送すると同時に、幅広い世代に対するコミュニティー放送局であるべきであると強く働きかけるべきだと思いますが、どのようなお考えなのかお伺いいたします。 ◎久末 広報広聴課長 委員ご指摘のように、コミュニティー放送局は、共感や情報といった、地域の人々との強い結びつきが求められる情報提供手法であり、地域に密着したきめ細かな情報提供が重要であると認識しております。  現在、エフエム世田谷においては、団塊の世代と同世代のパーソナリティーが、ニュース、地域情報、行政情報等を、団塊の世代ならではの視点でお届けするなど、団塊世代の方々にも興味を持っていただける番組づくりを行っております。  また、開局以来、毎年三十名ほどの区内在住、在勤の二十歳から七十歳代のエフエム世田谷特派員を公募し、テーマや取材内容の検討などを通じて、町の話題や地域の活動を、現地に出向き、実際に取材やリポートをしていただくなど、区民参加型の番組制作も行っているところでございます。  今後、地域で活躍する団塊の世代の方々にも興味を持って聞いていただける番組づくりなど、多世代の方々に一層支持されるコミュニティー放送局として、日ごろから魅力ある番組づくりを進めていくよう、エフエム世田谷に対して申し入れてまいりたいと思っております。 ◆鈴木昌二 委員 バランスのよい番組の構成をお願いいたしまして、菅沼委員にかわります。 ◆菅沼つとむ 委員 初めに、衆議院速記者養成所の跡地についてお聞きします。  先日、地方分権・庁舎問題等対策特別委員会において、上用賀にあります衆議院速記者養成所の跡地について、区として有効活用したいという報告がありました。この件は、平成二十年四月に上用賀四丁目の街づくりを考える会から陳情を受けて、陳情内容は、地域の貴重な緑や良好な環境を守るとともに、広域避難場所としての防災拠点としても貴重な財産になるということで、区議会として趣旨採択したものでございます。  区の対応は、衆議院速記者養成所の跡地を初め、財務省用賀住宅、馬事公苑、東京農業大学を含めて緑の地域にしていく第一歩だと考えております。ぜひ取得の実現に向けて、引き続き努力を願いたいというふうに思います。  二点確認させていただきます。  まず一点目、第一に、速記者養成所の跡地を取得する場合、日時はいつごろになるのかお聞きします。 ◎宮崎 政策企画課長 ご案内のとおり、本年四月三日まで公的な取得要望ということで受け付けが開始されております。私どものほうとしても手を挙げた後に、国の審査、手続を経た後、売却相手が決定されるものと理解しておりまして、現段階ではその日時というところまで確定できませんけれども、売却相手方として選定されますと、二十三年度以降の契約になるものと想定しているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それから二点目、取得後の活用として何か考えがあればお聞きします。 ◎宮崎 政策企画課長 先般の特別委員会でもご報告を申し上げましたが、取得目的としては都市公園用地ということを考えておりますが、今のお話の具体的な活用といたしまして、緑の保全及び広域避難場所としての機能確保を図り、防災及び地域住民の交流や憩いの場としての機能を有する、都市公園として整備していくことを予定したいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 区は厳しい財政なのは十分わかっております。世田谷のために都市公園になれば、五十年、百年ということじゃなくて、将来の世田谷の一生の問題だというふうに思いますので、しっかりと頑張っていただきたいというふうに思います。  次に行きます。消防団の団小屋の建てかえについてお聞きします。  消防団の皆さんは、仕事、家庭を持ちながら、世田谷区民の生命と財産を守っていただき、本当に感謝しております。また、消防団に入られ、地域の安全を守っていただき、本当にありがとうございます。世田谷区は、世田谷、玉川、成城の三消防団があり、合計三十六分団です。三消防団で約千名の消防団員が活躍をされております。  ご存じのように、消防団の小屋は二階建てで、一階がポンプなど倉庫になっており、二階は団員が集まって、定例会、ミーティングができるようなところがあります。  最初にお聞きしたいのは、二階建ての消防団の小屋は三十六分団中、今幾つぐらいあるのかお聞きします。 ◎畠山 災害対策課長 私どもが今把握している限りだと全部で十一物件だと思います。それで、内訳が、世田谷消防団で十八分団ございまして、七物件、玉川消防団は十一分団中一物件、成城消防団は七分団中三物件、場合によっては資料がいささか古いかもしれませんが、今把握している限り以上でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 今言うと、大体三十六分団中十一ということですよね。それで、ほかの建物、ほかの消防団の団小屋は会議するときどのようにしているのかおわかりになりますか。 ◎畠山 災害対策課長 二階のミーティングスペースがないような場合につきましては、平屋建ての場合なんですが、車ですとか資材を出して、夜警等をするときには、その奥でミーティングするとかそういったこと、あるいは通常の会議でございましたら、近くの集会施設等をお借りしてやるとか、そんなようなことを聞いてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 ちなみに、二階建ての消防団の団小屋を建てかえるときに、建物の経費というのは世田谷区の予算の中でかかるのか、その辺はいかがでしょうか、お聞きします。 ◎畠山 災害対策課長 消防団の資材庫等の建物につきましては、東京消防庁が予算を持ちまして整備することになっております。 ◆菅沼つとむ 委員 建てかえのときには世田谷区の予算がかからない、全部東京消防庁のほうが持つということですよね。それで、二階建ての消防団小屋がなかなか進んでいないというのは何か原因があるんですか、その辺を聞きます。 ◎畠山 災害対策課長 消防団の資材格納庫が建っている敷地に関しましては、国ですとか、都ですとか、区等の公有地、あるいは神社や個人でお持ちの敷地をお借りして建っているというような、さまざまな形態があると思います。  そうしたことから、借用しております敷地面積、あるいは借用の条件などさまざまな制約があって、二階建ての建てかえが進んでいない、そんなふうに推察しております。 ◆菅沼つとむ 委員 聞くところによると、大体八十平米あれば、東京消防庁のほうが全部建てかえてくれるというお話を聞いております。その中で、今説明がありました区有地を初め公園など、土地規制を緩和すれば、各ほかの消防団の二階建ての団小屋ができるんじゃないかというふうに思いますけれども、その辺はどういうふうに考えていますか。 ◎畠山 災害対策課長 消防団の皆様につきましては、先ほど委員からもお話がありましたが、日々の仕事を持ちながら、区民の安全安心のために日夜活動していただいていることに関しまして、敬意と感謝の念を強く持っております。  区といたしましても、さまざま防災資機材整備助成等の支援も行っておりますが、お話しのありました件につきましては、それぞれ区有地でありましても、都有地等いろいろございますでしょうが、特に区有地の場合、それぞれ土地利用に一定の制約がございますので、個々具体的な相談に対しましては、委員のご意見も踏まえまして、関係所管とともに協議してまいりたい、そのように思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 今ご説明のように、さまざまな制約があると。例えば、今年度、公園用地を変更して保育園をつくるという話がありますよね。当然保育園も大事だというふうに思います。しかし、いつも仕事を持ちながら地域のためにやっている消防団員も大事だというふうに思います。その辺で、公園用地の規制緩和をして、逆に言って、公園といったって、みどり33もありますから、木もたくさんあります。だけれども、公園というのは緑地公園だけじゃないですから、八十平米だったら、木を切らないでつくれる場所がたくさんあるんじゃないですか。その辺は、政策経営としてどのように考えているのかお聞きします。 ◎宮崎 政策企画課長 今、保育園のほうに関しては、これから区民の方にもご理解をいただいて、何とか整備を進めたいと思っていますが、公園のほうにつきましては、土地の形状を含めまして、そのような可能性があるのかどうかというのはちょっとわかりませんが、そのような機会があれば、関係所管ともちょっと協議したいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 公園というのは緑も大事だし、それから保育園も大事だし、その中のスペースで消防団の小屋をきっちりしていただきたいというふうに思います。それで、二階建ての消防団の小屋ができれば、逆に言うと、地域の町会ですとか、安全安心のまちづくりの拠点にもなりますし、防災会議も簡単なものができます。  それからもう一つ、消防団が使わなければ、逆に地域の人たちの少人数の会議もできるんですよね。その辺も考えながらきちんとしていただきたいというふうに思います。  その中で、区長が言うように、今厳しい財政なんですから、金がないときは知恵を出せ、これは世田谷区は予算が一銭も要らないんですから、早目に実行していただきたいということをお願いしておきます。  次に行きます。世田谷区の予算説明書の別冊の七ページに書いてあります、たばこ税の税制改正による平成二十二年の特別区税の影響額は、たばこ税の税率の引き上げ、十月からとあります。引き上げて、区の予算は二億七百万円ふえるというふうになっております。  ちなみに、この十年間でたばこ税は幾らぐらい入っているか、わかれば知らせてください。 ◎岩本 財政課長 おおむね年間四十億円程度の収入がございまして、平成十三年からの過去十年間で四百三十八億二千五百万円ということになってございます。 ◆菅沼つとむ 委員 今四百三十八億円ということですけれども、十年間で、世田谷区は予算をいただいているということですよね。  それで、実際に今、各ところで分煙というのが進んでいます。この辺では、渋谷で言うとハチ公前、自由が丘で言うと自由が丘の駅のそば、分煙になってから全然きれいになっているんですよね。その中で、世田谷区の分煙も進めているというふうに思いますけれども、四百三十八億円の中で分煙に使ったお金は幾らぐらいなんですか。 ◎岩本 財政課長 たばこに対する世田谷区の取り組みとしましては、健康の面から保健所、分煙、環境の面からは環境総合対策室といったことでやってございます。それぞれ活動してございますが、済みません、四百三十八億円の中の幾らかというところまで集計はしてございません。 ◆菅沼つとむ 委員 今ご説明にあった分煙というのは、私の知っている限り、砧総合支所の中、それから三軒茶屋、あともう一カ所ぐらいあるというふうに思います。きょうも出ていましたけれども、区民の目線でということになりますと、やっぱり区民でも四百三十八億円たばこを吸っている人がいらっしゃると。せめて少しぐらいは分煙対策してもいいんじゃないか。なぜかというと、本当に分煙のほうが実質は町がきれいになるんですよ。だから、その辺を含めて、区としてはどういうふうなお考えなのか。  それともう一つは、環境総合対策室のほうは、事業をやるということになりますから、所管とすれば、多分分煙のお金は持っていない。保健所のほうは保健所のほうで、逆に言うと、分煙をやってくださいというだけで、お願いだけですよね。そうしたら、どこがやるのといったら、やっぱり区がやるほかないでしょう。四百三十八億円もらっている。その辺はいかがでしょうか。 ◎岩本 財政課長 今ご指摘いただきましたとおり、保健所では「健康せたがやプラン」の推進という観点から、例えば飲食店等への登録制度を行っております。また、環境総合対策室のほうでは路上喫煙・ポイ捨て対策という意味で、先ほどお話がありました三軒茶屋、JTと連携して喫煙コーナー設置といったような取り組みをしてございます。  ただ、税の問題でお話しさせていただきますと、たばこ税そのものは地方税法で普通税とされておりまして、区の財政上の扱いは特別区民税と同様なものでございます。特定の目的に充てるといったような税の性質ではないということでございます。  ただ、喫煙している方々から税金を納めていただいているという観点から、先ほど申し上げました「健康せたがやプラン」、もしくは路上喫煙・ポイ捨て禁止といったような施策を通しまして、引き続き禁煙、分煙の取り組みをさせていただければというふうに考えてございます。 ◆菅沼つとむ 委員 役所から見るとおっしゃるとおりだというふうに思います。だから、さっき区民の目線から見るとそうじゃないでしょうと。それから、総合支所だとか役所の前もなくなりましたよね。逆に言うと、分煙対策をやるときに、担当部署からこういうふうにやるから予算づけをしてくれといったら出てきたら、それは検討して、予算をつける方向になるのかな、その辺を聞きます。 ◎岩本 財政課長 区の施策、先ほど申し上げた保健所、また環境の面から環境総合対策室で取り組んでございますが、保健所の立場からすると受動喫煙の問題がございますので、分煙対策を行っておりますが、基本的には禁煙に向けた活動をしているといった面もございます。そういう意味で、区としてのかかわりとしては、基本的に路上の灰皿の設置等については費用をかけないで、JT等の協力を得て整備をしていくといったような基本的な考え方を持っているものでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 例えば二子玉川の高島屋の前というのは、鈴木委員もご存じのように、最初、歩きたばこはもちろん禁煙ですけれども、全部たばこを吸っちゃいけない地域にしたんです。そのときにどうしたかというと、実質全然減らなかった、町がきれいにならなかったんですよ。それで、地域の人たちがまた分煙をきちんとやってくれというので置いて、今はきれいになっているんです。  だから、世田谷区も今おっしゃっているように、例えば目黒区だとか渋谷区へ一回調べに行ってくださいよ。区が積極的にやっていますよ。だから、原宿の通りなんてケヤキの中に小さなものがあって、その前の人たちが全部掃除して、そこに全部入れている。だから、人が出る割には、意外とたばこや何かが少ないでしょう。ただ健康のためにやって、ポイ捨てをやめましょうできれいになれば、何もお金をかけることはないんだけれども、ある程度はかけるというのが普通かなと。お願いしておくことは、渋谷、目黒を一回見ていただいて、どういう対策をしているか、その辺を研究していただきたいというふうに思います。  次は、区の広報、「区のおしらせ」についてお聞きします。  たしか私の記憶ですと、決算ですと結構広報紙のあれが出ていたなという感じがあるんですけれども、新聞折り込みの部数が減っているということは前々から聞いております。その中で、区内公共施設のコンビニエンスストア、それから区の施設、スーパー、郵便局、書店など、また、個人配布も考えているような話も聞きます。努力しているのはわかるし、それから、世田谷区として区民に知らせるのは広報紙というのが一番だとは思います。  しかし、今皆さん新聞をとっているように、二色刷りで、字があれだけがちがち書いてあって、あんなのは手にとると思いますか。私も商店街の折り込みや何かつくりますけれども、せめて二色刷りをやめて四色のカラー版になったら、一回に対してどのくらいの金額がかかるのか。例えば八ページで、一回に出すのは三十一万部ですか。それで幾らかかるのか、わかれば知らせてください。 ◎久末 広報広聴課長 現在、二色、八ページの定期号をカラー版に変更した場合、年間にかかる経費は約八百万円の増額となり、一回の発行につきましては二十万円から二十五万円の増額となります。 ◆菅沼つとむ 委員 三十一万部で、八ページで、一回に対して二十万円から二十五万円でできるということですよね。何を言いたいかというと、税金で二色刷りをつくるわけです。各コンビニですとか区の施設へ全部配るわけですよ。配ったときに、全部見てくれればいいですよ。それは見てくれなくちゃ、区民に手にとってもらって、それから見るんだから、手にとってくれなかったらごみになります。だから、実際に三十一万部で一回に二十万円から二十五万円だって、これは昔だったら高かったんですよ。機械がよくなっているから、今だからこの値段でできるんですけれども、実際にこのくらいの値段なら、担当部として、部長、いかがでしょうか。 ◎板垣 政策経営部長 カラー化にしたらというようなご提案でございますけれども、今の広報紙は非常に情報量が多いということで、同時にページ数の増というようなことも課題になっております。したがいまして、今後の財政状況も見ながら、カラー化及びページ数の増とかも含めて検討させていただきたいというふうに思います。 ◆菅沼つとむ 委員 新聞の中で折り込みは言いましたよね。私も商店街をやっていますので、カラーにしたくないですよ。二色でお客さんが見てくれるのならいいんですよ。カラーにしなければ、ほかはもっといい紙を使っていて、幾ら広報だからといって、二色刷りで手にとってもらえるとは思わないんですよね。だから、逆に、三十一万部配ってどのぐらい捨てられたなんていうデータがあればいいけれども、多分それはないでしょう。置きっ放しで、コンビニエンスストアだってみんな処分しちゃう話だから、その辺のことを考えれば、税金というのは見てもらって有効活用なんです。ごみになったら、八ページだろうが、四ページだろうが、倍にふやしたってごみがふえるだけなんですよ。その辺も三十一万部で二十万円から二十五万円だったら、商人の感覚だと、やっぱりその辺は進めるべきだというふうに思います。  財政の厳しいのはよくわかります。例えば年間に三十五回出しているのなら、三十四回にして、その一回分だったら、このぐらいの値段が出るわけですから、それも含めて検討していただきたいというふうに思います。予算委員会ですので、それも含めて予算を考えていただければというふうに思います。  次に行きます。  世田谷区の予算説明書別冊の五ページにあります緊急見直し方針等に基づく取り組みの中の事務経費の見直し、簡単に聞きます。電子計算システムの経費の削減の中にけやきネットは入っているのかお聞きします。 ◎栗原 情報政策課長 入ってございません。 ◆菅沼つとむ 委員 実際に今けやきネットが入っていないということですよね。その中で、けやきネットは年間に七千五百万円、それから五年に一回、システムの導入経費とかさまざまで八千万円かかる。それで、実際にはそれだけかけて本当によくなっているのか。実際には利用率が六四・一%ですよ。ふえたのはお化けな、幽霊なけやきネットの団体が倍以上になっている。これで本当に必要なのか。それで費用対効果も含めて、当然その中できちんと入れるべきだというふうに思います。その辺のお考えを聞きます。 ◎栗原 情報政策課長 当区における施設予約につきましては、利用者数、対象施設数ともに非常に多く、また、利用者の利便性から申請手続などを考慮しますと、やはり現行電算システムを維持することが必要と判断いたしまして、安定的に利用者の方にサービスを提供するために必要な経費をつけさせていただいております。ご理解ください。 ◆菅沼つとむ 委員 終わります。
    ◆大場やすのぶ 委員 私からは、せたがや自治政策研究所の研究活動について質問をいたします。  他会派よりもお話が出ておりましたけれども、先月、二月十日の日経新聞に掲載された記事を紹介いたします。そのときの大見出しが「都の交付金減額、各区に打撃」とありまして、中野シンクタンクの廃止との記事が掲載されていました。世田谷区と同時に発足した中野区の自治体シンクタンクが、二十二年度予算編成で全事業を見直した結果、役割を終えたと判断されたようです。三年間で役割を終えたと判断されたわけですから、今までの研究成果は一体どうだったのかと聞いてみたいという気持ちにもなりました。  一方では、この間、新宿区、荒川区がシンクタンクを設立し、この四月には多摩地域で初となる八王子市が都市政策研究所を設立することになったようです。地方分権の時代、自治体の力量を高めるための組織強化ということで、やはりシンクタンクの担う役割がいかに大切であるか、よくわかります。  そこでお聞きいたしますが、世田谷区と中野区は同時期に設立されたわけですけれども、当然設置の経緯や運営方法に違いがあると思います。両区の特色にどのような違いがあったのか、簡単に説明願います。 ◎吉原 政策研究担当課長 中野区のシンクタンクでございますけれども、中野区政策研究機構につきましては、地域社会に直面する政策ニーズに地域ぐるみの解決システムを追求することを理念といたしまして、平成十九年度に設立されたところでございます。研究テーマの設定は、区の経営本部会議で行うトップマネジメント方式を採用していたというふうに聞いております。いわゆるトップダウン方式でございました。  一方、世田谷の自治政策研究所でございますけれども、分権改革の進展や少子・高齢化など社会状況の変化、また、区民ニーズの多様化、高度化しているといった時代背景のもと、世田谷区の政策立案機能を充実させることを目的といたしまして、同じく平成十九年度に設立したところでございます。設立当初より、八十四万区民を擁する自治体世田谷区における区民等との協働のあり方というのをキーワードといたしまして、社会情勢、国や都の動向などにも注視しつつ、また、議会のご意見なども踏まえまして、世田谷区にとって今後重要と想定される課題を中長期的な視点を持って研究所みずからが発掘し、テーマ設定を行っているところでございます。  違いにつきましては以上でございます。 ◆大場やすのぶ 委員 中野区のトップダウン方式に対しまして、世田谷区のボトムアップ方式ということで、対象的な側面があったということですけれども、いずれにしても、自治体シンクタンクとしての役割、また、その重要性については、中野でも世田谷で同じものであると考えます。なぜ自治体シンクタンクが必要とされるのか、それは重要な視点でありますので、議会を初め区民や区職員にもわかりやすい形で成果を示していただきたいと思います。  続いて、研究所の研究成果についてお尋ねいたします。  せたがや自治政策研究所では、昨年度、平成二十年度に地域の生活課題と住民力に関する調査を実施し、その分析の概要版を議会にも配付していただきました。私も非常に興味深く拝見し、例えばですけれども、世田谷区民の地域活動に対する参加意欲は高い水準にあるといった結果が数値を根拠として出されているわけですから、非常に信頼でき、私も一人の区民として誇りに思いました。  さて、昨年度に引き続き、また今年度も同様の調査を実施しているようですが、昨年度と何が違うのか、また、どのような結果が出たのかをお尋ねいたします。 ◎吉原 政策研究担当課長 昨年度の調査につきましては、無作為に抽出いたしました四十五歳以上七十五歳未満の区民の方八千名を調査対象といたしまして、首都大学東京との連携のもと実施をいたしたところでございます。  地域活動への参加が活発と予想される世代に焦点を当てまして、例えば親族、友人とのつながりですとか、町内、ご近所の方への信頼、また、地域での行事への参加といった指標から、住民力について分析を進めてまいりました。その結果、住民力の高さは住まいや家族と深く関係してございます。また、地域への愛着心や投票を通じた政治参加の向上に結びつくといった分析結果も得たところでございます。また、世田谷区におきましては、全国平均に比べまして、町内、ご近所の人への信頼が高いということがわかっております。  今年度も引き続き首都大学東京との共同で行いました調査につきまして若年層を対象に加えたところでございます。無作為に抽出いたしました二十歳以上七十五歳未満の区民の方、一万名の方を調査対象として実施したところでございます。現在単純集計を取りまとめた段階で、詳細分析はこれからでございますが、若年層の区民の方については、他の世代の方と比較をいたしますと、住民力が低いという傾向が見えております。 ◆大場やすのぶ 委員 今、単純集計ということですけれども、昨年度の二十歳から四十五歳までの調査結果を加えると、今住民力が低くなるという結果が出たということです。私も今まで地域のお祭りとか行事には出ていますけれども、何となく若い人たちの参加が少ないのではないかと感じてはいましたが、このデータによって裏づけができたということで、私にとっても非常にわかりやすく、また明確になったと言えると思います。  しかしながら、調査結果が出ましたというそれだけでは全く無意味でありまして、それを区政の中にどう反映させていくのかということが重要な観点であって、課題ではないかと思います。  そこでお聞きいたしますが、この住民力の調査結果によって、例えばですけれども、区長が提唱する地域のきずなを深めていくためには、この二年間の調査結果を踏まえると、世田谷区にとって、今後進めていく政策はどういうものが有効であると考えていらっしゃるのかお聞きします。 ◎吉原 政策研究担当課長 地域のきずなを深めることは住民力を高めることとなりまして、地域における生活課題を地域の中で解決する活動につながる重要な要素であるというふうに認識しております。  先ほどお話をさせていただきましたが、詳細分析はこれからでございますが、今後分析を進めまして、住民力の高さが地域や世代によってどういうふうに異なるかという結果を得ることによりまして、今後進めるべき政策について一定の方向性を打ち出すことが可能となるというふうに考えております。  例えばでございますが、住民力の高い住民に対しましては、より自主的、主体的な地域参画を推進していく、これを地域全体に波及していく、こういう波及効果を期待するといった取り組みを行ったり、住民力の高い地域で重点的に地域参画を推進して、そこでノウハウを蓄積しまして、これを他の地域へ移転するといった手法が考えられます。逆に、住民力の低い世代ですとか地域を対象といたしまして、気軽に地域活動に参加できる取り組み、きっかけづくりですとか場づくりといったことを重点に置くことも考えられます。  このように、八十四万区民に対して一律の政策ではなく、対象を絞ることによりまして、より効果的な取り組みを進めることが可能になるのではないかと考えております。 ◆大場やすのぶ 委員 今ご答弁いただきました内容はともかくといたしまして、例えばということでお伺いいたしましたけれども、シンクタンクでの調査分析、裏づけのある数値などから政策を導き出すということは信憑性があり、より効果が期待できる取り組みが実施できると思います。また、区民にとっても、区のこの取り組みはこういう根拠があって進められているということも理解しやすいのではないでしょうか。それが一つの自治体シンクタンクの役割であるとも考えます。  さて、ここでお聞きいたしますが、昨年度実施した住民力調査はどのように活用されたのか、実績があればお聞かせください。 ◎吉原 政策研究担当課長 昨年度の調査分析結果の活用についてでございますけれども、調査結果につきましては、世田谷区地域活性化に向けた指針の策定に向けた検討を行うために設置いたしました学識経験者によるアドバイザー会議の中で、世田谷区の現状を把握していただくために情報を提供し活用していただいたところでございます。  この調査で、世田谷区のこの町に役立ちたいと思いますかという質問に対して、七割以上の区民の方が、そう思う、やや思うと回答してございまして、指針を策定する上で、世田谷区の現状分析に活用しているところでございます。 ◆大場やすのぶ 委員 地域の活性化に向けた指針の策定に活用したとのことですけれども、私の感覚では、まだほかの部署でも十分活用できるのではないかという感じがいたします。せっかく内容の濃い研究を進めても、活用されなければ何の意味もありません。設立から三年が経過したわけですから、研究成果を確実に政策に結びつける工夫や仕組みを考えていく必要があると考えます。  また、研究以外のせたがや自治政策研究所の活動内容についてもまだまだ情報提供が十分でないところも見受けられます。ホームページの充実など、区民に対して積極的に情報発信を進めていただきたいと思いますが、何かお考えがあればお聞かせください。 ◎吉原 政策研究担当課長 研究成果を政策に反映せよというご指摘でございます。今年度につきましては、研究成果を政策に結びつけるための新たな試みといたしまして、庁内に研究テーマを公募する公募型調査研究を導入し、所管課とともに研究を実施するといった取り組みを進めているところでございます。情報提供につきましては、シンポジウムの開催を通じた情報発信を行ったり、学術論文誌「都市社会研究」や、先ほども答弁にございました住民力の調査の集計結果及び分析結果をホームページ等に掲載するなどといった情報提供を行っております。  委員のご指摘のとおり、今後もさらなる情報発信に努めたいと考えております。また、来年度につきましては、当研究所の所長を中心として、設立からこれまでの三年間にわたる活動内容の評価検証を行って、その中で改善できるものは早急に改善し、より開かれた自治体シンクタンクを目指してまいりたいと思います。 ◆大場やすのぶ 委員 去る三月五日に閣議決定されました地域主権改革推進一括法案では、地域主権改革の定義や四十一法律に及ぶ義務づけ、枠づけの見直しが盛り込まれるなど、今後、国、地方を通じて議論がますます高まっていくことが考えられます。  分権改革は着実に進展をしておりまして、一層地方自治体の力量が試される時代となります。世田谷八十四万区民のためのシンクタンクとして、区民のための政策を築くために、引き続き努力をしていただきたいと思います。  以上で私の質問は終わります。 ◆山口ひろひさ 委員 私からは、LEDの照明について質問をさせていただきたいと思います。  このLEDですけれども、家電量販店が店頭の商品を白熱電球から変えたというようなニュースも流れているところですが、このLEDの照明というものは消費電力が白熱電球のおよそ八分の一ということで、非常に省エネの効果が高くて、寿命も非常に長いというのが特徴であります。  我が会派も以前からこの件に関しては質問してまいりましたけれども、区としては砧総合支所や用賀の複合施設においてこのLEDの照明器具を試験的に採用したということは伺っているところでございますが、依然このLED照明というのは非常に値段が高いということと、まだ開発動向をいろいろ見ていかなければならないという調査研究の段階だというお話があったと思います。  しかしながら、この導入に関しては、地球温暖化ですとか環境の配慮、今いろいろと話題になっておりますけれども、そういった中では非常に有効な手段だと思いますが、最近の公共施設へのLEDの導入状況について聞かせていただきたいと思います。 ◎木下 施設営繕第二課長 ただいまご質問のありました最近の公共施設へのLEDの導入状況でございますけれども、砧総合支所や用賀複合施設に続きまして、現在設計している代田区民センターや玉川四丁目の区営住宅、区立保育園の計画におきましても部分的に採用を予定しているところでございます。  新築以外でも、今年度改修工事を行いました中里地区会館ですとか教育センタープラネタリウムの室内照明におきましても部分的に採用をいたしました。これ以外にも、来年度以降、烏山北小学校、芦花小中、八幡山保育園の改築工事や区民健康村の改修工事などでも一部に導入していく予定になっております。 ◆山口ひろひさ 委員 今答弁の中にもありましたけれども、部分的に採用、導入という言葉が多かったわけですが、まだ値段も高いし、開発動向も、まさしく調査研究段階ということなんだろうと思います。  実はこの白熱電球について、これは政府がメーカーに対しまして、二〇一二年までに生産を終了するようにというふうに要請しております。昨日、他会派の方からパネルで丁寧に説明がありました。東芝ライテックというところは、二〇一〇年度を目途に中止を公表しているところであります。そうすると、これは必然的に省エネ型の照明器具の導入は進めなくちゃいけないという形になってくると思いますけれども、このLEDに関しては日進月歩の勢いで開発が進められているということも聞いておりますし、どんどん効率的な新製品が出されるという話をよく聞いております。  そうなってくると、今の新築されるような施設だけではなくて、やはり既存の施設の照明の対応というのも大事になってくるのではないかなと私は思いますけれども、区として既存の施設に対してのLEDの導入というのはどういうことを考えられているのか、ご見解を聞かせていただきたいと思います。 ◎木下 施設営繕第二課長 ただいま委員からお話がありましたように、白熱電球については、国からの要請で二〇一二年までに生産を終了する方向であるというふうに聞いております。このような状況もあり、白熱電球にかわるものとしてLED照明が注目を浴びてきております。  LED照明は、最近では製品としてさまざまなものが開発されておりまして、電球や蛍光管を取りかえるだけで済むものもございますし、場合によっては工事を伴うものなど、本当にいろいろなタイプがございます。  あとは明るさの面なんですが、以前は明るさがいま一歩だったんですけれども、最近は天井の高い部分についても使えるようなLED照明もできてきているというふうに聞いております。  ただし、残念なことに、現時点では一般の事務室に使われているような蛍光灯につきましては、電気の使用量から見た効率の面、あとコストの面でまだちょっと開発途上でございます。  そこで、現在も引き続きいろいろなメーカーからお話を伺いまして、最新の状況を把握しているところでございます。先ほど委員からもお話がありましたように日進月歩の勢いで開発が進んでおりますので、その効率の面で現在使っている蛍光管との比較などを行いまして、今後導入に向けて、現在調査研究が行われているところでございます。  今後も調査研究を重ねまして、施設からの省エネルギーを一層進めるために、それぞれの施設に有効に機能する照明器具の導入を進めてまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 今答弁がありましたけれども、こういう新しい環境に配慮した観点から考えると、ある程度公共が牽引していくことも必要だと思いますし、まだ日進月歩の段階で、開発もいろいろ進んでくると思いますので、ぜひその辺は積極的に調査研究して、積極的に進めていただきたいということで要望させていただきます。  次に、安心安全まちづくりの観点から質問させていただきたいと思いますけれども、世田谷区内における刑法犯罪認知件数というのは、平成二十年と平成二十一年と比較して四・三%減少したそうであります。平成十四年から七年間連続減少ということで、これは警察と区がいろいろ連携して、さまざまな施策を進めてきたその成果ということだと思います。  しかしながら、この犯罪を個別に見ていきますと、ひったくりの被害件数というのは、平成二十一年に百五十件発生しておりまして、平成二十年度と比較しますと三十八件ふえております。あと空き巣は、平成二十一年には七百二十件発生しておりまして、平成二十年度と比較しますと八十件増加になっているということであります。いわゆるひったくりですとか、空き巣ですとか、こういうのは本当に私たちの生活に密着した部分の犯罪ということで、体感治安というのは非常に悪くなっていくんじゃないかな。やはり安心安全ということをうたう以上は、体感治安というのを高めていく必要があると私は思います。  そのために、地域の見守る目ですとか、今いろいろ進めております防犯カメラの整備というのがありますけれども、犯罪の抑止、また犯人の検挙という点では、この防犯カメラというのは、私は非常に有意義ではないかなと思いますし、実際に世田谷区の防犯カメラで犯罪の検挙があったというふうな話も聞いておりますけれども、この辺に関して、区は今後どのように取り組んでいくのかお聞かせいただきたいと思います。 ◎廣瀬 危機管理担当課長 委員ご指摘のとおり、防犯カメラは、区民の皆様が安全で安心して生活をするために、犯罪の抑止効果、また、ひったくりなどのいわゆる街頭犯罪の検挙につながるなど、大変有効であると認識をしております。  これまでに区は東京都と連携しまして、地域における防犯対策の向上を図るために、商店街等が設置する防犯カメラの整備費用の支援を実施してまいりました。また、防犯カメラによる効果と同時に、町会・自治会、PTA並びに商店街などが自主的に行う防犯パトロール活動などを地域を見守る目として支援を行ってまいりました。  区といたしましては、今後とも東京都の動向を踏まえながら、区民、警察、関係機関と連携をしながら、安全で安心して暮らせるまち世田谷の実現を目指しまして、防犯カメラの整備費用の支援を初めとするさまざまな施策に取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 それともう一つ、これはずっと社会問題になっています振り込め詐欺についてちょっと聞かせていただきたいと思います。  この振り込め詐欺に関しては、警察も撲滅運動やいろいろな努力、区の広報啓発活動というのもありますし、そういうので、二十年度と比較して、二十一年度は大きく減少してきているわけです。  ただ、私は非常に気になったことがございます。最近、世田谷区役所の福祉課や年金課、総務課等の職員の名を名乗って電話をしまして、医療費の還付がある、期限が迫っているので、至急厚生労働省に連絡してほしいと。手続が必要だということで、ATMまで誘導して機械を操作させまして、電話を受けている方は還付されるのかなと思いながらも、実は犯人の口座にお金を送金してしまっている、こういう還付金詐欺の被害が世田谷区内で増加しているということであります。  ちょっと気になりますので、この辺のところを聞きたいと思うんですけれども、この還付金詐欺は、区の職員を名乗ってということでありますし、この振り込め詐欺に区はどのように対応していくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎廣瀬 危機管理担当課長 平成二十一年の世田谷区内における振り込め詐欺の被害は七十二件発生しております。本年一月には十八件の被害が発生しております。警視庁では被害の増加を受けて、二月を振り込め詐欺撲滅月間と定めまして、金融機関への見回りを初めとする被害防止や取り締まりの強化等の取り組みを強化しております。  一方、委員ご指摘のとおり、昨年十二月初旬より、区には区の職員をかたる振り込め詐欺と思われる電話を受けた、こういう問い合わせが二月末現在で二百四十九件に達しております。そのため、区庁舎には振り込め詐欺注意のポスターを掲示するとともに、「区のおしらせ」、防犯情報メール、防災行政無線、二十四時間安全安心パトロール車両による防犯広報もあわせて実施しているところでございます。  防犯広報の効果といたしましては、防犯情報メールを受け取った区民の方より、電話の内容が防犯メールの内容と同一であったことから振り込め詐欺だと気づき、被害に遭わずに済んだという連絡をいただいたケースもございました。  今後につきましても、警察署と連携をしながら、より一層防犯広報に努めて被害防止に取り組んでまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 この振り込め詐欺なんですけれども、こうしてテレビとかでもいろいろ取り上げ、何で振り込んじゃうのかなというふうに私は思うんですが、ただ、自分を振り返ってみると、ちょっと理解できる部分があるんですね。  実は私、知人によく当たる、よく当たるということで占い師を紹介されたことがありまして、余り占いって信じていなかったんですけれども、私の知り合いの何々さんも当たっていると言っている、何々さんも当たっていると言っているというような話をいろいろ聞きまして、一回行ってみるかなと思って、諭吉くんを胸にしまって田園調布まで足を延ばしたんですね。  かれこれ一時間ぐらいいろんな話をしていたんですけれども、その占いの中で、あなたの前世はという話がありまして、そうしたら、私の前世は何とかっぱだったんですね。あなたの前世はかっぱだから、ラッキーカラーは緑ですよと。そのとき、私はやっぱり当たる当たるというのがこういうふうに頭に入っちゃって、確かにその方も冒頭に、私の占いは当たるんだということを言われたものですから、すっかり信じてしまって、家に帰って家内にちょっと話をしました。家内も、当たるんだったら、私も見てもらいたいなんて言っていたんですけれども、その話をしまして、おれの前世はかっぱなんだ、ラッキーカラーは緑だから、ポスターは緑がいいかもしれないよなんていう話をしていたんですよ。そうしたら、家内が、でも、かっぱっていたの、こういう言われた瞬間に、二人の中で静寂な時間が過ぎたと。  その中で、私もちょっと冷静になりまして振り返ると、ちょっと悔しいので、かっぱというのを調べてみたんです。かっぱというのは、実は頭のてっぺんに皿がある、くちばしがとがり、甲羅やうろこがある、日本各地に伝わる水界に住む妖怪の一種だということであります。人間に相撲を挑んだとか、田植えを手伝ったとか、こういった話があるそうで、意外といいやつだったかなという感じがしないでもないんですけれども、人間界と水界との交渉を説く話が多い、ある空想の生き物であると、ブリタニカ百科事典に書いてありました。このように言われれば、確かにかっぱというのは空想の生き物だけれども、そのときはやっぱり信じちゃうわけですよね。これが振り込め詐欺の恐ろしさということであります。  ただ、空想の生き物と言われても、かっぱのミイラですとか、手が祭られている神社とかお寺が日本各地にいろいろあるというような話も聞いております。ただ、かっぱの好物は、皆さんご存じだと思いますけれども、キュウリなんですよね。すし屋でキュウリを巻いたのをかっぱ巻きと言いますし、なぜ人間がかっぱの好物を知っていたのか。そういうことを考えると、意外とかっぱが実在したということも、この占いも信憑性が出てくるのかなという気がしたりするわけです。実際に、私はすしの中でかっぱ巻きも食べますし、大好きですし、信じる信じないはご自由でございます。  ただ、世田谷区の職員の名を名乗って還付金詐欺、玉川地域が一位になったということは、ある意味、裏を返せば、区の職員が信頼されているということであります。ただ、それを裏切った行為をするというのは、私は不届き千万だと思いますけれども、それに関して感想があったらお願いします。 ◎廣瀬 危機管理担当課長 委員おっしゃるとおりだと思います。区職員一体となってさまざまな防犯活動を続けまして、被害の根絶に力を注いでいきたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 畠山委員にかわります。 ◆畠山晋一 委員 ちょっとやりにくい雰囲気ですけれども、本日のファイナルクエスチョン、自民党の最終の質問をさせていただきたいと思います。  今回、我が会派としますと、各領域にわたって、この厳しい財政状況の中ですから、財政健全化を目指して、税外収入を一つのテーマにして、各領域にわたって質問をしていくということの一つの流れができております。流れといっても、きょうはまだ二日目なんですが、私は二日目の企総領域に当たって、税外収入について何点か聞いていきたいと思います。  収入源の確保を進めるために実行すべき一つの手法として、初めに、ネーミングライツについて伺っていきたいと思います。  先日、横浜国際総合競技場、いわゆる日産スタジアムの命名権について、横浜市が再び日産自動車と契約を結んだという報道がありました。それだけ聞くと何ともないニュースなんですが、実際、この契約金額、これまで年間四億七千万円から、今回が一億五千万円、これは三億円以上も減額になったということです。契約希望金額を下げるなど、実際のところ、これは二度にわたって公募でお願いしたところ、それでも日産自動車しか応募はなかったと。横浜市とすると、日産には非常に感謝しているそうですけれども、実際自分たちが想定していたものよりも三億円も減ってしまったということで、これまで市の負担がほとんどなかった競技場の維持管理経費について、来年度からは差額分の三億二千万円の負担が市にかかってきてしまったといった実態があるわけですね。  実際、我々がイメージするところの日産スタジアムというと、日韓で共同で行われたワールドカップの決勝戦を行った競技場でもありますし、今も代表戦となると、やっぱり日産スタジアムということで、非常に有名なところであります。  日産スタジアムであってもこんな状況なわけですから、実際、ネーミングライツを世田谷区で進めるといった考えを発したときに、企業にとってどれだけ魅力的な広告媒体になるかが、実際のところキーポイントになってくると思います。  このキーポイントに対して、今の段階で世田谷区がネーミングライツを考えるときに、世田谷区とすると、具体的にどのような場所、施設などを想定しているか、お考えを伺います。 ◎宮崎 政策企画課長 今ネーミングライツのお尋ねをいただいていますけれども、税外収入全般に係りまして、こういう財政状況を踏まえまして重要な観点になってきております。  区としても、これにつきましていろいろな工夫をしなければ、今お話もございましたように、企業側のほうもなかなか厳しい状況の中での提案になりますので、その辺もしっかり取り組んでいかなければならないという状況があろうかと思います。  多くの自治体の中で文化・スポーツ施設などが命名権の売却の取り組みとして挙がっておりますけれども、やはり競技場や文化施設、この辺が集客力の関係とかで期待できるものと、さらに、その際には規模についても重要な観点になるのではないかと思っております。一方で、先ほど他会派のほうからもご質問があった際に申し上げました懸案課題等も出てくるのではないかと思っています。  いずれにいたしましても、最近取り上げております例等を参考にいたしまして、庁内横断的な検討体制を組みながら、それぞれの施設の特性などを念頭に置きまして、世田谷らしい事業のあり方について検討する中で、このネーミングライツについても効果等を含めまして検討してまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 最近の例だと、渋谷区のトイレですとか、大阪のほうの歩道橋ですとか、いろんなユニークな事例が見られます。実際、今横浜の例を挙げましたけれども、ただ企業の名前だけで出て、ネーミングライツに名乗りを上げていく企業というのは、この不景気の中ですから、特に広告費が抑えられている状況ですから、なかなか出てこない。そうすると、やっぱりアイデアを凝らしていかなきゃいけないということになります。  例えば企業とすると、命名をしたと同時に、その命名をした施設に対する維持管理費としてそのものを使っていますよということで、企業とすると、自治体に対して貢献しているというような両輪の流れがあったほうが、企業としても社会貢献に結びついている。  ですから、今度、桜新町に例のレンタサイクルができるわけですけれども、例えばそこを某A社とつけて、そのA社が特に電動自転車というのは、僕自身も使っているからわかりますけれども、電池の消費量が物すごく激しいんですね。消費量が激しいと同時に、一個五万円する、物すごく高価なものですね。  この運用コストを、そういったネーミングライツを上手に利用して、レンタサイクルポートのネーミングライツ、命名権を維持管理に結びつけていくというアイデアでもってやっていかないと、特に世田谷区なんかは、桜新町もさることながら、住宅街ですから、不特定多数の人が多く行き交うような町ではないわけですから、企業とすると、やはり不特定多数の来る方が多い渋谷ですとか横浜、大阪という大きい都市が命名権のクオリティーが上がるところになってきます。世田谷区で命名権をつけると、世田谷区に貢献している社会団体になるんだよというようなライツ、附則をつけて、ぜひとも公募していただくことをお願いしたいというふうに思います。  ネーミングライツはその辺にさせていただきまして、続いて、税外の収入源の確保という観点からは、きょうも何度か登場してきておりますけれども、こちらの「せたがや便利帳」についてです。今現在はこの「せたがや便利帳」の広告というと、ページを見てみると全部巻末に来ているわけですけれども、最後の何ページかに来ております。  広告を掲載することによって、ことし、これは八十八万円の収入があったと聞いているんですけれども、何部発行して、一冊当たりの経費、そして一冊当たりに占める広告の割合はどれぐらいなのでしょうか。 ◎久末 広報広聴課長 お話しの「せたがや便利帳」の発行部数でございますが、今年度は転入者の方及び希望される区民の方を対象といたしまして九万部を作成しております。また、一冊当たりの経費でございますが、広告掲載の歳入を差し引いて、一冊当たりの単価は約八十八・九円と、広告掲載しない場合と比べて一冊当たり約十円の経費削減を実現しております。  さらに、一冊当たりの広告の割合でございますが、全体一五六ページのうち九ページが広告となっており、割合といたしましては約〇・六%となっております。 ◆畠山晋一 委員 実際のところ、この十円のコストのプラスがあったというところで、ここに広告を載せることの利点があるというわけですけれども、実際にこの便利帳を利用する人の立場から考えると、自分自身が必要とする項目に行く、自分自身が調べたいものを目的に向かって見るというところがメーンの便利帳の利用方法ですから、なかなか巻末まで広告を見ようという人がいるかなと考えたら、ちょっと厳しいんじゃないかな、なかなか目につかないんじゃないかなというふうに考えるんですね。逆に言うと、広告する企業にとっては、今のままでは余り魅力的な広告媒体とならないのではないかと考えるわけです。  そこで、広告を掲載する企業にとってもっと広告宣伝力のある広告掲載を考えませんと、実際、広告料を納めてくださる企業も不景気の中で減額されているわけですから、どんどん減りかねないのかなということの懸念は否めないと思います。ただし、この便利帳の本来の目的である行政サービスの提供というところの情報を阻害したり妨げるようなことがあってはならないわけです。  そうすると、例えばなんですけれども、冊子の中に、途中で空白のところが時折あるんですね。冊子の中に妨げにならないような形で中に広告を散りばめたりしてみることによって、読む側にも目につきやすいですし、こういった広告掲載の仕方も検討できないのかなと思うわけです。  ただし、これに載せるに当たって、広告掲載の基準がいろいろあると思うんですね。そもそも基準があるのか、また、何か規制が実際かけられているのか、または広告掲載に当たっての意思決定がそもそもどのようになっているのか、区の見解をお伺いします。 ◎久末 広報広聴課長 広告掲載における基準につきましては、世田谷区広告要綱や広告掲載基準等の規定を設け、適正な運用に努めているところでございます。  また、それの規定によりまして、広告掲載できる媒体の種別や公序良俗に反するなど広告掲載ができない一般的な基準、また、広告主や広告の表現の制限など基本的な事項につきまして定めております。ただ、中に広告がだめというような基準はございません。  お話しの広告事業全体の流れでございますが、所管部が広告媒体に新たに広告を掲載する場合、あらかじめ事業計画を世田谷区広告審査会に付議した上、広告掲載媒体の種別あるいは仕様や事業形態等について審査をし、その了承を得た上で実施することとしております。  委員ご提案の広告掲載方法でございますが、現在準備を進めております平成二十二年度の「せたがや便利帳」におきましては、巻末の広告ページ以外にも、より広告主の掲載意欲を促すよう、例えば表紙の裏面ですとか目次のページにも広告を掲載するなど、内容が区民に誤解を与えることがないように十分注意しながら、歳入の増が期待できる工夫を重ねてまいりたいと考えております。 ◆畠山晋一 委員 早速、裏面と目次というところで、確かにこれは有効利用できるというふうに感じるところでありますし、ぜひとも便利帳を工夫して、収入の増に努めていただきたいと思います。  同時に、これは必ず見るところというのは、ページのところを見るんですよ。索引のところへ行って目次を見て、何ページだろうかという数字のページのところを見ますから、数字のページの小さいところを見るんですから、ここに広告掲載を設けると必ず目につくといった工夫もあって、小さいところでも目につく便利帳というのを上手に使って広告料をいただいて、上手に税外収入を取っていくことも考えていただきたいと思うわけです。  そうすると、例えば民間の能力が必要になってくる中で、別にほかの区をまねしなさいというわけじゃないんですけれども、例えば他区の便利帳の使用状況、また広告料についてどのようになっているのか、もしおわかりであればご答弁をお願いします。
    ◎久末 広報広聴課長 お話しの他区の便利帳の状況でございますが、現在、全区において便利帳、情報誌が発行され、また、ほとんどの区において何らかの広告が掲載されていると認識しております。  また、他区におきましても、自治体の広告としてふさわしい業種や表現につきまして、世田谷区と同様の広告掲載要綱を設け運用しております。さらに広告内容につきましては、広告主の業種によりさまざまでございますが、広告掲載の方法や数量等に違いがある程度で、おおむね世田谷区の広告内容と同じであると思っております。  一方、生活情報誌の発行形態は、デザインや編集、さらに広告募集まで自治体が行っているところ、または千代田区や豊島区の生活情報誌のように、広報分野に実績のある民間事業者との共同など、新たな発行形態がふえていると考えております。 ◆畠山晋一 委員 世田谷区と大体同様であるということですけれども、最後に、千代田区と豊島区が上手に民間の方と連携しながら、やっぱりプロの適材適所による広告の使い方をされているわけです。最終版が今月まとめられるものというふうに聞いておりますが、区の行政経営改革計画によりますと、広告事業に関して民間活力の活用をしっかりやっていくということで、民間協働ということもうたっておりますから、実際民間の編集力を活用して、あわせて広告を取り入れていくことができないのか、今後具体的にどういうふうになっていくのか、ご答弁をお願いします。 ◎久末 広報広聴課長 今委員お話しのように、情報冊子等の広報分野におきまして、民間事業者の持つ情報提供能力は非常に多彩であり、それらの効果的な活用は有効であると考えております。  今後、民間事業者の持つ読みやすさや興味を持っていただく視点での編集能力の活用により、行政情報や世田谷の歴史や文化、さらに効果的な広告掲載によりまして、自分たちの町を再発見していただけるような情報付加価値を持った生活ガイドになるように取り組んでまいりたいと思います。  また、お話しの情報冊子のほか、区のさまざまな資産を活用した歳入の確保策につきましては、今後も検討してまいりたいと思います。 ◆畠山晋一 委員 実際のところ、プロにはプロの能力があるわけですから、ぜひともその辺を生かして、ただの便利帳じゃなくて、この便利帳が意味ある、また、区民にとって喜ばれるものにしていただくことをお願いしたいと思います。  ついでに、それを行うことによって収入の増も望めるのであるならば、これは非常にいいことでありますし、魅力的な広告媒体が、区にとっても大きな収入財源となってくるわけですから、もっといろんな使い方があると思うんですね。区政情報コーナーで出ているいろんな情報に広告を入れたらどうかなというふうに思います。例えば都市計画図に入れたりとか、今封筒に広告は入っておりますけれども、そのほか、街路灯もあるわけですし、区の広報掲示板もあるわけです。先ほどレンタサイクルポートという話をしましたが、こういった部分で、広告を有効利用して活用できる方法がまだまだあると思います。  先ほど答弁の中でいろいろ基準と審査があるということですけれども、世田谷区の広告審査会のメンバーが、きょう、ほとんどここにそろっておりますので、広告審査会の皆様には、ぜひともその辺をご認識いただいて、こういった媒体を有効に活用していただくことをお願いして、次の質問に入らせていただきたいと思います。  次は、きのうの総括質疑、一般質問のときにも、私のほうで質問させていただいたんですけれども、再び生活保護のケースワークについて伺ってまいりたいと思います。  もう周知の事実として、派遣切りですとか、公設派遣村、生活保護の受給者がふえていると。世田谷区においてもふえるということは、一般質問等でも再三再四出てきております。ほかの会派の質問にあったように、ケースワーカーが足りない。社会福祉法が定める配置の基準が一人のケースワーカーに対して八十件であるところに、世田谷区は実際百件を超えている。このような状況においてこそ、もっときめ細やかな自立に向けたケースワークを実態として行ってほしいということから、職員一人当たりの標準世帯数が適正になるような人員体制を施してほしい。真に必要な要素に人員を投入して、めり張りのある人員体制を構築するということであれば、きのうの総括領域の質疑でも増員といった答弁をいただいたわけですけれども、来年度に向けて、まさに生活保護のケースワーカーへの人員投入が最たるものと考えますが、現況とするといかがでしょうか。 ◎尾﨑 人事課長 世田谷区におきまして、二月の段階で職員一人当たり担当するケース世帯数がお話しのとおり百を超える状況が出てまいりました。きめ細やかなケースワークを維持していくためにも、一定程度の増員が必要と考え、平成二十二年の四月に向けて増加するケースワーク業務対応として、全体で九名の増員をただいま予定しております。  お話にありましたように、ケースワーカーの増員も極めて優先度の高いものと考えて、増員を計画しております。真に必要な部署に人員を配置し、何を優先すべきかを考えて、今後もめり張りのある人員配置を目指してまいります。  今回の九名の増員によりまして、それぞれの幅はありますが、百を超えているところが八十台に落ちる努力もまたやっていきたいと思っておりますし、落ちるところもございますので、とりあえず百から八十台まで落とすことができればというふうに思っております。 ◆畠山晋一 委員 具体に九名ふやして、一人当たりの対応を八十人に減らしていく努力をしていただけるわけですから、細かな対応ができることをしっかりと望みたいと思います。その増強に伴って、数の確保だけではなくて、そうすると、量の確保ができたら、今度は質だというふうに思うわけですけれども、このケースワーカーの質を高めるためにもさまざまな取り組みが必要であると考えるわけです。  生活保護が実際必要であるか否かは法律に照らしながら判断していく。こうしたことを簡単に、きょうからすぐに対応しなさいと言われるものではないと思います。区の職員だって、いろんなところから来ている方がいるわけですから、一概にケースワーカーの仕事にすぐにつけるものではないと聞いておりますけれども、質の高いケースワークを行っていくために、当然そうした分野での経験と知識とあわせて適材適所に配置する場合には、何よりもケースワークという業務に対する適性というのが重要な要因になってくると思います。  多くの職員の方々がこのケースワークに従事していただいて、実績を上げていただいているわけですから、さらなる厳しい状況を乗り切っていくためにも、こうした素養のある職員を数多く探し出して適正に配置していくと。いわゆる人事戦略みたいなものがこれからは重要になってくると考えますけれども、いかがでしょうか。  例えば、ケースワークの業務を率先してやりたいと言われる方もいらっしゃると思いますので、業務をPRして、やってみたい職員を募集してみるとか、実際に経験を積んだ職員を、単に異動のサイクルの中で数年たったからということで、ほかの部署に簡単に異動させるんじゃなくて、こうした業務に対してすぐれた適性があって、職員自身も将来にわたってケースワーカーを天職としてやっていきたいと考えて、今後も続けていきたいというふうに考えている方もいらっしゃると思います。  人材育成方針にも触れている中で、いわゆる生活保護マイスターといいますか、スペシャリストというようなところでの役割を担ってもらって、直接ケースに対応することが、もちろんこれが現場にすぐに対応できる方にとってもプラスになることであると同時に、まさにケースワークは現場での仕事になってくるわけですから、実際に新しく入ってくる職員のOJTだとか、ケースワーク全般の施策にもしっかりと深くかかわってもらう、生活保護マイスター、そうした職員は、通常の人事異動のサイクルとは別に人事管理していく、こういった取り組みを行っていくことはどうでしょうか。 ◎尾﨑 人事課長 増加する生活保護受給者に迅速かつ適切に対応していくためには、まず配置する職員の能力、特性をよく見きわめ決定していくことが重要であると考えております。そのためには、これまでに経験してきた職員の経歴、所属歴、それから、本人の現在の意向、課長、いわゆる管理監督者から見た適性など、そういう観点を総合的に判断し、ケースワーク業務に求められる人材に適合するかどうかをしっかりと見きわめてまいりたいと思っております。  お話にありました職員募集に関しましては、本人の意向を確認し、職員の意欲や能力を最大限に活用する方法の一つとして、現在もケースワークを含む幾つかの分野、課題につきまして、庁内公募による職員配置を実施してございます。このみずからやりたい業務について手を挙げるという仕組みをさらに充実させることにより、職員のモチベーションも上げ、より専門性を高めていくことが期待できます。さらに効果的な庁内公募を進めてまいりたいと考えております。  また、お話にございましたマイスター制度とは、区政におけるそれぞれの分野で職務に極めて高い知識と能力を有している職員に対してマイスターの称号を付与するもので、人材育成方針においても参考として掲載してございます。より高度な専門知識や技術の蓄積を図ることができ、区民の満足度アップ、行政サービスの向上、職員のプロ意識の向上などが見込まれるため、実現に向けて検討してまいりたいと思います。 ◆畠山晋一 委員 人材が宝なわけですから、このマイスター制度というスペシャリスト、今はこの生活保護を例にして質問させていただきましたけれども、こうしたスペシャリストをしっかりと育成していく人事戦略は、今後もまさにこの世田谷区の質の高い行政サービスを提供する一つの誇りともなりますし、世田谷区という特色を色濃く出して、魅力的な自治体を創造していくといった面からも非常に意義の高いものだと考えております。これまでもそうなんですけれども、自治体のサービスを提供する職員という人材が頼れる魅力の存在であることから、これから自治体の価値を高める最大の要素なのではないかと考えております。  例えば、先ほどマイスター制度とか、仕事の役に立つ資格の取得の支援だとか、専門分野に特化した研修、効率的なOJTを進めるための方策、これは実際にスペシャリスト育成という観点から、今、生活保護のことを言いましたけれども、スペシャリストの育成に関して、各分野にわたって取り組んでいただきたいと思うわけですが、その点に関してはいかがでしょうか。 ◎尾﨑 人事課長 今まで主に区では、区政の幅広い分野に対応できるゼネラリストの育成のもとに力を注いでまいりましたけれども、今では特定の分野におけるスペシャリストの育成が伏線的に求められていると感じております。  区では、これまで定期的な人事異動によりさまざまな職場を経験し、幅広い知識を習得したゼネラリストの育成に努めてまいりました。しかしながら、お話にあったケースワークのほか、税務や戸籍事務などの専門知識を必要とする仕事がふえており、資格、免許を必要とする専門職や技術職だけでなく、一般事務職においてもスペシャリストを数多く育成する必要が生じてきております。  こうしたスペシャリストの育成に当たっては、職員の適性や能力の的確な把握、さらにそれらを伸ばす研修制度の充実や各種資格取得の支援を行うとともに、本人の意向をより尊重できる庁内公募を活用するなど、職員の有する知識や経験を効果的に組織運営に生かす機会をより多く設けていくことが重要であると考えております。  今後とも多様化する区民ニーズを的確にとらえ、質の高い行政サービスを提供していくため、スペシャリストの積極的な育成に努めてまいりたいと考えています。 ◆畠山晋一 委員 ゼネラリストというオールラウンダーを育てていかなきゃいけないといった区民の行政サービスにすそ野広くこたえていくための人事戦略と同時に、僕が言ったスペシャリストをしっかり育てていくと。今皆さんネームプレートをつけていらっしゃいますけれども、区民にとってわかりやすく、例えば、ここにマイスターとかスペシャリスト、生活保護のスペシャリストです、都市整備のスペシャリストです、教育のスペシャリストといった形で、世田谷区が持っている人材をしっかりと、少しでも区民にとってわかりやすいように告知することも、これは区民にとっての安全安心にもつながっていくところだと思います。同時に、その星をつけることによって、自分たちの責任能力の高さも出てきて、もっと学習しよう、もっと勉強しようということにもなってくると思います。  現実に生活保護のケースワーカーの話の中で、現場のいろいろな話を聞いてみますと、やはり危険な目に遭っていらっしゃる職員もいらっしゃるようですね。これは向こうも必死ですから、向こうも大変な思いをしているわけですから、時折情報がきちっと行かなくて錯綜して、刃物のような危険物を持って迫ってくるような区民もいるという話を聞いています。それが普通に世田谷区の場所で行われていることで、そういったものに対するスペシャリストというのはしっかり育てていかないと、区民のために、ましてや皆さんの命を守るためにも、こういった危険性にも対応できるスペシャリストを育てていかなきゃいけないという観点から、ぜひともこの点について取り組んでいただきたいというふうに思うわけです。  同時に、人事施策の中で、実際にスペシャリストやゼネラリストの区の職員を統率していくのが管理職なんですけれども、実際のところ、この人たちを管理していく特別区全体における管理職選考の受験者が減少していると聞いております。これは世田谷区だけじゃなくて、特別区全体においても同じような状況にあるようです。先ほどのスペシャリストの育成も同じですけれども、しっかりと管理職の受験率をアップさせるために、区としてはどのような取り組みをしているんでしょうか。 ◎尾﨑 人事課長 管理職選考の受験の喚起策といたしましては、年度当初に選考に当たって区独自で説明会を実施してございます。また、受験を希望する職員には、幹部職員による選考論文の個別指導も実施いたしております。また、庁内の広報誌を通じて、選考合格者の体験記を数回にわたり掲載して啓発を行っております。こうした取り組みも相まりまして、昨年度比で、若干ではございますが、受験者数の増加が見られたような状況でございます。  今後とも効果的な受験喚起策に努めてまいりたいと思います。 ◆畠山晋一 委員 以上で自民党の質問を終わらせていただきます。 ○山内彰 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○山内彰 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十七分散会...